1日目

葛藤の中僕は布団に入った。いつもならここで息子に優しく手を差し伸べる。しかし無常にも今日僕はそんな息子に構ってあげなかった。親として最低だ。だけど僕は子離れするんだ!そう誓った。しかし、布の囲いの中で蹲る息子は僕に訴えた。(手繋ごう!パパ!お願い!僕泣いちゃうよ?)僕は自分に憤怒した。大粒の涙を枕に滴らせながら体育祭の為に息子の世話を辞めるなんてなんと情けなかったんだと。息子を見捨てるなんて僕にはできなかった。そうしていつも通り静かに息子に手をやり優しく愛撫した。気持ちよかった。息子も元気になった。これでいいんだ。息子は元気に今日もメレンゲのようなティッシュに優しくホワイトソースを添えた。こうして僕の息子離れは失敗に終わった。

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