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【ちよつとピンぼけ】散文。

大阪のをつさんは、鼻毛を切るのではなく、拔くのを常に讃美する。それによりくしやみが出れば、大阪のをつさん美學は完成する。
私はいつもは勿論切つて(その方が鼻粘膜の為にはいゝのだ)ゐるのだが、暇潰しに限りなく近い行為として、珍しく拔いてみた。
すると、ぴりつと云ふ痛み乃至刺激は走るものゝ、くしやみ出るところ迄は至らない。
まあゆゑに私は大阪のをつさんではない。何を莫迦な事口走つてをるのか。今朝は椿事とすべきか、故吾妻ひでお先生の「哲学バカ」センパイを日頃崇めてゐる私の内面が曝され…しかも詩ではなく、完璧に散文、散文道を行つてゐる。時には詩人にも散文精神は必要となる、と思ふ。その為の修業、かなー。怪しいね。
さうだ、地震。私は朦朧としてゐた。眠剤が効き始めてゐる…危なつかしいなあ、大きな余震が睡眠中起きたらどーするの、そんな意識も薄れてゆく…幸ひにしてさう云ふ危険は實現しなかつた。そしてこのコラム?は私の散文能力のテスト。金田一先生にでも見て貰ひたい。

〈辛きもの避けたる母の献立はなんとも云へぬ"格"漂ひたり 郷士〉
これは、嘘、である。私一人でも辛いもん食ひたい。しかも母の狙ひは汲み取れなかつた。
〈老母の味意外や突飛メシの春 くにを〉。
分からない物事を完全に避けるなんて無理。不条理とも折り合つて、生きるつもりなら。
©都築郷士

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