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「ベイトマンニュース」とりあえずやってみよう②

この頃に私が取り組んだのは、まずは家の掃除。そして整理整頓でした。恥ずかしながら若い頃の私はだらしがなくて、外で精いっぱい頑張っている分、家では何もしないでダラダラ過ごし、食べるものもコンビニのお弁当やどこかに食べに行く、というのが主流でした。イギリスで暮らし始めてからもその癖は抜けず、表面だけなんとなくきれいに保ち、あとはダラダラする、という生活だったと思います。これではあかんよなぁ、というか、こんな風に生活したくない、とある日突然奮起して、まずは必要なもの、必要のないもの、そして好きなもの、そうでもないもの、と整理していきました。これにはめっちゃ時間がかかったけれど、ある日ふと周りを見渡すと、自分の身の回りはすべて好きなものと必要なもの「だけ」になっていて、それがほんまに心地よく感じましたね。正直めっちゃ大変なプロセスで、エネルギーをものすごく消耗したけど、自分にとっては絶対に必要な過程やったと思います。

同時に「食べること」に対しても気にするようになりました。イギリスのお料理はまずい、というイメージがあると思いますが、実はイギリスの家庭料理は美味しいものが多いんです。特にお肉や野菜をオーブンでじっくり焼いたロースト料理は絶品。でも残念ながらイギリスの多くの人(特に若い世代)は、家でちゃんと料理することが少なく、「食べること」に無頓着で、とにかくお腹がいっぱいになればいい、と出来合いのもので簡単に済ませることが多いように思います。ファーストフードとか激甘なスイーツとかも多いですね。そんな中、日本食はイギリスでも普通に手に入ります。特にバブルがはじける前は日本のスーパーなんかもあったりして、日本の食料品の調達も、そんなに苦労を感じてはいませんでした。でも私が一番こだわりたかったのは、和食とか洋食とか、お肉とか野菜だけとか、そういうことではないんです。一番気にしたかったのは「無駄をしない」ことでした。ほんまはオーガニックとかいい材料とか、そういうことにこだわるべきなんだろうけど、正直、あの頃の自分は、まだその領域には達していないようで、一番はもったいないことをしない、無駄をしない、ということ。いるものをいる分だけ買い、自分で作って、食べきる。そこから派生して、冷凍などの保存術、保存食づくりへとつながっていきました。今ではもうなんでも自分で作るようになりましたよ。庭に2本ある梅の実を無駄にしたくない一心で始めた梅酒と梅ジャムづくりも夏の恒例のものとなり、お味噌、納豆、たくあんに梅干し、どぶろくまで、もうなんでも作ります。お魚も自分でさばけるようになりました。最近はパン作りにはまっていますね。こういう何かをやり始めるととことん突き詰めてしまう職人気質は、日本人特有のものかもしれません。   

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