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【「嗜む」のすすめ】人生がいくらでも楽しくメイクできることに焦がれ本を嗜む

保井崇志さん撮影

私達が密かに大切にしているものたち。

確かにあるのに。

指差すことができない。

それらは、目に見えるものばかりではなくて。

それらを、ひとつずつ読み解き。

それらを、丁寧に表わしていく。

そうして出来た言葉の集積を嗜む。




■テキスト

「幸せになる力」(ちくまプリマー新書)清水義範(著)

[ 内容 ]
勉強ができなくても、勝ち組じゃなくても、有名人じゃなくても、みんな「幸せになる力」は持っている!
人間観察の達人が贈る、親子で読める教育論。

[ 目次 ]
第1章 勉強ができれば幸せなのか
第2章 勝ち組になろうと考えるな
第3章 みには値打ちがちゃんとある
第4章 必要なのは幸せになる力だ
第5章 人は自信が持てた時に優しくなれる
第6章 世の中はきみの敵ではない
第7章 親をすてるために成長するのだ

[ 問題提起 ]
小説家によって、幸せになる方法が示されている本。

この本の第1の想定読者は、小学6年生くらいか中学生くらいで、その次に、高校生、大学生、さらに、それらの親となっている。

そして、この本では、全てのことに勝っていて、何不自由しない状態を目指すのではなく、まあ、それなりに、おもしろい人生だなと思えるようになるための方法が示されている。

著者の考えによれば、幸せになるには、幸せになる力を持っていなくていけないとある。

その力が、以下の5つとして示されている。(P115)

1.自己肯定感から持てる自信。

2.人の役に立つよろこびから出てくる意欲。

3.自分を正確に理解してこそ持てる希望。

4.社会を理解していってみがく想像力。

5.苦境から自分を守るための回避力。

こういう力を身につけていれば、まず、間違いなく幸せになれるようだ。

この全部を持つことはなかなか大変だけど、このうちの1つか2つでも持っていれば、人生は、かなり生きやすくなるようだ。

[ 結論 ]
特に、印象に残った部分を、2つだけ引用。

1つは、社会のとの関係についての部分。

「そして、こういう力をきみがちゃんと持っているならば、世の中で出てたじろぐことは何もないはずだ。

もう、きみにとって世の中は敵ではなくなっているはずだ。

幸せになる、ということは、実は社会との関係をうまくつける、ということなんだよ。

社会、つまりの世の中と言っても同じだけれど、その中で個人のきみが生きていって、生きにくくない、というのが幸せってものなんだ。

だから、幸せになる力を持っていたら、世の中は少しもこわくないところなのさ。」(P117)

そのため、幸せになるための5つの力は、社会人になる前に、身につけておく必要があると思う。

社会に出ることが、とても恐ろしいことのように思えて仕方なかった方に読んで頂きたいと思う。

もう1ヶ所は、幸せになる方法っていうのが、結局のところ、ちゃんと大人になるってことだと示されている部分。

「大人には子どもにはない力がある。

人生を切りひらいていく力だ。

そういう力を、ちゃんと持っていれば、人生にはこわいものはないってことなんだよ。

何があったって、うまく生きていける。

うん、そうなんだ。

そういう力をちゃんと持って、能力のある大人になってみせること。

時間を後ろへはさかのぼれない人間には、それしか幸せになる力はないんだよ。

成長することをおそれてはいけない。

成長することは実は、ものすごい人生のお楽しみにつながっているんだから。

私がきみたちに伝えたいことは、結局はそれなんだよ。

もうきみは、幸せを半分くらい手に入れたようなもんだよ。

すごいことじゃないか。」(P138~139)

以前は、成長することに何の意味があるのか!?と自問自答していたが、今ならこの意味がよくわかる気がする。

成長すると、自分ができること、行動範囲が広がって、お楽しみが増えるということだと思う。

RPGでいうと、レベルが上がって、特殊スキルを身につけられたり、金も入ってきて、高い装備を買えたり、様々な人脈から、船や飛空挺を手に入れて、違う世界に行けるというようなことだと思う。

成長を実感できれば、幸せだと思えるのは、確かかなと思った。

ただ、それを実感できるまで、苦しいときもあるけどね。

小学生から読めるような内容となっているので、漢字は少なく、1ページの文字数も多くない。

ところどころにイラストも入っており、著者が語りかけるような文体なので、かなり分かりやすい内容となっている。

ページ数も多くないので、普通の速度で読んでも、60分前後で読めると思われる。

幸せってなんだっけ?と考えたい人には、ヒントがたくさん詰まっていると思われる。

[ コメント ]
対象読者は、小学生からだが、誰が読んでも得られるものはあると思う。

■35夜350冊目

2024年4月18日から、適宜、1夜10冊の本を選別して、その本達に肖り、倣うことで、知文(考えや事柄を他に知らせるための書面)を実践するための参考図書として、紹介させて頂きますね(^^)

みなさんにとっても、それぞれが恋い焦がれ、貪り、血肉とした夜があると思います。

どんな夜を持ち込んで、その中から、どんな夜を選んだのか。

そして、私達は、何に、肖り、倣おうととしているのか。

その様な稽古の稽古たる所以となり得る本に出会うことは、とても面白い夜を体験させてくれると、そう考えています。

さてと、今日は、どれを読もうかなんて。

武道や茶道の稽古のように装いを整えて。

振る舞いを変え。

居ずまいから見直して。

好きなことに没入する「読書の稽古」。

稽古の字義は、古に稽えること。

古典に還れという意味ではなくて、「古」そのものに学び、そのプロセスを習熟することを指す。

西平直著「世阿弥の稽古哲学」

自分と向き合う時間に浸る「ヒタ活」(^^)

さて、今宵のお稽古で、嗜む本のお品書きは・・・

【「嗜む」のすすめ】人生がいくらでも楽しくメイクできることに焦がれ本を嗜む

イッセイさんはどこからきたの? 三宅一生の人と仕事
小池一子

金沢ブランド100
水野克夫、鈴木克彦、西岡繁敏 他

築地魚河岸ブルース
沼田学

Paranoia Slappys
Panorama Family

アプリケ芸術50年 宮脇綾子遺作展

古時計 西洋と日本
塚田泰三郎、 本田親蔵

古時計 限定特装版

古時計百種百話 1
緑川洋一

古時計百種百話 2
緑川洋一

時計 博物蒐集館
梅田晴夫

■(参考記事)


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