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【読書感想】はじめての

どうも、絶賛YOASOBIにどハマりしているばたやんです。

今回は、紅白でも話題になりました音楽ユニットYOASOBIと直木賞受賞作家4人がコラボし「はじめて」をモチーフとした小説を1冊にまとめた短編集「はじめての」を読んだ感想と、まだ読まれていない楽曲を聴いていない方向けにおすすめのメディアミックスの楽しみ方を書いていきます!


🔷はじめての

冒頭でも書きましたが、本書は4人の直木賞受賞作家が、音楽ユニットYOASOBIとコラボレーションした短編集です。

本書のコンセプトは「はじめて」は、いつも痛くて、少し優しい

小説のテーマは「初めて〇〇したときに読む物語」

小説、楽曲、公式プロモーションビデオ(動画)のメディアミックス作品で、小説をもとにした楽曲と動画が配信されています。


それでは、それぞれのお話の感想とおすすめのメディアの楽しみ方を書いていきますね。


🔷「私だけの所有者」
ーはじめて人を好きになったときに読む物語ー

著者:島本理生
対応楽曲:ミスター

とある国の施設に保護されているアンドロイドの「僕」と「先生」の文通スタイル、といっても僕の手紙の文章を読み進めるかたちで物語が展開されていきます。

内容は僕は所有者との間に何が起きたかの報告、AIが話題になる現代の延長にある近未来の設定と社会的な描写が具体的で読んでいて情景を想像するのがわかりやすかったです。

物語終盤の展開はそういうことかと納得しますし短編ならではのコンパクトさに読後の満足感も高かったです。

おすすめのメディアミックスの楽しみ方

小説→楽曲(エンディングとして聴くといいですよ)→動画
の順番で楽しむのが良いとおもいました。
というのも動画に伏線回収の描写があるので展開を楽しみたい人には先ほどの順番をお勧めします。

私は小説の読後に楽曲を聴いて号泣しました(笑)

🔷「ユーレイ」
ーはじめて家出したときに読む物語ー

著者:辻村深月
対応楽曲:海のまにまに

家出をして海沿いの駅に降りた私、花束が手向けられた夜の広場で白いワンピース姿の女の子から声をかけられた。

白いワンピースの女の子の正体が気になりながらも、主人公の私がなぜ家出したのか、この後どうするのかがわかっていくお話の構成でとても読みやすいお話でした。

おすすめのメディアミックスの楽しみ方

動画→小説→楽曲(→もう一回動画を観てもいいかも)
動画での私の心理描写を見てから小説を読んだ方がよりなぜ家出したのかというところがわかりやすいとおもいこの順番にしました。

ラストのオチも面白いのでぜひ読んでほしいお話です。

🔷「色違いのトランプ」
ーはじめて容疑者になったときに読む物語ー

著者:宮部みゆき
対応楽曲:セブンティーン

本作は設定がSFなのでやや難しめの内容となっています。
読みながら長編の設定やんこれって思ってました。

2つの世界線が並行して存在している世界のお話。
並行世界で起きたテロへの関与を疑われ捕らわれた愛娘を救いに主人公宗一がもう一つの世界“鏡界”へと向かう。

二つの世界「第 1鏡界」(主人公宗一のいる世界)と「第2鏡界」(もう一つの世界)には同じ人物が存在しており、宗一の娘「夏穂」の分身が第2鏡界でテロへの関与が疑われ、第 1鏡界の夏帆が政府によって捕らわれ第2鏡界に連れて行かれてしまったのを宗一が助けにいくというお話。

書いていてもややこしい(泣)

並行世界の存在が発覚する描写なんかはエヴァンゲリオンっぽさを感じて興奮しましたし、本作も伏線回収が見事で読み応えがあります。

本作のイラスト描いたり楽曲をギター弾いてみたりしていて、個人的に1番思い入れのある作品です。

先日YouTubeに本作の対応楽曲「セブンティーン」をギターで弾いた動画をアップしてますので良ければみてやってください。

おすすめのメディアミックスの楽しみ方

動画→小説→動画→楽曲
動画を観てから小説を読んでまた動画を見ると捉え方が変わるのを感じられてとても面白い体験ができるとおもいます。
楽曲の歌詞も言葉を取捨選択して作り上げられていて小説を読んだからこその気づきがたくさんありました。

🔷「ヒカリノタネ」
ーはじめて告白したときに読む物語ー

著者:森絵都
対応楽曲:好きだ

幼馴染の椎太が好きでたまらない高校生の由舞は、4回目の告白を確かなものとすべく、過去の告白を取り消しにゆく。

アオハルものかとおもいきやタイムスリップというSF要素がきゅうにはいってくる本作、でもラストはアオハルかよ!でした(笑)

前3作が重めのお話が続いていたので、デザート感覚の軽い読み味にサクサク読み進められました、いいな青春。

おすすめのメディアミックスの楽しみ方

楽曲→動画→小説→楽曲
順番書きましたけど、本作に関してはどんなみかたでもいいなと思いました。
テキトーとかではなく、どっから入ってもいいな!というのが率直に思ったことで、それぞれのメディアがいい感じにまとまってるのでどれから入ってもOKということです。

主人公の親友のヒグチは隠れファン多そう。




久しぶりの読書感想でしたね、この「はじめての」企画も調べたら2年くらい前のものでだいぶ乗り遅れ感がありますね(笑)
読んだタイミングが今だったのと読書以上の体験が味わえ、残しておきたくて記事にしました。

この記事を読んで1人でも本書を読んでくれる人が増えると嬉しいです。

ばたやん