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バスケの言い分 ウェブ保存版

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MACPOWER誌にて2000年7月号から2004年12月号まで5年にわたって連載されたコラムを当時のままの文章で公開します。内容的には今読むとアレですが、まぁそれはそれとしてお…
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#finder

[#33] 「Friends of "X"」なんてことをやってみたその理由

先月予告したとおり、渋谷のビール屋さんでプログラマー展を行うことになった。3月の6〜8日なので、皆さんがこの記事を目にするころには終わってしまっているはずだ。やってよかったー、と祝杯をあげているか、あーなんか失敗だったなー、と反省しているかはわからない。なんとか成功させたいなという気分ではあるし、たぶん気持ちよくビールを呑んで無事終了している気もする。しかし、今この時点では、出展作品がまだ完成しておらず最後の追い込み時期を迎えている。こんなこと始めなきゃよかったという反省でい

[#24] 脳みそを使わせるインターフェース

前々回、Finderのフォルダーとウィンドウの1対1の対応が崩れたことを指摘した。読者の方の反応も結構よかったようなのだが、ちゃんと説明し切れていない感じがしたので今回もう一度、その重要性を書いてみようと思う。 まず、コマンドラインのインターフェースから話を始めよう。Mac OS Xには、コマンドラインでコンピューターを操作する「Terminal」というツールが用意されている。キーボードからコマンドを入力するという操作は、見た目的にも何かいかにもコンピューターという感じがす

[#23] これ以上ストレスをためさせないでくれや

ファイルをどこに保存するかとか、どうやって分類するかって、人それぞれ意外に違うものらしい。オレの場合は、一時的に使うファイルはまずデスクトップ上にドカドカと保存しちゃう。よく使うなってわかってきたら、別の場所にフォルダーを作ってちゃんと移しておく。デスクトップにたまっていったファイルは、時機を見てゴミ箱行き。こういうサイクルだ。 基本的にファイルの保存や分類のスタイルは、コンピューターを使っているユーザーが決めることだ。誰かにとやかく言われる筋合いのものではなく、好きに使え

[#22] 本来の役目を忘れたFinder

いきなりで何だが、OS Xには納得できない部分が多々ある。例えば、Aquaインターフェースの表示速度が遅いとか、PCカードの通信環境はいまだに全滅だとか、Classic環境とのコピーやペーストがうまくいかないなどなど。でも、こうした問題は機能上の不具合であり、アップルが本気になればすぐに直せるものだろう[*1]。 しかし、もっと奥が深い問題も存在している。それらは設計思想にかかわるものであり、OS X が Macintoshであり続けられるかという重要な問題もはらんでいる。

[#20] キチンとさんのお通りだい

OS Xを使っていると、何となく「キチンとしていなければいけない」という思想を感じる。邪魔なものは片づけてキチンとしよう、あいまいな部分の定義をキチンとしよう、論理的でないからキチンとしよう……。そんな「キチンとさん」の気持ちはわからなくはないのだが、何だかなぁとも思ってしまう。 例えば、OS Xで大きく変わったメニュー構成。アプリケーション名のメニューが追加され、そこに「○○○について」という項目や初期設定などのアプリケーション全体にかかわる機能をまとめた、ということにな

[#19] おいおい、オレはまだまだ不安だぞ

今回は、先月号の本誌特集「Xに脅える10人の男たち」について。まぁ、本連載の読者はおわかりのとおり、オレなんてこの10人のうちの1人なんだろうから、気になってちゃんと読んでみたんだけど・・・・。ちょっと釈然としない部分があったので、それについて書いてみよう。 わがままなオレでも、さすがにOS Xはイヤだなどと言っていられない状況になっている。来年はそろそろ、OS Xでしか動かないMacが出始めるだろうし、いまの機種を使い続けるにしてもMac OS 9のアップデートはもうほと

[#18] iPodから考えるFinderの未来

アップルのMP3プレーヤー「iPod」が発表になった。いい。まだ触っていないけど、操作系はシンプルそうだし、FireWire接続で高速にデータを転送できるのがエライ。そして何よりも、曲をアルバムの単位でまとめられる点がうれしい。 世にはたくさんの種類のMP3プレーヤーが出回っている。それらのほとんどは、CDの曲を単に好みの順番で詰め込むことができるだけ。でもCDの曲は普通、そのままアルバム単位で楽しむのではないか?マイ・セレクションを作ってカーステレオで聴く時代は、とっくに

[#12] 21世紀のパーソナルコンピューティング

初出: MacPower 2001年 6月号 前回はMac OS Xに対する不満爆発の第一弾として、既存のシステムとの違和感や変わりすぎたことを主題に話をした。今回はそれと矛盾するテーマになるが、「変わりすぎなかったこと」について考えてみよう。 これはどういうことか? Mac OSもWindowsもLinuxのGUI環境も、大きく分ければ同じ系統のウィンドウシステムだ。使いやすさや機能に差はあるとはいえ、ウィンドウやメニュー、ボタンといった同じような要素から構成されたGU

[#11] 所有感の喪失

Mac OS Xが発売された。パブリックベータという開発途中の代物ではなく、正式な製品版としてのリリースだ。OS Xについては何回かこの連載でも触れてきたけど、あまり悪いことは書いてこなかった・・・・・・、と思う(笑)。それは開発途中のものに関して一般のユーザー向けに何か言っても変だし、妙に不安をあおるのもイヤだったから。しかし製品版ともなると話は別だ。文句も言うぞ。 というわけでOS X製品版の感想だが、実は難しい。悪いわけではなく、全体的に見たらよく出来たOSになってい