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仕事観における親の影響

 自分が今の会社を退職するにあたって、親の影響について考えた。

 自分が実家にいた頃、
両親は家庭内ではのびのびと過ごしていたが、家庭外の他人とのコミュニケーションには苦手意識を感じていたのだろうと思う。

 両親は、二人とも自分からガンガン他人とコミュニケーションをとっていくタイプとは対極にいた人たちであった。
 家族以外の他人とコミュニケーションをとる場面、例えば買い物に行った時とか、両親は店員と話す時はとても緊張して、どこか疲労しているイメージだった。
 実際両親がどう感じていたかは分からないが、自分の中での両親のイメージはそんな感じだ。

 現代において、家族以外の他人と交流するネタとしては、趣味、仕事、子供くらいかと思うが、両親は仕事にもそこまで熱を入れておらず、ただただお金のために働いているだけという感じ。趣味については、父親はロードバイクは好きだが、一人で走りに行くくらいで他人との交流はなさそう。母に至っては特に趣味はなさそうだ。ただ母は息子である自分の友達繋がりとかでたまに近所の人とと話していたような気はする。
でもそれくらいだ。

 そんな両親であったので、家では両親の仕事に今する話題は全くなく、父の勤め先は知っているが、どんな仕事をしているか知らないままここまできている。
今となっては父の仕事について自分から聞くこともできるが、父にとってはそこまで重要ではない、むしろ嫌いかもしれない仕事の話を自分からわざわざ振るのもなと思い、特に話題にはしていない。

 このような家庭環境で育った自分は、内向的に育ち、それで苦労することも少なくなかったが、幸いにして友人関係にはとても恵まれ、友人にはそこまで困らずここまで生きてこられた。
 ただ、仕事に関しては、イメージや考え方について(いわゆる仕事観?)、ほぼほぼまっさらな状態で社会に出てしまった感がある。
なので正直いまだに自分の中には、「利益を上げたい!」とか「会社に貢献したい!」とか「社会に貢献したい!」とかいう概念は、心の底から理解できないものになってしまっている。自分とその近くいる人たちが幸せならそれでいいじゃんという考え方が根底にある。

 現在社会人7年目になるが、これにはずっと悩まされているような気がしていた。同僚と目標を共有できている感が全くないのである。なので必然的になぁなぁな仕事になってしまっている気がする。最近になってやっと自分の得意っぽいことも分かってきて、その仕事をするときは少し楽しさも覚えるが、とにかく同僚との共感は少ないままに感じる。

※妻にここまでを話したら、
「同僚ともう少し仲良くなる努力も必要なんしゃない?」
と言われた。
確かに、、その通り!

 社会人になってから最近まで、同僚と目標を共有して協働するというのは、自分が苦手でコンプレックスに感じていたことだったが、今回の転職活動・退職交渉をする中で、これは全然コンプレックスではないな、むしろこういう唯一無二の思考に育ててくれた親に感謝だなと思えるようになってきた。

 もうすぐ退職予定だが、今私が勤めている会社は超大企業であり、そこに勤める同僚たちも極端な言い方をすると幼い頃から親にビジネスの世界・考え方を叩き込まれてきた人たちなんだろうなと感じる。自分とは根本的に育った環境が違うように感じてしまう。そんな彼らは良くも悪くもこれからもビジネスの世界とぴったりくっついて社会の中で生きていくのだろうと思う。自分みたいに「自分が」やってみたいことを優先させて、転職することは自分以上にハードルが高いと感じるだろうなと思う。

 今思えば、幼い頃から現在に至るまで、両親は自分がやりたいと言ったことに関して否定したことはほとんどなく、何でも挑戦させてくれ、挑戦できる環境を用意してくれたように思う。

 冷静に考えるとこんなに素晴らしい親なのに、これまでの自分は他の家庭と比べたりしてしまって、手放しで感謝できていなかったと思う。
 これからも感謝を感じながら、そして伝えながら生きていきたいと思う。

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