見出し画像

ジェンダーを意識した放送解説の分析

こんにちは。
今日は少し内容を変えて所謂ジェンダー問題を取り上げた分析の紹介です。

スポーツ放送解説に関する現在の研究では、男女のアスリートやそれぞれのスポーツに対する評価に使用される解説タイプが、ジェンダーに関する言語の仮定を通じて関与していることが示されています。

この研究では、2000年の男女NCAAファイナルフォー・トーナメントゲームにおける放送解説を分析し、男女のアスリートの競技パフォーマンスに関するジェンダーに基づく評価がどの程度存在するかを調査しました。
研究の結果、2,367行の放送解説を内容分析したところ、男性アスリートは主に身体的・運動能力の観点で評価されるのに対し、女性アスリートは(a)肯定的な調和、(b)人格、(c)容姿、(d)バックグラウンドといった観点で評価されることが明らかになりました。

また、放送解説者の性別に関係なく、男子ゲームでは女子ゲームよりも放送解説の行数が有意に多いことがわかりました。さらに、男女のゲームを通じて、男性放送解説者は女性スポーツキャスターがいる場合でも、放送時間を独占する傾向があることが示されました。
この研究結果は、スポーツコミュニケーション分野や、一般的なコミュニケーション学のシンセシス研究(O'Sullivan, 1999)において、今後の研究に対する示唆を与えています。

参考文献: ビリングス, アンドリュー・C, ハローン, ケルビー・K, デンハム, ブライアン・E. (2009). "なんて美しいシュートだ":2000年男子・女子NCAAファイナルフォーバスケットボール選手権におけるジェンダーを意識した放送解説の分析

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?