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読書習慣を手に入れるコツ

「10分読書」に拠れば、細切れの読書でも意味がある理由については、ザイガニック効果というものが関係しているそうです。

「ザイガニック」というのは、旧ソ連の心理学者の名前です。

博士によると、「キリのよいところで終えると、すっきりと完結したことにより脳がかえって忘れやすくなってしまう。むしろ、キリの悪いところで中断した未完の状態のほうが、印象に残りやすい」ということだそうです。

細切れ読書おおいにウェルカム、なのです。

『10分読書』から

自分自身で本を選び、自分の心のままに感じること。

他者ではなくあくまで自分を基準にして「自分が読みたい本を読む」ことが、子どもにとっても大人にとっても同様に大切だということですね(^^)

吉田さんが読書の苦手な人に提唱する「10分読書」について「なぜ10分?」かは、「まず、10分読むのに慣れれば、そのうち分数が増えてくる。まずは、漫画でもいい!」だそうです。

「読書を進化させたい時、4種類にわけて本を選ぶ方法。」

①短期間いますぐ役に立つ本

②長期間じわじわ役立ってくる本

③感情に訴えかける本

④論理的な本

「上級者向け、本を選ぶ時は雑食に!」

自分のいきているところから遠いものを選ぶ(自分の世界が広がる)

本屋さんで1位の本を買ってみる(世の中の人がどんなものを物めているのかがわかる)

「【学び】「10分読書」は、高コスパの自己投資である」から引用

読書は時に「人を変える」

読書とは、その大切さをわかってはいても、慣れていない人にとってはハードルが高いものだろう。

大学受験塾で中高生の国語を教えている著者は、「読書」と耳にしただけで敬遠モードを漂わせる生徒たちがいることを身をもって知っている。

だが、高校生にも大人にも、ぜひ本を読んでほしい。

なぜなら、読書は自己投資の中でもコストパフォーマンスが抜群にいいからだ。

お金、時間、どちらにも効果がある。

読書は、勉強や仕事の基盤となる力を伸ばしてくれるため、読書することでかえって時間を捻出することができるのだ。

実際、著者が公立高校から塾や予備校を利用せずに東京大学に現役合格できたことには、読書の力が大きかった。

国語の学力が向上したことだけではない。

読解力を高めることによって全教科の問題文の理解力が上がったからこそ、参考書を用いて独学することができた。

さらに、分厚い本を読み切る経験は、「粘り強さ」「自信」「やり抜く力」を育ててくれたし、本が好きだからこそ、教科書を読み物として楽しめたとも振り返っている。

小学校高学年の頃、著者は一冊の本に出会った。『少女パレアナ』(エレナ・ポーター)だ。みなしごになったパレアナは、叔母さんの家に引き取られることになる。

叔母さんに厳しく当たられ、辛い思いをするパレアナは、亡くなったお父さんとの約束に勇気づけられていた。

それは、「喜びの遊び」というゲームをすることだ。いつでもどんなときでも、喜びを見出そうとするゲームである。やがてこのゲームは町中に広がって、叔母さんも含めた街全体を明るく変えていく――というストーリーだ。

著者はこの本に感動し、何度も読み返した。

パレアナのように、辛いことがあっても常に喜びを見出し、ポジティブに乗り切る癖をつけていった。

それは大人になってからも変わらない。

新しい環境に飛び込むときなど、「喜びの遊び」を思い出して、前に進む力としているという。

一冊の本には、人を変える力がある。

そう実感した著者は、誰もがそうした本に出会えることを願って、まずは自由時間のうち「10分」だけ読書に充ててみることを勧める。

好きな場所、好きなタイミングで、一日のうちのほんの10分間だけ読書する。

それだけでも、あなたの未来は着実に変わっていくのだ。

読書は他の趣味とは異なり、大人のたしなみであるかのように思われている。

しかし、読書をしていないことを恥ずかしいと思う必要はまったくない。

私たちは普段から、意識しないうちに文章を読んでいる。

学生時代は国語の授業を受けていたし、他の教科の教科書も読んできただろう。大人になってからは、日常的にメールをやり取りしたり、ニュースサイトに目を通したりしている。

テキストを読んで資格の勉強をしたことがあったり、レシピ本を買って料理を作ったりしている人もいるだろう。

「そんなのは読書とは言えない!」と思う人もいるかもしれない。

しかし、読書はそんなに了見の狭いものではない。

ある程度まとまった文章を読むことは、ひとつの読書体験だ。雑誌に載っていた好きなアーティストのインタビュー記事を読むことも、読書である。

著者の定義する「読書」は、「言葉を読むことによって、自分の世界を広げること」。

教科書を読んで知識を得ること、物語を読んで価値観が変わること、ビジネス書を読んでアクションすること、誰かのツイートを読んで大笑いすること、町の広報誌で紹介されていたスポットに出かけてみること……心や身体が動けば、それは立派な読書体験なのだ。

養われる「3つの力」

本を読んで得られる力として、「語彙力」「客観力」「想像力」の3つが挙げられる。

読書をしても、すぐに目に見える効果が得られるわけではない。

だが読書は、必ずじわじわと効いてくる。

まず、語彙力だ。

人は年を重ねるたびに、公的な場の会話にも通用するような語彙力を身につけていかなければいけない。

語彙力がなければ、知識や教養がない人だとみなされてしまう。

語彙には、意味を何となく知っている「認知語彙」と、実際に会話や文章で自然に使いこなせる「使用語彙」の2つがある。

認知語彙を増やすだけならば、辞書や漢検の問題集などで言葉を覚えるだけでもいいかもしれない。

一方、使用語彙にするためには、書き言葉である本を通じて継続的に新しい言葉に触れる必要がある。
次に、客観力だ。

読書を通して、自分自身を客観視する力が身につく。

本という自分の外側にあるものを読むことで、自分の置かれた状況や内なる思いを冷静に捉え、理解することができるようになるのだ。

読書を通して自分が抱える課題への対処法を見つけたり、自分と同じような悩みを抱えている人がいることに気づき、元気になれたりすることもあるだろう。

最後に、想像力だ。

人を理解するためには、相手の気持ちになって考える想像力が必要だ。

想像力は、異なる他者と本で出会い、向き合い、知っていこうとすることによって養われる。

あなたが通っていた小学校や中学校では、「朝の10分読書」という時間が設けられていただろうか。

10分の読書は、小学生にとってだけでなく、大人の読書にもちょうどいい。

コーヒーを飲みながら、通勤電車の中で……どんなに忙しい毎日でも、10分くらいなら時間を作れるはずだ。

たった10分では大したものは読めないと思うかもしれないが、実は10分あればけっこうな量を読むことができる。

エッセイやビジネス書は見開きから10ページほどで一つのトピックスになっている本も多く、1日10分で1項目ずつ、1話ずつ読んでいける。

インターネット上にアップされている試し読みも、10分読書にはもってこいだ。

試し読みで気に入れば、実際の本を読んでみればいい。

まずは「環境」を整える

長らく読書から離れていた人が読書習慣をつけるには、時間の確保を意識するよりも、環境を整えることを考えてみるといい。

たとえば、コーヒーを飲むときは読書をすると決めてダイニングテーブルに本を置いておく、湯船に浸かるときは本を読むと決めて脱衣スペースに本を置いておくといった工夫が効果的だ。

理想としては、すぐに手が届くところに常に本がある環境をつくること。

今、多くの人がスキマ時間にスマホやタブレットを見て楽しむのは、それらが常にすぐそばにあるからだろう。

であれば、スマホやタブレット、パソコンよりも近い距離に本を置いておけばいい。

著者自身、スマホのホーム画面のアクセスしづらい場所にSNSのアプリを、一番アクセスしやすい場所に電子書籍リーダーを表示させることで、電車で読書する機会が増えたのだという。

本を選ぶ際に一番大切なのは、自分の心が動くかどうかだ。

「これは読んでおかなきゃ」といったことには縛られず、気になる本、読みたい本を読むべきである。

そのうえで、読書体験をさらに向上させるために知っておいておくといいのが、読書体験には4種類あるということだ。

エモーショナルとロジカルを横軸に、フローとストックを縦軸にマトリックスを描いて現れる4つの象限に注目してみよう。

フローは、今すぐ、あるいは一時的に役に立つ情報だ。

一方、ストックは、自分の中に蓄積されて長期間役立つ情報だ。

感動するものはエモーショナル、勉強になるものはロジックにあたる。

読んだ本がこのマトリックスのどの部分に位置するかを分類してみると、自分の読書傾向が一目瞭然になる。

ただし、4つの領域のどこに含まれるとしても、それはすべて「読書」であり、それぞれの間に優劣はない。

また本は、時間軸で「今すぐ効く」本と「じわじわ効いてくる」本という分け方もできる。

今すぐ効く本とは、目の前の課題を解決してくれたり、トレンドにキャッチアップしたりするために必要な本だ。

それとは対照的に、じわじわ効いてくる本とは、小説や古典などの文学作品、時間をかけて自分の心の中で熟成して、知らず知らずのうちに影響を受けているような本だ。

じわじわ効いてくる本として、座右の書を5冊ほど持つのが理想的だ。

自分の原点だと思える本、はっきり理由を説明できないけれどとにかく大好きな本、何度も繰り返し読んできた本。

そうした本は、読み返すたびに「そのときの自分」と出会い直すことができる。

「読書の幅」を広げてみよう

10分読書の習慣が定着して、本を読むのが楽しくなってきたら、「制覇・読破」という楽しみ方に挑戦してみてはいかがだろうか。

何巻もある長編やシリーズもの、ある著者の既刊全て、文豪の全集、特定の出版レーベルなどを読んでみる。著者は、江國香織の小説を読破したり、ビジネス書の年間売上ベスト20を制覇したりした。

こうした広げ方を知っていると、どこまでも読書を楽しむことができる。
「ゲーミフィケーション」の発想を読書に応用するのもいい。

ゲーミフィケーションとは、ゲームの仕組みを教育などに取り入れるというものだ。

おすすめは、読書記録アプリを活用すること。

読み終えた本の表紙を一覧にできたり、読んだページ数を集計してくれたりするので、成果が目に見え、自信がつくはずだ。

芋づる式読書もおすすめだ。

「好き」「面白い」「アタリだ!」と思える本に出会ったら、その本を起点に、読む本を広げていく。

たとえば、ある著者の本が気に入ったときは、同じ著者の別の本を読んでみたり、その著者が影響を受けた作家の本を読んでみたりする。

参考文献やパロディ・オマージュの元ネタを読んだり、本に描かれた時代背景が分かる本を読んだりするのも楽しいだろう。

【参考サイト】
本の要約サイト flier(フライヤー)
https://www.flierinc.com/

10分読書
https://newspicks.com/user/9624/

ステイホーム中の「10分読書」習慣が、あなたの仕事も心も救う理由
https://diamond.jp/articles/-/237752

本をよく読むのに「成績が伸びない子」の急所 4万人の子どもを調べてわかった意外な事実
https://toyokeizai.net/articles/-/245535

「ぜんぶ読まない」は、最強読書法⁉︎ 東大院卒の理系YouTuberが教えるスキマ時間で新聞や本からネタを収集する方法
https://www.shinbun.me/posts/6189146/

【参考図書】
「明日の自分が確実に変わる 10分読書」吉田裕子(著)

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