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[Bowers & Wilkins] P7

初音ミク × P7

 イギリスで設立されたB&W Groupより展開されていた、密閉型ヘッドフォン。既存に販売されていたP3,P5の上位機種として、2013年より販売開始され、ワイヤレス化を経て終売となっている。

■仕様

  1. 構造:オーバーイヤー型

  2. 再生周波数帯域:10Hz~20kHz

  3. 感度(1kHz): 111dB/V

  4. 最大許容入力:50mW

  5. 接続方式:有線

  6. ヘッドホン自体の重さ:約290g

  7. 内部インピーダンス:22Ω

  8. ケーブル長:約1.2m

 外観は、バンドとイヤーパッド部に革を用いた造りで、可動部分はステンレススチールで構成されている。ハウジング部も含め、本革(羊)レザーと金属が豊富に用いられているので、外観には高級感が出て、デザインの評判は良かった。

 イヤーパッド部は縦長で、見た目的に小さくみえるが、実際装着してみるとおもったよりフィットする。バンドの側圧は、ヒトによってはやや強いと感じるかもしれないが、レザーの肌触りもあり長時間の装着もあまり苦にならない。材質から密閉性は高いので、音の特性も相まって没入感がある。移動時などには向いているかもしれないが、外音は聞こえにくいので注意が必要である。

 このヘッドフォンの音質の特徴は、「音場感」の味付けにある。密閉型でありながら左右だけならず、前後・上下に奥行が感じられるので、音場が広く、各演奏が立体的に聴こえる。

 音質は低音寄りであるが、強調されているわけではなく、音量を意図的に厚くしているような印象である。厚みが出ている分、低域の解像度は分かりづらくなっている。周波数的にも、B&Wらしく低音に山がある。
 中音域は、クリアで解像度の高い音となっている。
 音場間から高域の伸びが良いが、逆に鋭さは少なくマル味を帯びているよ うな印象となっている。
 これらの特性から、中低域が豊かなピアノなどの楽器音が立体的に聞こえる。また、ボーカルは立体的な音場の中央に定位するので、臨場感を味わえる。

  モバイルヘッドフォンとして開発されていることから、ドライバーサイズは40mmと小径である。しかし、このことにより音漏れが少なく、インピーダンスも小さい。駆動にスマホを含め、機器を選ばないヘッドフォンとなっている。
 ただ、このヘッドフォンはエージング時間を結構取り、購入すぐのときは特に高音域が籠り気味であった。
 モバイル用としての折り畳み機構や、当時のiPhone用のコントロールケーブル + 標準ケーブルの他に折りたたんで格納できるポーチが付属している。

 B&Wのヘッドフォン参入期に販売されたこの機種は、オーディオ機器としては特徴的である。低音を強調し、中音域以降を鮮明にすることで、音に立体感を出すB&Wが持つ音の傾向が再現されている。厚みのある楽器は艶があり、演奏に伸びがある。ボーカルはキレがあり、音の全体的に立体感を感じる。スピーカーと同じようにボーカル中心や弦楽器などのクラシック向きな特性となっている。
 オーディオ機器としての味付けや雰囲気よりも、正確さや音場感に重きを置いたヘッドフォンであり、スピーカーと同じようにキレのあるロック等にはあまり向いているとは言えない。
 個人的には、大変好きな傾向であるので気に入っている。

 モバイルヘッドフォンとして開発されているこのヘッドフォンを、個人的にはデザインを含め大変気に入っている。
 特徴的なデザインでありながら、高級感のある材質が用いられており、音漏れもあまり気にしなくてよい。没入感が高く、電車などでも音楽に入り込める。現在のB&Wではヘッドフォンのラインナップも大分進化し、ノイキャンやBluetooth対応など常に進化・便利になっていってはいるが、個人的なデザインの好みは、このP7が好みである。

 デメリットとなり得る部分も多いが、現在でも移動時には使用している一本です。実は2本持っていたりします・・・


観ていただけているだけでも大変嬉しいです。 もし、いただけたら恐縮しながらもとっても感動します。 今後とも覗いていただけましたら有難いです。