見出し画像

【自由律俳句】最短詩または超絶短詩への飽くなき挑戦(練習)


しふぉんさん撮影1

短歌の文字数は31文字。

俳句・川柳の文字数は17文字。

小牧幸助文学賞は20字小説。

それらの面白さを知り得たことで気づいたこと。

一生に一度の今日を、

作り、

変えろ!

そして、

守れ!

奏でろ♪

次の未来まで、

みたいに、

言葉を変えれば、

世界が変わるかもしれないから、ね(^^)

藤原嘉騎さん撮影

そう、人類の歴史は、つくる(創る/作る/造る/做す)事の歴史でした。

「土木と文明」合田良実(著)

制約。

常識。

願望。

そして、人は、つくることによって、さまざまなことを乗り越えてきた、歴史的な事実が存在しています。

時代が大きく変わろうとしている今。

私達は、つくること、そのものを、楽しみ、つくり変えて行く。

形あるものだけが、ものづくりではありません。

人間のためのものだけが、すべてでもありません。

常に、問いかけながら、可能性を拓き続けて行きたいですね(^^)

世界は不確かで、複雑さを増しています。

でも、だからこそ。

これまで培ってきた力が、まだ、見たことのないものを実現する原動力になるはず。

なぜなら、いつだって、つくることは、何かを超えることなのだから(^^)

しふぉんさん撮影2

すぐに役立つことは、たぶん、すぐに役立たなくなる。

学力に限りなし。

でも、時間に限りあり。

自身の枠を超え、新しい領域を拓いてゆく。

以下を手本にしてみることで、ちょっと、短詩に挑戦してみました。


1.最短詩

自由律俳句とは、五七五の定型俳句に対し、定型に縛られずに作られる俳句を言います。

季題にとらわれず、感情の自由な律動(内在律・自然律などとも言われる)を表現することに重きが置かれています。

文語や「や」「かな」「けり」などの切れ字を用いず、口語で作られることが多いのも特徴です。

特に、短い作品については、短律とも言います。

定型の意識を保ったまま作られる字あまり・字足らずや句またがり、破調の句などとは区別されます。

また、自由律俳句は、あくまで定型から自由になろうとすることによって成立する俳句であり、したがって、単なる一行詩が、そのまま自由律俳句となるわけではありません。

【お手本①】

<河東碧梧桐>
「弟を裏切る兄それが私である師走」

「曳かれる牛が辻でずつと見廻した秋空だ」

「碧梧桐俳句集」(岩波文庫)河東碧梧桐(著)栗田靖(編)

<種田山頭火>
「まっすぐな道でさみしい」

「うしろすがたのしぐれてゆくか」

「分け入つても分け入つても青い山」

「山頭火俳句集」(岩波文庫)種田山頭火(著)夏石番矢(編)

<荻原井泉水>
「棹さして月のただ中」

「たんぽぽたんぽぽ砂浜に春が目を開く」

「曳かれる牛が辻でずつと見廻した秋空だ」

「一茶随想」(講談社文芸文庫)荻原井泉水(著)

<尾崎放哉>
「咳をしても一人」

「墓のうらに廻る」

「いれものがない両手でうける」

「こんなよい月を一人で見て寝る」

「尾崎放哉句集」(岩波文庫)池内紀(編)

<青木此君楼>
「かほ」

「いろ」

「草も月夜」

「光水の上にある」

<中塚一碧楼>
「橋をよろこんで渡つてしまふ秋の日」

「病めば蒲団のそと冬海の青きを覚え」

「自由律俳句 中塚一碧楼物語(上巻)」(海紅文庫)中塚唯人(著)

「自由律俳句 中塚一碧樓句集-冬-」(海紅文庫)中塚唯人/日野百草(編)


「碧梧桐句集」(海紅文庫)中塚唯人/日野百草(編)

「続・中塚一碧楼物語」(海紅文庫)中塚唯人(著)

<栗林一石路>
「シャツ雑草にぶっかけておく」

「こういう思想をもって黄ばんだ街路樹を仰いでいる」

「栗林一石路句集」(新日本文庫)栗林一石路(著)古沢太穂(編)

<大橋裸木>
「陽へ病む」

「蛙の声の満月」

「横になって夕立に逃げられちゃった」

<橋本夢道>
「うごけば、寒い」

「無礼なる妻よ毎日馬鹿げたものを食わしむ」

「無禮なる妻 橋本夢道句集」橋本夢道(著)

<住宅顕信>
「ずぶぬれて犬ころ」

「若さとはこんな淋しい春なのか」

「夜が淋しくて誰かが笑いはじめた」

「ずぶぬれて犬ころ」住宅顕信(俳句)松林誠(版画)

<せきしろ>
「登山服の老夫婦に席を譲ってもよいか迷う」

「電気のヒモが長ければと布団で思う」

「遅刻が確定した電車で読書」

「現地集合現地解散なら行く」

「カキフライが無いなら来なかった」(幻冬舎文庫)せきしろ/又吉直樹(著)

<堀田季何>
「1+1=1」

「俳句ミーツ短歌 読み方・楽しみ方を案内する18章」堀田季何(著)

【参考図書】

「まさかジープで来るとは」(幻冬舎文庫)せきしろ/又吉直樹(著)

「蕎麦湯が来ない」 せきしろ/又吉直樹(著)

【参考記事】

【お手本②】

せきしろの一句:
「東京行こうと友の声は三十五年前」

最優秀賞:
「土産屋の一角に平成が生きている」
( 北海道 エリンギ 36歳)

優秀賞:
「ヤニ天井の下で呑む」
( 千葉県 xissa 58歳)

「生年が同じ本がこんなに古い」
( 長崎県 毎日ハッピー 45歳)

【参考資料】

・堀田季何『惑亂』

「ぬばたまの黒醋醋豚を切り分けて闇さらに濃く一家團欒」

「朝なさな血痰吐けば冠したし赤ら引くてふ枕詞を」

「決潰の目玉をすする食卓に秋のひかりは淫のごとしも」

「紫貽貝の毒そのひとつドウモイ酸に脳侵さるる夢見て脳は」

「熱ありて白川夜船を漕ぎゆけば沈没前の朝あしたのひかり」

「龍井ロンジン茶のふかきみどりを滴滴と喉のみどにおとす時さはにあれ」

「わがむくろ土に崩れてももとせの時しめぐらば黒百合よ咲け」

「エジプトに緑の季節ありしころ獅身女スフィンクスをば撫でし神の手」

「彗星の回帰するたび痩せてゆくわが全身像シルエットレンズにさらす」

「ヒルベルト空間すでにおとろへてある日名残の雪降りだすも」

「他の天体と意味ある角度なさぬとき月は空白ボイドの時を愛かなしむ」

「銀河てふ環の断面を環の中の星より観たり銀河人びとわれ」

「自らを嘘吐きと述べしエピメニデスその言説を吾は信じつ」

「むらきもの蛭子の神の産みのおや伊邪那美こそをにくめよ海鼠」

「レヴィ=ストロース読むなかれ。どの構造もよめばよむほど土台が揺ぐ」

「智天使ケルビムの不可思議の火に囲まれて楽園エデンは待ちをりわれの帰還を」

「非凡とはやがて悲しきものと思もふつきのわぐまの白化個体アルピノのごと」

・堀田季何『人類の午後』

自選五十句:

「水晶の夜映写機は砕けたか」

「息白く唄ふガス室までの距離」

「戦争と戦争の間の朧かな」

「鳥渡るなり戦場のあかるさへ」

「少年少女焚火す銃を組立てつつ」

「自爆せし直前仔猫撫でてゐし」

「雪女郎融けたる水や犬舐むる」

「満月や皆殺されて祀らるる」

「迷彩の馬駆けめぐる桜かな」

「花の樹を抱くどちらが先に死ぬ」

「宝舟船頭をらず常(とは)に海」

「懇ろにウラン運び来宝船」

「エレベーター昇る真中に蝶浮ける」

「紋白蝶重し病者の鼻梁には」

「白蝶の己が軌跡をなぞるとき」

「歪みつつしやぼん玉デモ隊の上」

「しやぼん玉水面にとまる円きまま」

「斑蝶斑蛾斑蝶斑」

「うち揚げられし魚へ夏蝶とめどなし」

「法案可決蠅追つてゐるあひだ」

「吾よりも高きに蠅や五六億七千万年(ころな)後も」

「霧のなか霧にならねば息できず」

「みな聖樹に吊られてをりぬ羽持てど」

「正方形の聖菓四ツ切正方形」

「ぐわんじつの防弾ガラスよくはじく」

「双六に勝つ夭折のごとく勝つ」

「とりあへず踏む何の絵かわからねど」

「汝が夢をはる吾が春の夢のなか」

「囀れりわが宍(しし)を喰ひちらかして」

「地球儀のどこも継目や鶴帰る」

「こどもの日ガラスケースに並ぶ肉」

「噴水や生前生後死前死後」

「白百合やわが遺伝子のやがて屑」

「かき氷青白赤(トリコロール)や混ぜれば黎(くろ)」

「星涼し聖母の顔は画家の妻」

「万緑を疾走す血の乾くまで」

「張りぼてを蹴つて西日に突きあたる」

「向日葵や人撃つときは後ろから」

「箱庭は橋落ちてをり岸に人」

「猫転がり人寝転がる原爆忌」

「人糞も化石にならむ敗戦日」

「人間を乗り継いでゆく神の旅」

「神還るいたるところに人柱」

「石段のはては祭壇冬銀河」

「首振つて白鳥闇を受容れぬ」

「寒林を出づ樹にされてしまふ前」

「撃たれ吊され剥かれ剖(ひら)かれ兎われ」

「日の本の中心や色変へぬ松」

「泳ぐなり水没都市の青空を」

「タイムマシン着くどこまでも夏の海」

他選:

「義眼にしか映らぬ兵士花めぐり」

「水晶の夜映寫機は砕けたか」

「片陰にゐて處刑䑓より見らる」

「ヒトラーの髭整へし水の秋」

「花降るや死の灰ほどのしづけさに」

「戦争と戦争の閒の朧かな」

「ミサイル來る夕燒なれば美しき」

「ひややかに砲塔囘るわれに向く」

「基地抜けて倭やまとの蝶となりにけり」

「法案可決蝿追つてゐるあひだ」

「地震なゐ過ぎて滾滾と湧く櫻かな」

「花疲れするほどもなし瓦礫道」

「春雪や死者の額ぬかから潮うしほの香」

「草摘むや線量計を見せ合つて」

「花待つや眉間に力こめすぎず」

「花篝けぶれば海の鳴るごとし」

「一頭の象一頭の蝶を突く」

「戀貓の首皮下チップ常時稼働」

「檸檬置く監視カメラの正面に」

「小米雪これは生まれぬ子の匂ひ」

「月にあり吾にもあるや蒼き翳」

「匙の背に割り錠劑や月時雨」

「エレベーター昇る眞中に蝶浮ける」

「うち揚げられし魚いをへと夏蝶とめどなし」

「落ちてよりかヾやきそむる椿かな」

「うすらひのうら魚形うをなりの紅こううごく」

「蟻よりもかるく一匹づつに影」

「薔薇は指すまがふかたなき天心を」

「人閒を乗り繼いでゆく神の旅」

・堀田季何『星貌』

2.超絶短詩

超絶短詩とは、添付資料「超絶短詩」の通り、次の規則による短詩型です。

①ひとつの語句を、二つの語句に分解すること。

②分解後のどちらか一方が、間投詞であること。間投詞とは、擬音語と擬態語を含む広義のそれである。

超絶短詩を作るにあたりくだれる準則は、次のとおりです。

①分解前と分解後とで、漢字の重複がないこと。

②分解後のどちらか一方に漢字ひと文字を用いる場合、そのひと文字は、該当する読みとともに、通常は、ひと文字で用いられるものであること。

「吉田山百人一晶―超絶短詩集」篠原資明(著)

【お手本③】

おっ 都政(オットセイ)

自衛 あらーと(Jアラート)

雨 ふと(アメフト)

か 威厳(改元)

3.最短詩への飽くなき挑戦(練習)

【10文字】

展開不明な幸せの余白 ※1

【9文字】

叱られ、子供に退化 ※2

【8文字】

尻を向け、寄り道 ※3

【7文字】

線を超え脱走す ※4

【6文字】

眼や生モノ ※5

【5文字】

裏をひらけ ※6

【4文字】

薫れ人生 ※7

【3文字】

空に心 ※8

【2文字】

欠意 ※9



【1文字】

ん?



びゃん



ビャンビャン麺食べたい!www

【参考記事】


【解説みたいなもの】

※1:
言葉になる前の、なにか。
アタマの余白、あるか。
ココロの余白、あるか。

※2:
何ものにもとらわれず。
常識も偏見もない。
まっさらな気持ちで世界をみる。

※3:
常識に尻を向ける。
帰り道や散歩道や寄り道も大切。
寄り道しても回り道してもふり返れば一本の道。

※4:
喜びや恐れを分かち合う。
未知の緊張から、発見の驚きへ。
アタマという堅い牢獄から、閃きたちは、脱走したがっている。

※5
自己と世界の接点。
言葉は生モノで、眼はハダカだ。
接点が変われば、世界は、別のものになる。

※6:
できないと思うと、できるが逃げる。
真実は裏に、人は裏切るな。
自分を裏切れ。

※7:
一番大事な自分より、大事に思える人がいる。
不思議ですね人間って。

※8:
心に余裕が持てなくて世界がすこし冷たく感じる時。
そんなときは、空に心を飛ばして、鳥になった気持ちで、自分を俯瞰してみる。
やわらかい風が、心をゆらして、世界は、きっと、もっと優しい。

※9:
私の日常には、私が、多分、足りない。
足りないことを知る感性。
足りないことがある喜び。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集