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【ゆれる秋】風(令和版百人一首 恋の巻【秋の部】参加作品)

Yusuke Suzukiさん撮影

歩行者bさん繋がりで三羽烏さん主催の、この企画に参加させて頂きますね(^^♪

三羽烏さん、宜しく、お願い致します。

■参加作品

「揺り揺られ歩けき幻の枷を解き千秋の願ひ満ちぬらむけり」

■想いやエピソード

モチーフ(詩・短歌・漢詩)を参考にして、ふと気づいた秋の訪れを描くにあたり、視覚(目に見える風景)と聴覚(風の音)の対比を利用することで、目に見えない本質(心の根っこを信じてみたら、本当に言いたかった言葉が見つかるみたいな)を、全身で感じてみる点をイメージして詠んでみました(^^)

とかく目に見えるものしか信じようとしない現代人に、

「時には、目を瞑って、全身で、物事の本質を、感じてみるのはいかが?」

という視点に、文学作品は、気づかせてくれますね。

■モチーフ

①詩

北原白秋「風」(『水墨集』「動き来るもの」より)

遠きもの
まず揺れて、
つぎつぎに、
目に揺れて、揺れ来るもの、
風なりと思う間もなし、
我いよよ揺られ始めぬ。

風吹けば風吹くがまま、
我はただ揺られ揺られつ。
揺られつつ、その風をまた、
わがうしろ遥かにおくる。

吹く風に揺れそよぐもの、
目に満ちて、
翔る鳥、
ただ一羽、
弧は描けど、
揺れ揺れて、
まだ、空の中。

吹く風の道に、
驚きやまぬものあり、
光り、また、暗みて、
おりふし強く、急に強く、
光り、また、暗む、
すべて秋、今は秋。

輝けど、
そは遠し。
尾花吹く風。

②短歌

藤原敏行「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」(古今和歌集四・169)

③漢詩

中国劉禹錫の絶句「秋風引」

何処秋風至   何れの処よりか秋風至り
蕭蕭送雁群   蕭蕭として雁群を送る
朝来入庭樹   朝来 庭樹に入り
孤客最先聞   孤客 最も先に聞く

■おまけ

「ことばの海で泳ぐ」

秋空に

心飛ばして

鳥になった気持ちで

見下ろせば

やわらかい風が

木々をゆらしていた

何気ない人のぬくもりに

目を向ければ

優しい時間はきっと

そばにも流れていて

秋から冬へと季節は巡り

この両手の小さな太陽で

自分や

誰かを

あたためらるかもしれないね

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