貧乏人

『貧乏人の経済学』から学ぶ努力の重要性

こんにちは。バウアーです。
久々のnoteの更新です。
今回は前回話したフリーミアムの話に続いて、経済学系の話をしようと思います。

貧乏人の経済学とは?

皆さんは、マイケル・クレーマー、アビジット・V・バナジー、エステル・デュフロ という3人の経済学者をご存じでしょうか。
この3人は発展途上国の貧困問題を研究して、2019年のノーベル経済学賞を受賞された3人組です。
その3人のうち2人であるアビジット・V・バナジー、エステル・デュフロが7年前の2012年に書いたのが『貧乏人の経済学』です。
その本にとても興味深い内容があったので考察していきたいと思います。

経済学の前提をも覆す貧乏人の論理

経済学の様々ある前提の中に、意思決定をする主体は必ず合理的選択をするという者があります。つまり、人は必ず合理的選択するということですね。
しかしこの本で書かれている貧乏人にはその前提が通じていないようです。

ある発展途上国の貧困層にいる人に聞きました。
もしお金があるなら何に使う?
「その回答は食事に使う。」
さらに2人は聞きました。
もっとお金があるなら何に使う?
「もっとおいしい食事に使う。」

これを聞いた2人はとてもかわいそうだと思いました。しかし、その人の家に行ってみたら、テレビや、DVDプレーヤーなどがあったそうです。
2人は彼にテレビやDVDプレーヤーのお金があるならば、なぜそれを食事に回さないのか。と聞きました、それに対し彼は「だって食事よりテレビの方が大事でしょ」と答えました。
これまでの経済学的考えならば、食事も困るような人ならば、そのような状況を打破するために仕事を頑張ると思います。また、資本家的行動として、仕事で得たお金をさらに仕事を頑張るために投資するのが合理的選択だと思います。
この資本家的行動とは前提として自分の体を一つの資本として捉えており、それに投資する行為という意味で、例えば体を壊さないために栄養価の高い食事を取ったり、時給を上げるために資格等の勉強をすることに使うのが合理的選択だと思われる。
このように、「得たお金」をさらに「お金を増やすため」に投資することを資本家的行動といいます。
この資本家的行動をすることにより、無限にお金が増えていくことが資本主義の強みとも言えます。
しかし、この貧困層の方はその資本的行動を理解していないようでした。
このように本来生きるのに必要であるはずの食事よりも、娯楽などの『暇つぶし』を優先してしまうことを『現在志向バイアス』と言います。
そもそも食事に困るほどお金がなく、暇をつぶす時間があるなら、仕事に時間を回したり、明日の仕事のための睡眠時間に回した方が合理的なはずです。生きることが大事だからこそ裕福層よりもこの資本家的行動が重要になってくるはずです。

現在志向バイアスが引き起こす結果とは・・・

貧困層の方が現在志向バイアスに掛かってしまった結果、体調不良やそれによって引き起こされる労働のインセンティブやモチベーションの低下です。それによりもっとお金が無くなってしまうという悪の循環が待ち受けているのです。
このようなことが起きてしまっている貧困層に対して、投資する側の裕福層はどうなるだろうか。



その通り、お金を貸さなくなるか、貸したとしてもかなり高い金利でお金を貸し付けるのです。
これがさらに貧富の差を生み出しているのです。
上の立場の人は楽をして、下の者は苦しい思いをする。
これが今の社会の縮図とも言えます。

卵が先か、鶏が先か

ここからが私の考察となります。
この「貧乏人の経済学」では貧困層には現在志向バイアスというもののせいで資本家的行動ができていないという内容でした。
この内容を知って、これを私に当てはめてみました。
正直私が通っている大学はあまりいい大学とは言えないのです。このような大学での就職先はもちろん一流大学のそれとはまったく違うものです。いうなれば、私は貧困層予備軍ともいえる学生です。
私は高校時代、完璧に現在志向バイアスに掛かってしまい、全くと言って資本家的行動が出来ていなかったと思います。
そして一流大学に行くような人は私達底辺の人間が高校時代、遊んでいた時間をつかって努力をしていたのです。これは資本家的行動ができていると言えます。
その結果が就職先の差、収入の差になっているとも言えます。
資本家的行動を努力と言い換えることが出来るならば、
「上の立場の人間が楽をして、下の者が苦労をする」
この言葉の裏には、上にいる立場の人間は努力をして、下の者は努力をしてこなかったというものがある
と思います。
資本家的行動(努力)への対価として高い年収や、福利厚生のしっかりとした仕事と裕福な未来が待っていて、それをしていない者は安い賃金に、福利厚生がなっていない仕事と貧乏な毎日が待っているとするのならば、『貧困層が資本家的行動を出来ていない』のではなく『資本家的行動が出来ていない人間が貧困層になる』とも言えます。
だからこそ、この格差は是正されてはいけない格差だと思います。この事実に気づいて、自分に対して投資をする資本家的行動が出来れば貧困層から脱する最初の一歩とすることが出来ると思います。

この本が伝えたい事かもしれない事・・・

私は、この本は貧困層の経済学の学術的調査であるからこそ、事実しかない。だからこそ最高の自己啓発本ともなると思いました。
努力することの価値、それを貧富の格差という形で伝えているのではないだろうか。
少なくとも私は、この本の内容を知ることで高校時代の私を省みることが出来ました。
この記事を読んでいるあなたが、これから資本家的行動を、努力をしようと思ってもらえればこの記事を書いた甲斐があります。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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