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【R&R】詩。

寝惚けた-
昔ハードな導眠剤で
毎晩家の者には迷惑をかけた
それに比すれば何の事はない
たゞ自分がまだ目醒めてゐない
のに、気づいてゐない状態つてだけ

たぶん何千?何万?の方々が
同じ沈黙劇を演じられてゐる-
夜、の駅。春の足音さへも
聴こえてこない(音については
誰かゞ何処かでマイクのフェーダーを
下げたのだ)…

そして静かな静かな
私たちの舞ひが續くなか
耐へられず座り込む者もあり
生理が始まつちやつた女性あり
それを -静けさ何億倍かで
ファズギターが耳をつんざく、
バンドのヴォーカリストが

彼女を、ライヴハウスの事務室に
引きずつて行く
その像が消えると
私はまともになつてゐた。
今夜の一部始終には
ロックより室内樂が似合つてゐた
んぢやないかなー?
飛んだエリナー・リグビーである。

夢うつゝの詩でした。
©都築郷士

〈春カレー春の鯖などうまうまと くにを〉たまたま好物が重なつた。

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