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バスケの言い分 ウェブ保存版

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MACPOWER誌にて2000年7月号から2004年12月号まで5年にわたって連載されたコラムを当時のままの文章で公開します。内容的には今読むとアレですが、まぁそれはそれとしてお…
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#MacOSX

[#12] 21世紀のパーソナルコンピューティング

初出: MacPower 2001年 6月号 前回はMac OS Xに対する不満爆発の第一弾として、既存のシステムとの違和感や変わりすぎたことを主題に話をした。今回はそれと矛盾するテーマになるが、「変わりすぎなかったこと」について考えてみよう。 これはどういうことか? Mac OSもWindowsもLinuxのGUI環境も、大きく分ければ同じ系統のウィンドウシステムだ。使いやすさや機能に差はあるとはいえ、ウィンドウやメニュー、ボタンといった同じような要素から構成されたGU

[#11] 所有感の喪失

Mac OS Xが発売された。パブリックベータという開発途中の代物ではなく、正式な製品版としてのリリースだ。OS Xについては何回かこの連載でも触れてきたけど、あまり悪いことは書いてこなかった・・・・・・、と思う(笑)。それは開発途中のものに関して一般のユーザー向けに何か言っても変だし、妙に不安をあおるのもイヤだったから。しかし製品版ともなると話は別だ。文句も言うぞ。 というわけでOS X製品版の感想だが、実は難しい。悪いわけではなく、全体的に見たらよく出来たOSになってい

[#8] 事実上の標準(デファクトスタンダード)を、支えるもの

初出: MacPower 2001年 2月号 最近、久しぶりにフリーウェアを作った。「Don't Save!」という機能拡張だ。何をするのかといえば、保存確認ダイアログによってファイルを保存するかどうかを尋ねられたときに、「保存しない」ボタンをキーボードから押せるようにするものだ。至ってシンプルな機能拡張だが、実はこれが意外に重宝する。 保存確認ダイアログには、「保存する」「キャンセル」「保存しない」の3つのボタンが用意されていることは周知のとおりだ。「保存する」ボタンに

[#5] 公開ベータ版をお使いになる前に

初出: MacPower 2000年 11月号 日本語版はまだだが、いよいよMac OS Xの公開ベータ版が発売になった。早速入手し、Macに組み込んで使っている。うーん、この秋はこれに付きっきりになりそうだなあ。 いちユーザーの立場でざっと触ってみたところ、全体の整合性がかなりとれているように感じた。いろいろな技術を違和感なくまとめている。詳細は話せないが、5月に開発者向けに配られたDeveloper Preview版に比べると、安定性やユーザーインターフェースの面から

[#4] AppleScriptを支えるアップル社の技術と信念

初出: MacPower 2000年 10月号 今月は「AppleScript」を取り上げよう。「なぜこの時期に」と思われるかもしれないが、AppleScriptは実はいまが旬のテクノロジーなのだ。長いことほったらかしにされていたものの、Mac OS 8.5のころから再び整備され始めた。さらに、次期OSであるMac OS Xでもサポートされることが決まり、AppleScriptに対応したCocoaアプリケーションも作成できる。「チーム史上最大最強のメンバーがそろっている」と

[#3] Aquaの仕様はまだ固まってねーぞ

初出: MacPower 2000年 9月号 Macworld Conference & Expo / New York 2000に行って来た。とはいっても、仕事の合間に初日だけ見て帰国するという強行スケジュール。うーん、眠い。時差ボケが抜けん。ジョブズの基調講演は新しいハードウェアの発表ラッシュだった。ユーザーとしては「Power Mac G4 Cube」が欲しいが、開発者の立場ではデュアルプロセッサーの「Power Mac G4」が1台あるといろいろと遊べる。基調講演終

[#2] 何をデフォルトにするかが問題だ

初出: MacPower 2000年 8月号 ちょっと古い話になるが、この春に米マイクロソフト社製のWebブラウザー「Internet Explorer 5」のMac版が登場した。そのクールな見た目や安定した動作にもかかわらず、オレはものすごい違和感を覚えた。文字の表示サイズがデカかったのだ。同じWebページを見ても、Mac版とWindows版のInternet Explorerでは表示される文字の大きさが違ってしまう。マイクロソフト社はこの問題を解決するために、それまで7

[#1] Macの話をしようじゃないか

初出: MacPower 2000年 7月号 Mac OS Xの発売延期に関する各ニュース媒体の否定的な取り上げ方を見ると、どうも実際の製品開発に携わっているデベロッパ一の捉え方との間に違いがあり驚いてしまう。「夏にリリースするMac OS Xはパブリック・ベータとし、正式なバージョン1.0の出荷は来年1月とする」。5月のWWDC(世界開発者会議)の基調講演で、米アップル社のスティーブ・ジョブズCEOはこう発表した。参加していたデベロッパーの多くは大きな拍手でこの発言を受け