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【16巻】『少女ファイト』既刊17巻を振り返る

こんにちは。東京マンガレビュアーズでレビュアーをしているおがさんです。『少女ファイト』の既刊17巻分の振り返り記事を毎週火曜日にアップしています。このnoteは16巻の振り返り記事となります。

最近の嬉しいニュースとして、日本橋ヨヲコ先生のツイッターで、連載再開が公式にツイートされましたね!!3話分が3週連続掲載になるようです。

連載再開に向けて、既刊を振り返りながら、すぐに最新話に追いつけるようにしましょう!

15巻までの記事はこちらから👇

記事は以下のフォーマットで進めていきます。

・この巻は何と何の戦いなのか
・心に響く名言
・注目のシーン
・過去作とのリンク

多少のネタバレと巻をまたいだ解説を含みます。気になる方は、そっ閉じを推奨します。よろしくお願いします。

【16巻】向き合う厳しさVS見せかけの優しさ

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『少女ファイト』(日本橋ヨヲコ/作画監修:木内亨/講談社)16巻より引用
(※以下、特段記載のないコマは全て16巻より引用しています)

16巻では朱雀高校と黒曜谷の死闘が繰り広げられますが、その試合の中で感じたのは優しさの定義とは何かです。

いつもどこか甘えていた完蛇田 しえは注意力も散漫で、試合に真剣に向き合うことができていませんでした。そんな甘えを見逃さなかった寺沼は、完蛇田に対してきちんと指導(携帯を破壊するのが正しいかどうかは抜きにして)します。

引用した有栖川のセリフのように、距離感を一定に保つことで関わらないようにし、怒ることもない見せかけの優しさを演じる選択もあります。

でも寺沼は決してそれをしませんでした。人に対して指導したり、怒ったりするのは、実はとても体力のいること。厳しいと思われがちですが、人と向き合った優しさでもあります。

この試合の中で完蛇田は成長していきます。 それは、寺沼が完蛇田と向き合い続けた時間の賜物です。

寺沼から次世代へと受け継がれていく意志が、完蛇田を救うと共に、寺沼自身をも救うことになるでしょう。

心に響く名言

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16巻は寺沼のこのセリフと表情に尽きると思います。このセリフは過去に取り上げた伊丹のセリフと通ずるものを感じます。

伊丹

『少女ファイト』(日本橋ヨヲコ/作画監修:木内亨/講談社)13巻より引用

他の誰かが自分のことを同情したり、憐れんだりすることがあるかもしれない。けれど、それは本人の気持ちとは必ずしも一致しない。

寺沼は怪我があったことで、大切なものに気づけたのです。中学時代の荒れていた日々の中、再びバレーと向き合うことをしなかったら不完全燃焼な未来を過ごしたことでしょう。

やりきったと思える日々を過ごせたことはとても有意義なこと。挫折を味わい、苦しんだ寺沼だからこそ、再びバレーに取り組めることの喜びと、本気で挑んだ悔いのなさがあります。

最高到達点とも言われる寺沼のスパイクは、皆の憧れとなることで一生記憶に残り続けることになるでしょう。

注目のシーン

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会長が春高参加チーム選抜という条件で、次世代全日本メンバーを選出しました。向かって左から、上下の順でメンバーと出身校を紹介します。

柴田 あかり(白雲山)
舞棚 千以子(金糸雀)
雨宮 摩耶(青磁学園)
京極 小雪(白雲山)
大石 練(黒曜谷)
早乙女 花子(山吹矢)
小岩 素(墨日野)
鎌倉 沙羅(黒曜谷)
寺沼 理香(朱雀)
伊丹 志乃(黒曜谷)
小田切 学(黒曜谷)
森繁 フミ(白雲山)
唯 隆子(白雲山)

ここから分かることとして、名門:白雲山と並んで黒曜谷のメンバーが最多4人が選出されています。中でも、黒曜谷では1年生から3人も選ばれていることに、大きな期待を感じます。

また、元は漫画研究会だった山吹矢から早乙女が選ばれました。練が見惚れてしまうほど無駄のない動きを、会長も見抜いていることが分かります。

策略を知った上で雨宮が選ばれているということも、会長の掌の上で踊らされていたに過ぎないのだと、会長の底の知れなさが伺えます。

そして、何よりもこの錚々たるメンバーの中に小田切が選ばれました!!

周りの空気を良くするという数値化できない部分を評価され、亡き大石真理を彷彿とさせると会長に言わしめた小田切の成長ぶりは、ひたむきな努力を続けてきたことを知る読者にとって、とても嬉しく感じることでしょう。

過去作とのリンク

16巻の中でのリンクではないのですが、こちらも嬉しいニュースを!

朝6:49から『G戦場ヘヴンズドア』を勧める風間俊介さんと、放送するZIP!の心意気!

この内容が濃すぎて3巻分に10巻分の熱量というところが、わかりみが深すぎます。朝イチで読んだら、内容の濃さに間違いなく貧血を起こすと思うので、ゆっくりと時間を取れるタイミングで読むことをオススメします。

とにかく、『G戦場ヘヴンズドア』を未読の方は読んでみて下さい。

と言うことで、16巻の振り返りはおしまい。

私は、日本橋ヨヲコ先生のファンは全て同志であり、戦友(とも)であると思っています。一緒に盛り上がってくれたら嬉しいです。

来週の火曜日には、『少女ファイト』の続きが読めるようになりますね!!最後の振り返り記事は5/11(火) 00:10にアップします!(連載再開分を読んでから)

最後までお付き合いいただけると幸いです。よろしければフォローをお願いします!

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