【日常茶飯事】天の恵みに大地の恵み
当たり前のように存在して、気づかないものがたくさんあると思うんです。
暮らしの中には、そういうものがたくさんあると思います。
だから、マイナスな出来事が起こったときこそ、今、ここにある、
「恵み」
に目を向けてみてはいかがでしょうか?
「腐食のことも慈雨に数へてあけぼのの寺院かほれる春の弱酸」
(山尾悠子『角砂糖の日』より)
哀しいと思えば、前に進めなくなって、不満だと思えば、優しさを失ってしまうけれど、そうならないためにも、今、自分が持っている、
「恵み」
を意識したいものです。
「たまり水が天へかへりてかわきたるでこぼこの野のやうにさみしい」
(中野昭子『草の海』より)
恵まれているもの、人、その温かさに気づけば、今より、もっと謙虚に、もっと優しくなれるはず。
晴れた日も、雨の日も。
ほんのすこしのそっけなさで、いつも、どこかに、
「恵み」
はあふれていると思います。
「日が歩(あゆ)むかの弓形(ゆみなり)のあを空(ぞら)の青ひとすぢのみちのさびしさ」
(若山牧水『別離』より)
気づくのも、
「雪を踏むローファーの脚うしろから見ていて自分が椿と気づく」
(小島なお「三角形」2018年3月発行「COCOON」7号より)
気づかないのも
「風鈴に指紋ありたり夏は疾く遠くなりゆく季節と思ふ」
(𠮷澤ゆう子『緑を揺らす』より)
自分しだいなんだけど、ね(^^)
四季の恵に感謝しなきゃ、ね!
「増やしてもよければ言葉そのもののような季節があとひとつ要る」
(笹川諒『水の聖歌隊』より)