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【日常茶飯事】本を片手に夏籠もり

相沢亮さん撮影

いろんなシチュエーションに合わせて人間の感情は、揺れ動きますよね。

そう言えば、『万葉集』の歌には、まだ訓が決定していないものがあります。

普段、長く親しんで来た読み方以外も試してみると、人と人との感情の違い等、機微に気づけたりするかもしれませんよ(^^)

「万葉集講義 最古の歌集の素顔」(中公新書)上野誠(著)

「忘らむて野ゆき山ゆき我来れどわが父母は忘れせぬかも」商長首麻呂(巻20・4344)

「ま草刈る荒野(あらの)にはあれど黄葉(もみちば)の過ぎにし君が形見とぞ来こし」柿本人麻呂(巻1・47)

「松の葉に月はゆつりぬ黄葉(もみちば)の過ぐれや君が逢はぬ夜の多き」池辺王(巻4・623)

「黄葉(もみちば)の過ぎにし子らとたづさはり遊びし磯いそを見れば悲しも」柿本人麻呂(巻9・1796)

「君が行く道の長手(ながて)を繰り畳(たた)ね焼き滅ぼさむ天(あめ)の火もがも」狭野弟上娘子(巻15・3724)

「大野山霧たち渡るわが嘆く息嘯(おきそ)の風に霧立ちわたる」山上憶良(巻5・796)

「をみなへし秋萩手折れ玉桙の道行きづとと乞はむ児がため」(巻8・1534)

「梅の花降り覆(おほ)ふ雪(ゆき)を包(つつ)み持ち君に見せむと取れば消(け)につつ」(巻8・1534)

「玉藻(たまも)刈(か)る敏馬(みぬめ)を過ぎて夏草の野島(のしま)が崎に船近づきぬ」柿本人麻呂(巻3・350)

「荒栲(あらたへ)の藤江の浦に鱸(すずき)釣る海人(あま)とか見らむ旅行く我(わ)れを」柿本人麻呂(巻3・352)

「いにしへに恋ふる鳥かも弓絃葉(ゆづるは)の御井(みい)の上より鳴き渡り行く」弓削皇子(巻2・111)

「隼人(はやひと)の薩摩(さつま)の迫門(せと)を雲居(むもゐ)なす遠くもわれは今日(けふ)見つるかも」長田王(巻3・248)

「来(こ)むといふも来(こ)ぬ時あるを来(こ)じといふを来(こ)むとは待たじ来(こ)じといふものを」大伴坂上郎女(巻4・527)

「相思(あひおも)はぬ人を思(おも)ふは大寺(おほでら)の餓鬼(がき)の後(しりへ)に額(ぬか)づくがごと」笠郎女(巻4・604)

「夜のほどろ出(い)でつつ来(く)らく度(たび)まねくなれば我(あ)が胸断ち焼くごとし」大伴宿祢家持(巻4・755)

「たまきはる宇智(うち)の大野(おほの)に馬(うま)並(な)めて朝(あさ)踏(ふ)ますらむその草(くさ)深野(ふかの)」中皇命(巻1・4)

「あしひきの山の木末(こぬれ)のほよ取(と)りてかざしつらくは千年(ちとせ)寿(ほ)くとぞ」大伴家持(巻18・4136)

「薪(たきぎ)伐(こ)る鎌倉山の木垂(こだ)る木を松と汝(な)が言はば恋ひつつやあらむ」(巻14・3488)

「東(ひむがし)の市(いち)の植木の木垂(こだ)るまで逢はず久しみうべ恋ひにけり」門部王(巻3・310)

「鎌倉の見越しの崎の岩崩(いはくえ)の君が悔ゆべき心は持たじ」(巻14・3365)

「ま愛(かな)しみさ寝に我(わ)は行く鎌倉の水無瀬川(みなのせがは)に潮満つなむか」(巻14・3366)

「梨(なし)棗(なつめ)黍(きみ)に粟(あは)つぎ延(は)ふ葛(くず)の後(のち)も逢(あ)はむと葵(あふひ)花咲く」(巻16・3834)

「伊香保(いかほ)ろのやさかのゐでに立つ虹(のじ)の現(あら)はろまでもさ寝をさ寝てば」(巻14・3414)

「み吉野の象山(きさやま)の際(ま)の木末(こぬれ)にはここだも騒く鳥の声かも」山部赤人(巻6・924)

「ぬばたまの夜の更けゆけば久木(ひさぎ)生(お)ふる清き川原に千鳥(ちどり)しば鳴く」山部赤人(巻6・925)

「家にてもたゆたふ命(いのち)波の上(うえ)に浮きてしをれば奥か知らずも」大伴旅人傔従(巻17・3896)

「磯ごとに海人(あま)の釣船(つりぶね)泊(は)てにけり我(わ)が船泊(は)てむ磯の知らなく」大伴旅人傔従(巻17・3892)

「玉はやす武庫(むこ)の渡りに天伝(あまづた)ふ日の暮れゆけば家をしぞ思ふ」大伴旅人傔従(巻17・3895)

「大海の奥処(おくか)も知らず行く我を何時(いつ)来まさむと問ひし子らはも」大伴旅人傔従(巻17・3897)

「何処(いづく)にかわれは宿(やど)らむ高島(たかしま)の勝野(かちの)の原(はら)にこの日暮(く)れなば」高市黒人(巻3・275)

「旅にして物恋(ものこほ)しきに山下(やました)の赤(あけ)のそほ船沖(ふねおき)へ漕(こ)ぐ見ゆ」高市黒人(巻3・270)

「わが船は比良(ひら)の湊(みなと)に漕ぎ泊(は)てむ沖へな離(さか)りさ夜更(よふ)けにけり」高市黒人(巻3・274)

「石(いは)ばしる垂水(たるみ)の上(うへ)のさ蕨(わらび)の萌(も)え出づる春になりにけるかも」志貴皇子(巻8・1418)

「磯城島(しきしま)の大和(やまと)の国は言霊(だま)の助(たす)くる国ぞま幸(さき)くありこそ」柿本人麻呂(巻13・3254)

「旅人(たびひと)の宿(やど)りせむ野に霜(しも)降らば我が子羽(は)ぐくめ天(あめ)の鶴群(たづむら)」遣唐使随員の母(巻9・1791)

「東野炎立所見而反見為者月西渡」柿本人麻呂(巻1・48)

「あづま野のけぶりの立てる所見てかへりみすれば月傾きぬ」柿本人麻呂(巻1・48)

「東(ひむかし)の野にかきろひの立つ見えてかへりみすれば月西渡(かたぶ)きぬ」柿本人麻呂(巻1・48)

「古語の謎 書き替えられる読みと意味」(中公新書)白石良夫(著)

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では、いったい、その感情はどこからくるのでしょうか?

喜びは、些細なことから。

幸せは、自分の中から。

悲しみは、感情の乱れから。

怒りは、愛の不十分な伝わり方から。

すべての感情は、自分の中からなんでしょうねぇ(^^;

いつも冷静にしていることで、プラスの感情は、自分を通して、周りに伝わっていくと思います。

ほっこり、

「わたくしのからだの影として思ふいつも遠くにひかる杉やま」
(澤村斉美『夏鴉』より)

まったり♪

「receiptの中のpなどどうでもよしどうでもよくて一点減らす」
(大松達知『スクールナイト』より)

しながら、そんなことを想ってみるのも良いかもしれませんね(^^)

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