生活と精子力
はじめに言っておくが、エロではない。
期待させたなら申し訳ないと思っている。
妊活系の話ね。
こういうジャンルって話題にしにくい。
しかも、親しい人であればあるほど相談しにくいと思うから、困ってる人も多いんじゃないかな。
だから僕が書く。「だから」の意味は特にないんだけれど。
人体に関する事って、素人さんからすると調べ方もわからないと思うんだ。
僕も専門じゃないから、へぇ~そうなんや~程度で見てね。
さて、不妊って言うのは、ひと昔前だと女性側の問題として考えられてきたみたいだ。
最近は、男性側の問題もちゃんとあるんですよって意見が増えたと思う。
調べた限りだけど、6組に1組は不妊に悩んでいるらしい。
うち男性側に原因があるのが20~30%。
両方に原因があるのが、25~40%。
これくらいの数値になると、不妊問題の50%は男性の問題であるとも言えてくる。
そして、男性側の問題の多くは、未だに原因不明なんだそう。
原因不明って言っても検査はできるんですよ。
問診、触診、視診、血液検査、尿検査、ホルモン検査、性感染症検査、エコー検査、精液検査などなど。
なぜ悪いのかって言う「原因が不明」ってことでしょうね。
患者側としては、これが一番困るよ。
ゴールが見えないのはツラい。
そんな状況だからか、男性専門の不妊治療をやってる病院ってそんなに多くない気がする。
様々な理由が重なって、男性が不妊治療を始めるのは、ものすごく敷居が高いと思う。
もちろん、女性側だって敷居が高いことは理解してる。
それくらいナイーブでセンシティブな領域なんだ。
妻に検査を進めるなら、まずはテメェが検査行ってこいって話だ。
ただし、病気を抱えている人は、精子所見が悪いって事がエビデンスになりつつあるらしい。
日本に限らず、男性不妊患者もなんらかの病気を抱えているという。
そして、これらのほとんどが生活習慣病って言われているようだ。
例えば、高血圧症、心血管疾患、脂質異常症などが言われているみたい。
現場で働いている僕からすると、見慣れた一般的な病気なんだよな。
最近は、若い人でも生活習慣病になる人が増えてきている気がする。
若い人と話していると勉強した知識なんだろうけど、なんかズレてる感じ。
意識高い系の動画を観て、それが全てって思いこんでるかもしれない。
「筋トレするなら、炭水化物を多めに摂った方がいいって言われました」。
→消費カロリーが勝っていたらの話。
「筋トレしてるのになぜか痩せないんです」。
→運動で消費するカロリーって大したもんじゃないんですよ。
普通に考えたらわかるやろ。食い過ぎなのよ~。
他、精子に影響を与えるものとしては
喫煙:膿精液症の増加、酸化ストレスの上昇、DNA損傷。
アルコール:たまに飲むくらいはOK。飲酒量が多いと精液所見が悪化。
カフェイン:はっきりしない。多すぎると良くないとの意見はある。
肥満:肥満改善で精液所見改善。適度な運動で精子の運動率が上がる。
いつも思うんだけど。適度ってのは、どのくらいなんだろうか。
睡眠:睡眠障害は精液量の低下を招く。めっちゃわかる。
陰嚢冷却:8~20週の冷却で、患者の6~8割の精液所見が改善。
精子は熱に弱い。
長時間の座位:陰嚢温度が上昇し、精液所見が悪化。酸化ストレスを誘発。
禁欲期間:禁欲で精子濃度は上がるが、運動率が低下。酸化ストレス上昇。
溜め過ぎは良くないってこと。禁欲は2~3日程度が良いらしい。
別に毎日でも良さそうだけど。
電磁波:精子に悪影響を及ぼすとされる。
食事で意識することは
抗酸化物質:ビタミンC・E、リコピン、βカロチン、ポリフェノール。
抗炎症・抗酸化作用:オメガ3、EPA、DHA。
葉酸:染色体異数性を減少させるみたいな話も。男性も葉酸が必要って意外だった~。
食物繊維:血清のエストロゲン低下。野菜食べましょう。
大豆:大豆の取り過ぎは良くないらしくて、内分泌系に異常を来すって言われてる。どれくらいの量なのか不明。ナッツ類ってビタミンEが豊富って聞くから、普通に食べる分は良さそうだけど。大豆はナッツ類に入らないのだろうか。甲状腺に悪さするって話は聞いたことある。
乳製品・低脂肪乳:精子濃度と運動率を上昇させる。
赤身肉の加工肉:精子所見を悪化させる。ハム、ベーコン、ソーセージあたりかな。
ざっくりだけど、普通に健康的な食事をしていれば大丈夫そうね。
最近の加工食品って、食物繊維とタンパク質が減ってるんじゃないかなって思う。
口当たりが良くて、美味しい物って大体がそんな感じ。
食物繊維とタンパク質が少ないから、食べ過ぎちゃう。
食欲の勉強をしていたら、そのような事を書いていた気がする。
医師に聞いた話だと栄養とか健康状態が結構大切みたい。当然っちゃ当然なんだけど。
栄養状態が悪すぎると精子がない人もいるんだとか。無精子症ってやつね。
そこら辺になると、どうしようもないから病院で医師に診てもらおう。
生活習慣は変えられるけど、病気は医師じゃないと治せないから。
病院に行ってなくて、悩んで動けずにいる人は勇気を出して行ってみて。
不妊に悩んでる時点で、何かしら原因がある。
普通に妊活してて3ヶ月妊娠しなかったら、一度検査した方が良いらしい。
年齢とかを考えると時間的な余裕もない人がいて、さらに焦ることになる。
病院で検査結果を見ると、否定しようのない数字が出てきて現実を突きつけられるし、最初はツラいかもしれない。
それでも、動けば良い方向に変わっていくと思うんだ。
行動せずに悩む時間は苦痛だ。動いた方が楽だと思う。
どんな状況でも医師は何かしらの提案をしてくれる。
医師と患者の関係だけど、心強い相談相手ができたと思えばいい。
患者側からすると生活習慣の是正程度が嬉しいけどね。
参考
湯村 寧ら:感染症・生活習慣・食生活が造精機能に及ぼす影響.臨泌73巻13号.P986-991.