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物々交換の村はなかった。「負債論ー貨幣と暴力の5000年」を読んで


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デヴィッド・グレーバーの「負債論ー貨幣と暴力の5000年」(以文社2016)は770頁、定価6000円+税という 価格もボリュームもちょっと読むのを躊躇する大作です。わたしはこの本を勧められて えーこの本を読むの?と思ったのですが、財源研究室の室長から大きな情熱を受けて 読み進めました。

 第二章の物々交換の神話から大きな衝撃を受けました。わたしは2010年に「銀行がナイショにしてるお金のひみつ」という、お金の歴史や信用創造の仕組みをイラストで描いた本をきれい・ねっと出版から出版しました。その本でわたしはそのまんま「昔むかしあるところに…物々交換交換の村がありました」と描きました。そんな10年前の自分をぶっ飛ばして殴りつけたい衝動に駆られました。

 物々交換の村なんて、過去において世界のどこにもなかったのです。
 
 そして この物々交換の創造神話こそが「経済学」の根幹をなす重要な部分だったのです。

「負債論」は770頁ありますがそれだけの大作の意味があると読んでわかりました。古今東西、世界各地の5000年 貨幣と暴力の歴史には必要な量。だから「負債論」を要約することは難しいです。できることなら 広く「負債論」が読まれて欲しいと思うのですが ボリュームを前に 過去の私のように読む前から手を出すことを諦めてしまう人もいるかと思います。

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「負債論」の中で 特にわたしが広く知ってもらいたいなと思う部分を本に基づいてイラストにすることにしました。
そして本の「負債論」を読むことにトライしてみようと思う人がいればいいなと思います。

そして願わくば…物々交換の神話から人々が解放されて
あたたかい物とサービスの循環が再び起こることを願っています。

人間本来の温かい社会を再び わたし達の手で結びなおして


2021年10月22日 財源研究室研究員 もも

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お金のなりたちや本質をわかりやすく伝えようとする活動は2007年から、2017年からは京都や滋賀県高島市でスペース運営をしています。並行してイラストレーターとしての活動をしています。サポートいただけましたらありがたく有効に活用させていただきます。