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【写真と短歌】構図で遊ぶ写真や短歌の視点とアイデア

Ken Tanahashiさん撮影

[テキスト]

UR都市機構関西のWEBマガジン「カリグラシマガジン うちまちだんち」にて、

「部屋にうたえば」という、

谷じゃこさんともうひとり個性的で素敵な歌人の方と二人で、部屋や団地の写真をお題として、それぞれ自由に連想し短歌の連作を作る、という企画が連載されていて、面白いですよ(^^♪

構図は被写体との掛け算ですし、撮り手が面白い、魅力的、と感じていることが何よりも大事なように思います。

一番の楽しみを見出すのが構図を決める時だと仮定してみると、それを観察することで、撮り手の視点・体験の共有度合いによって、歌のアイデアが偶発的に生まれるのかなと勝手に想像してみたり(^^)

そんな感じで、

「ん?」

って思ったら、ぜひ、チェックしてくださいね(ニヤリ)

と言うことで、早速、真似して、写真で自由に連想して短歌を作ってみました(^^♪

うさだぬさん撮影

「窓に息揺れるカーテンの無地越しに舞う花柄の情景は春」







金本凜太朗さん撮影

「昊天に泳ぐくじらをしれっと 狙う窓辺の子猫一匹」







嵐田大志さん撮影

「人照らす言葉の淵にランプ置くあさぎで絆(つな)ぎ彩変わりゆく」







moeさん撮影

「春の宵身に纏う布も恋の色輪郭淡く空と交わる」







荒畑恵子さん撮影

「風景を抜け出た私リリカルなピアノの陰で求め彷徨う」







黒田明臣さん撮影

「人生を消しゴムで割る未だ見ぬ私新たに生まれくる可能性」







増田彩来さん撮影

「合さる手重くずれゆく息早く汗纏う背にカタチ無きモノ」


【参考図書】

【「部屋」の短歌】

「雨のなか来し風が部屋をとほるときかずかぎりなき蝸牛のけはひ」
(松平修文『原始の響き』より)

「寝息だけがこの部屋の風 きみの気球はオクサス河を越えたところか」
(荒川梢「くわしんふう」2019年より)

「檜の香部屋に吹きみち切出しの刃先に夏の雨ひかりたり」
(高村光太郎 『高村光太郎選集 第2巻』より)

「うつしみに鎮痛剤がはなひらく再放送のような部屋にて」
(安田茜「default」より)

「CASAからわたしの部屋のベランダに干した真っ赤な布団が見える」
(玲はる名『たった今覚えたものを』より)

「消し去るための過去などあるな君の部屋のグランドピアノ黒鍵ばかり」
(福島泰樹『哀悼』より)

「わが部屋の前の木のみが芽吹かない 私が影でごめんなさいね」
(小川佳世子『ゆきふる』より)

「カサブランカのひらきはじめた部屋のなか繋ぎ目のない時間を過ごす」
(江戸雪『声を聞きたい』より)

「少年の糸鋸(いとのこ)一つ残りいて夕陽にひろき工作の部屋」
(馬場あき子『地下にともる灯』より)

「西日カッと部屋にさしこみあらあらと一枚の壁起ちあがる」
(山崎孝『やどかり』より)

「証明写真と同じわが顔嵌まりたり帰り来て入る部屋の鏡に」
(小潟水脈『扉と鏡』より)

「電車でも眠ってともだちの部屋でも眠ってなんのために行ったのか」
(平岡あみ『ともだちは実はひとりだけなんです』より)

「三月の暦が壁にぶら下がる君の部屋より見ゆる葉桜」
(武藤雅治『暗室に咲く白い花』より)

「降ってきたよと言いながら窓を閉めてゆく 急に二人の部屋になりゆく」
(岡崎裕美子『わたくしが樹木であれば』より)

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