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【小品文】たったひとりの読者のために

僕は、毎日、夜の一時。



例えば、ストリートミュージシャンになったつもりで。

こんな歌詞の曲を夜空に向かって歌っている♪

Ghost like girlfriend「Birthday」

「君に良い事ばかりが起きれば良いなと心から」

こんな日は、月並みな言葉だけど、世界中を敵に回してでも、1日ぐらい喜べる日があっていいんじゃないかなって思う。

届けるべき誰かの顔がはっきりあるということ。

そこに向けて、できるだけ優しくて温かい言葉を届けよう。

SHE'S「Letter」

「僕らは大切な人から順番に傷つけてしまっては 後悔を重ねていく

それでも立ち籠める霧の道を進んでいく

あなたを照らせるほどの優しさを探している

探している 知りたくて

探している」

閉塞感漂う現代社会を生きる私たちは、決して、一人ぼっちで生きている訳ではないと。

なぜなら、悲しみや苦しみを我が事のように想い、

手を差し伸べ、

一緒に考え、

本当の自分に出会うきっかけまで作り、

支えてくれる人がいることに気づいたから。

これからも、

何度も、

後悔や自己嫌悪を繰り返すかもしれないけど。

迷いながらも、

支えてくれる人が自分を靭やかにしてくれた分、

今度は、自分がその人を支え、

お返しに、靭やかにしてあげたい。

支え合うことや、

心を通わせ合うことが、

たぶん、

現世の人間模様でのマストであるとを、

感じながら、

歌いながら、

歩いて行こう。



ときには、文豪や詩人にもなったつもりになって。

こんな言葉を綴れたらと、ペン走らせてみる。

夏目漱石は、「日が強いので水がヤに光る」と書いた。

北原白秋は、「あたたかに海は笑ひぬ」と詠っていた。

泉鏡花は、「空には蒼い星ばかり、海の水は皆黒い」と語る。

中原中也は、「月夜の晩に、ボタンが一つ 波打際に、落ちてゐた」と詠い。

寺山修司は、「なみだは にんげんのつくることのできる 一ばん小さな 海です」と詠う。

なんなんだ、この語彙力^^;



僕は、同じ歌を聴いて、同じ海を見て、どんな言葉を綴れるだろうか?

この白紙のページに、

どんな言葉で伝えようか?

こんな切なさとか、

こんな温かさとか、

こんな景色とか、

こんな感触とか、

こんな・・・・・・

ささやかであっても、

どうしても捨てられない物。

言葉にならない思い。

そのひとつひとつに、

ぎゅっとするから、

ここらへんが?

たぶん、

心なんだろうなって知る。

僕は、今夜も、ストリートミュージシャンになった気になってみたり、

文豪や詩人になったつもりになって、

たったひとりの読者である。

あなたにあげる言葉をさがそう(^^)

【おまけ】
大貫妙子「YAMAZAKURA」


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