[Morris MINI Cooper 1275S MK-Ⅰ]について
1964~1971年の間に販売された、最初のモデルMk-1(ミニ・マイナー)よりレース用を基として開発したMINI・クーパーの最終モデル。
モーリスとオースチンが合併して誕生したBMC(ブリテイッシユモーターコーポレーション)にて設計されたMINIは、2000年迄の41年間、メーカーを変えながら生産され続けた。横置きエンジンの前輪駆動(FF)を採用し、2ボックス(4人乗り)のシートのレイアウトは、当時としては画期的であり現在までのコンパクトカーの元祖となっている。駆動系はエンジンの直下にトランスミッション・デフを配置する方式「イシゴニス方式」を採用している。
エンジンオイルをミッションと共用する画期的なレイアウトではあったが、階段式に配置することによる重心高や複雑な構造によるコストなどから、現在では直列配置・等速ジョイント・マクファーソン・ストラット式を組み合わせた「ジアコーサ式」が主流となっている。サスペンションは、Mk-1(マイナー)の円錐型ゴム製スプリング「ラバーコーン」より前後を液体で繋ぐハイドラステイックサスペンションを導入している。
1275Sは、初代のマイナーより、レースの為にクーパー親子が開発したMINIを生産化したクーパー仕様を、量産化したクーパーS(1071S)のコンペ用として、1964年に追加された。
エンジンは、直列4気筒OHV 1275cc 75馬力。タイヤサイズは前後共10インチである。
この車種は、生産終了までモデルチェンジされることはなく、外観上の大きな変更はないが各年代で少しずつ変更点はある。Mk-1の特徴は、フロントグリル(エクステンションモール)、ドアのアウトヒンジ(ちょうつがい)、テールレンズの形状などである。オースチンとは、フロントグリル、エンブレムが異なっている。
内装では、先ず中央にメータがレイアウトされていることが目に付く。
シートは当時らしく、ヘッドレストがないタイプとなる。
リアはベンチタイプであり、前席を倒して移動することとなる。
コンパクトな外観に反して、クイックなハンドリングや、ボディサイズに対しての馬力などでクーパーシリーズは、当時のレースシーンで大活躍した。特にモンテカルロ・ラリーで、1964、1965、1967年に連続で総合優勝していることは有名である。当時のレースでの活躍から、イタリアの街中を走り回る「ミニミニ大作戦」が撮られている。画像映えすることから、他にも数多くの登場している。
クラシックなスタイルやサイズ・知名度から、晩年では特に日本で人気が高まっていった。日本で一番有名なのは、やはり「シティーハンター」シリーズではないだろうか。作中で印象的に使われているこのクルマが、1275Sであることは有名である。アニメのEDでは海辺で運転席ドアに肘を掛けているイラストがあるが、実はMK-2までサイドウィンドはスライド式で、ガラスはフルオープンできない。漫画ではしっかりスライドが描かれていたりするが・・・。
未だに根強い人気があり、数々のメーカーにインスパイアを与えたこの車種は、見た目のサイズよりも結構使い勝手よい。シートは堅そうに見えるが、座り心地は結構よかった。リアはリクライニングできないが、程よい硬さと深さがあり、前席側も見た目よりはホールド感があった。荷台の容量も普段使いでは必要十分であり、操作は小回りがきいた。
実は、過去に実家で親がローバーのケンジントンに乗ってた時期があったのでローバーとしての乗り心地は覚えている。実家は、結構いろいろなクルマを乗り換えていたが、一番印象に残っているのはMINIである。クルマ自身も印象深いが、どこに行って走ったのか、どこを改造や修理したのか、情景と共に一番覚えているのがこのMINIである。
場所や風景と共に、想いでに残るクルマ。相棒となりえるクルマ。それがクラシックMINIシリーズである。
観ていただけているだけでも大変嬉しいです。 もし、いただけたら恐縮しながらもとっても感動します。 今後とも覗いていただけましたら有難いです。