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「ベイトマンニュース」秘境のゴルフコースに愛を感じる。

グレンコーへ一泊二日の旅に出かけたとき、夫には「今回はゴルフなし」と宣言してありました。というのも、夫は度を越えたゴルフきちがいで、常にゴルフのことを考え、ちょっとでも時間があればやるべきことも全部放り投げて、すぐにゴルフに出かけてしまうような人なんです。私もゴルフは好きやけど、週末もホリデーもずっとゴルフばかりなので、今回はさすがに違うことがしてみたかったんですよ。
ところが結論から言えば、結局今回の旅もゴルフバッグを車に積んでいきました。チキショー。今回は夫に上手い事してやられました。さすが結婚して27年目にもなると、夫も私のツボをよう心得ているようです。笑。

スコットランドにはゴルフの聖地であるセントアンドリュースを始めとした多くの有名なゴルフコースがあります。毎年シーズンになると世界中からゴルファーたちが訪れ、主に海岸線沿いにある有名リンクスゴルフコースを旅して回ります。それらの有名なゴルフコースはどこもびっくりするくらいのお値段なんですが、それでも毎年多くの人々が訪れ、スコットランドのゴルフコースは大盛況になります。

そんな一方で、スコットランドには地元の人以外誰も知らないような、小さなゴルフコースも多く存在しているんです。こういうコースのほとんどは、地形に合わせてつくってあるので、6ホールだけ、とか12ホールだけ、などゴルフというゲームの「型」からは外れたものが多いです。でもそこには有名ゴルフコースにはない「味」が、「愛」がある。
こういう小さなゴルフコースは地元の人たちのボランティアで運営や整備がなされていることが多く、地域の人たちの生活に密着し、人々から愛されているんです。
コースには犬を散歩させながら、家族連れでウォーキングをしながら、あるいはおじいさんが孫を連れてゴルフを楽しむ人たちの姿が見られます。

私はこういう、誰も知らないような小さなゴルフコースが大好きなんですよ。なぜだかものすごく惹かれます。そんな私に夫が言いました。
「実はね、今回行くグレンコーの近くに、隠れた小さな素敵なゴルフコースがあるみたいなんだよ。」
えーっ、マジで?今回はゴルフなしで行きたかったけどなぁ。
「わかってる。わかってるよ。僕はゴルフなしでもいいんだよ(って、それは絶対ウソやん!)。でもね、せっかく近くに秘宝の(!)コースがあるなら、あこちゃんが行ってみたいかなぁ、と思ってね。」
ずるいなぁ。その言い方は。秘宝って…。私がそういう隠れた小さなゴルフコースが大好きなのを知っていて、そんな風に言う。
でもそこに隠れたゴルフコースがあるなら、やっぱり行くしかないでしょ。いそいそとゴルフバッグを積み込む夫を横目で見ながら旅行に出かけました。

今回訪れた、秘宝(笑)のゴルフコースは2ヶ所(結局2ヶ所も行ったんかい!)とも、ほんまに素敵でした。
(ゴルフコースの詳しい情報は、地球の歩き方に記載しましたので、興味のある方は読んでみてください。最後にURLを貼っておきます。)
特に1日目に行った海辺の9ホールコースは最高でしたね。ここは冬場は誰もいなくて、オネスティボックス(正直箱)にお金を入れてゴルフをします。 
私たちが行った時は夕方に近かったこともあり、犬を散歩させている人と、グリーンに向かって黙々とチッピングの練習をしているおじいさん以外は誰もいませんでした。
目の前は海。コースも自然の地形そのままの、(ある意味)めっちゃ難しい9ホールコースです。
ほんまに楽しくて、景色に見とれながらルンルンと歩いていたら、ぬかるみでツルッと滑って見事に転ぶ、というハプニングがあったけど、いやぁ、ほんまに味わい深いゴルフコースでした。

スコットランドの田舎では、日本の無人野菜販売みたいな、オネスティボックスというシステムがあるのもいいですよね。これだけで、このあたりの人たちは正直者が多いんやな、安全なんやな、人を信頼できるんやな、とほっこりするやないですか。

私にとってゴルフは勝ち負けや戦いのゲームではなく、コミュニケーションなんですよ。そのゴルフコースにいる人と、一緒にゴルフをしている人と、そして自分とのコミュニケーションの場。そやからこういう人の温かみが溢れるゴルフコースに出会うと、ほんまに心から楽しくなってしまう。 

スコットランドは自然がいっぱいの美しい国です。そしていろんなゴルフコースもいっぱい。私はこれからも、こういう秘境のゴルフコースを探す旅を続けていきたいなぁ、と思っています。

海辺の秘境コース
歩いているだけで気持ちいい
グレンコーの秘境

https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/3004724/


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