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[AKG] K701

初音ミク × K701

オーストリアで設立されたAKGより展開されている、開放型ヘッドフォン。
スタジオモニター向けKシリーズの最上位機種(販売開始時)として、2005年より販売開始されている

■仕様

  1. 構造:オープンエアー型

  2. 再生周波数帯域:10Hz~39.8kHz 

  3. 感度(1kHz): 93dB SPL/mW

  4. 最大許容入力:200mW

  5. 接続方式:有線

  6. ヘッドホン自体の重さ:約290g

  7. 内部インピーダンス:62Ω

  8. ケーブル長:約3m

 外観は光沢仕上げの白を基調とし、リングなどのメッキ金属部をアクセントとし、コードやアームなどの導通部のグレー、バンドのベロア調など、少なくない色が用いられているが、全体的に散りばめた色が、上品に纏め上げられている。
 バント部は、材質的に少し固めである。オーストリアで製造された場合には接触部にコブがついており、頭部にあたったりしていた。長時間装着する場合などでは、頭が痛くなる場合があったりと結構不評であった。
 装着の調整は、ゴムの反発力を用いた自動調整機構となっており、側圧は小さめとなっている。

 イヤーパッド部は大きく、高反発よりのベロア調のスポンジとなっている、スポンジは後方側に厚みを持たせてあり、装着時に角度が付くようになっている。外径の大きさに比べ、内径は標準的であるので耳が大きい場合には、窮屈に感じるかもしれない。

 音質は全体のバランスが良く、フラットな特性である。特に中音から高低音のクリアさが特徴的で、金属的な音は清廉という言葉が相応しいほどの、柔らかくて雑音がないキレの良い音を鳴らしている。
 高音域が特徴的ではあるが、キンキンとなるような激しい棘はなく、絶妙な鋭さ加減が心地良い。
 低音域はオープン型とのこともあり、不足気味と評価されることもあるが他の領域とマッチした、バランスの取れた音が出ている。構造的に重低音は不足気味であるが、これが統一感となって上品さを演出している。

 スタジオモニター向けの為、周波数帯域が広く、全レンジで音の再現性が高い。オープン型である為、音場は広めで・定位は少し前となっている。

 構造として特徴的なのは、バンドのバー部が内部に配線があるわけではなく、バーそのものが導通部分として作用していることである。この他にもドライバーユニットが接着剤で固定されていないこともあり、分解、改造が比較的に容易に行うことができるのも特徴である。

 この機種はインピーダンスが高く、スマホなどのガジェットにある付属のヘッドホン出力では不足しがちである。特に低音部を鳴らすためには、オーディオ用アンプやヘッドホンアンプなどの、フォン端子に高い出力が出せる機器が必要である。ヘッドホンアンプの特性は、ユニットの特性に合わせてフラットか中音域よりが望ましい。
 自動調整機構はゴムである為、経年劣化により伸びることもあるが、交換自体は複雑ではないので比較的容易である。

 白いヘッドホンとして、真っ先に思い浮かべるだろうこの機種は、アニメ「けいおん」に登場したことで、一躍有名となった。
 「澪フォン」として販売された当時には、8万円程度の価格から、+4万ぐらい付加されたプレミア価格で販売されたこともあったが、現在の再販では当時の1/3.4の価格で販売されている。
 オーストリアのウィーンで設立されたAKGは、1994年にハーマン・インターナショナルの傘下となり、2017年にハーマンはサムスン電子の完全子会社となった。会社が変わり、AKGが1製品ブランドとなっても細部の変更程度で、現在でもラインナップに存在するこの機種は、今でも生産され当時とほとんど変わらない音質を奏でてくれるのが何より嬉しい。
 スタジオモニター向けシリーズとなっているが、味付けに特徴があるので、モニターヘッドフォンは元よりオーディオ機器として十分に楽しめる。


 現在の販売価格を考えると、出力できる環境であれば、上質で唯一無二な音質が低価格で味わえる、他にない1本となっている。
 低高音を中心とした透明感が、素晴らしいです。

観ていただけているだけでも大変嬉しいです。 もし、いただけたら恐縮しながらもとっても感動します。 今後とも覗いていただけましたら有難いです。