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学校再開後の子どもたちの心のケア

緊急事態宣言解除により多くの学校が再開に向けて動きだしました。
中にはすでに学校が再開し、授業がスタートした学校もあると思います。

2か月半という長期の休校とウイルス感染による恐怖で子どもたちの心には大きなストレスがかかっています。

そんな子どもたちの心のケアをどう行っていくかが非常に重要になってきます。

今回の記事は私が研修で学んだ内容を投稿しています。



1 長期休業の影響

発散できない(やる気のなくなる)慢性的ストレスを抱えている可能性がある

○規則正しさ・根気強さ(コツコツとやる等)・ルールに従うという義務教育で身につける内容について一定期間、体験・習得不足な状況である

2子どもたちの現状(現状と今後の課題)

【小・低学年】

○家庭は安心した日常を送るために、その子の要求がある程度通る生活を送っている可能性が高い。つまり生活が「その子仕様」になっている。そのため当然苦手なこと、やりたくないことは避ける生活になっている。

○家庭では一対一や一問一答のやりとりが中心となっている。そのため学校で行う集団での活動や最後まで話を聞く等の力が身についていない。

学校再開後は「みんなでチャレンジすることで積極性や協調性を養う時期」


【小・中学年】

○一人で努力しなければならない状況が続き、頑張ることが難しい生活が続いたことを考慮し、本人なりの頑張りを見つけてしっかりと評価することが必要となる。

○長い期間集団生活から離れているため、その中で学ぶ言語を用いたコミュニケーション能力や人間性(他者との上手な関わり)が衰えている。また学校再開になっても感染拡大を防ぐため、以前のような対人関係を長期間行いない可能性がある。

学校再開後は「頑張る力、コミュニケーション力を育てる時期」


【小・高学年】

○「他者の得意なこと」「自分にはできないこと」などを知る体験ができていない。苦手と向き合って挑戦してみる活動の欠如から「学校に行かない方がラク」だと思い始めることがある。

○6年生は小学校生活の集大成の時期である。その時期の多くの行事が中止になることが予想され、気持ちが積極的になれなかったり、被害的な気持ちになったりする可能性がある。本来であればリーダー性を発揮する時期であるが、これまでの方法で行事を盛り上げることが難しいため、下学年にリーダーとしての姿を見せる場面を「知恵を出して」創出する必要がある。

学校再開後は「他者を知り、リーダー性を学ぶ時期」


【中学生】

○本来であれば、自分にとって努力してもできないことがあることを知り、それでも精一杯やっていくことで自分らしさを見つけ自尊感情を育てる時期にあたる。しかし対人関係が希薄になり、「人と正しく比較することができていない」「頑張れない・頑張らない日常を過ごしている」「成長のための意欲が落ちている」可能性がある。

○今感じている見通しのなさや閉塞感は高校受験の状況と似ている。3年生はこの状況が長く続いていくしんどさがある。進路に対する焦りから言動が乱れないよう注視する必要がある。

学校再開後は「自分を知る時期」

※ここからが一番大切です!


【小・中学生に共通すること】

○休業前の子どもが登校してくるのではない

・この2か月半の休業を経験し、上記のような影響がある子どもたちであると理解して関わる必要がある。

スタート時点でのズレが発生している(家庭状況の違い)

・熱心に予習をしている家庭の子どもにとっては、授業内容を進みすぎて「もう知っている」「つまらない」と授業に積極的に関われないかもしれない。逆に全く学習に触れてなかった子どもは、授業内容を理解できない可能性もある。

○子どもたちがもつ学校のイメージにズレが生じる

・子どもたちは休業前の学校のイメージをもって登校してくる。しかし、ソーシャルディスタンスに注意したり、感染拡大防止に伴う新たなルールが増えたりと戸惑う可能性がある。

○長期的な見通しを持って子どもたちと関わっていく

・学校再開後はそれなりに適応しているように見えても、1~2週間後に精神的な負担と体力低下の影響が表れてくる可能性がある。

・2~3か月経過後、徐々に不適応を起こす可能性があることも想定しておく。

○不登校傾向の子どもたち

・最初は気持ちが盛り上がって登校する可能性もあるが、じきにエネルギーが弱まり登校しづらくなってくる可能性が高い。それを見越して最初から丁寧な関わりあいをする必要がある。

・学校再開日が決まって、体調を崩す子どもが出てくる可能性がある。


休業期間で欠損した授業を何とかカバーしようと多くの先生が必死の準備をしています。

また子どもたちに会えなかった分、会えたときの嬉しさからエネルギー前回で関係を作ろうとするでしょう。

しかし、子どもたちは思っている以上に不安定な状態にあります。

ひとりひとりの心のケアを大切にしながら、学校生活に慣れさせるための準備期間をしっかりと取る必要があります。


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