デフォルト問題を振り返る
どーも、バスケです。2回目のテーマはデフォルト問題。
連載2回目にしてこの問題を取り扱っていたのか、というちょっと驚きがあります。たしか立ち上がり始めのOS Xをテーマにコラムというお話だったと記憶しているので、いきなりかなり外れたテーマを持ってきていたのかと。まぁ、最後にぎりぎり話をOS Xに持っていっているけど、このテーマはなかなかな普遍的な答えの出にくい問題を取り上げてますな。
で実はこのデフォルト値の決め方、当時はAppleに不安な気持ちを抱いていたのでこんな、ちょっと懐疑的な結論に持っていってますが、いまのAppleの決めてくるデフォルトの決め方、タイミングも含めて超絶うまいと思ってます。最近のiPhone、iPad、Mac、全てにおいて戦略的にハードウェア、ソフトウェアたくみに組み合わせてタイミングを見計らっている感じがする。
とくに総長的なのが10年ほど前に起こったトラックパッドの二本指スワイプをナチュラル、と呼んでそれまでの常識から逆転させたこと。iPhone、iPadのタッチインターフェースの流れに乗せて、MacBookのタッチパッドも巨大化させていきどこかのタイミングで「ほら逆の方が自然でしょ?」って。さすがに戸惑い、最初はわざわざ設定変えたけど、しばらくしたらナチュラル志向になってましたね。けっこう時間はかかったけどw。
別の話で、Windows 11がスタートメニューを真ん中に持ってきて、最初左に持ってくるオプションがなかったんだけど、ユーザーから不評であわててオプションがついたという件。なんかばたついた話として記憶にも新しいと思うんですが、デフォルトを決めるにはよくよくユーザーの動向を見極めないと大変なことになるなぁという良い事例だと思います。変えるほうにはそれはしっかりした理由やリサーチがあるでしょうが、変えられるほうにだって慣れも理屈も反発心もあります。変化に対応させるコストは並大抵ではない。これは大変な戦いなんです。
ということで、20年経ってAppleは成熟した会社に成長し、あまりデフォルトの決め方などで悩まされるようなことは少なくなりました。派手な機能を全面に出すわけではなく適度に隠し、ユーザーが発見するまでじっと隠れて待つ、そんな余裕が感じられます。まだまだしばらくはAppleですね。
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