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独立支援制度を有する薬局に就職する際のメリット/デメリット

こんにちは。
弊社代表の令和の虎出演後、独立して自分の店を持ちたい薬剤師の方からの問い合わせが徐々に増えてきており、嬉しく思います。
(まだ令和の虎ご覧になられてない方はこちらからぜひ!完全ALL!!)

弊社以外のM&A仲介業者に登録して問い合わせしてみたり、卸さんに聞いてみたり等、独立案件を獲得するためにできることは何でもやって頂きたいと思いますが、その中で、

「独立支援制度を有している薬局に就職するのはどう思いますか?」

という相談がありましたので、ここで弊社の考えをまとめてみたいと思います。


独立支援制度とは?

独立支援制度とは、独立希望者が独立支援制度のある会社や店舗で経験を積んだ後、屋号や商標をそのまま使うことを許可してもらえたり、独立に必要な人材や資金を提供してもらえたりする制度です。
社員として一定の勤続年数を満たすことで、開業をサポートしてくれます。スキルの習得や十分な知識を身に付けた従業員が対象であり、飲食店や美容室などでよく採用されている独立開業のための支援制度です。
「のれん分け制度」と呼ばれることもあります。

https://www.ibjapan.com/kaisetu_blog/money/p_7335/

よくFC(フランチャイズ)と比べられますが、大きな違いは、
事前にその会社や店舗で働く必要がある点です。
FCはスピード感のある事業拡大を重視した制度で、経験者でなくても資金さえあれば、加盟して決められた研修を受けるだけで出店できます。
しかし、独立支援制度は一定期間その会社や店舗で働かないと開業の権利を渡されません。どちらの仕組みでも研修やサポート体制は備わっておりますが、独立支援制度を選ぶ場合、開業前にそれなりの経験を積む必要があることは覚えておきましょう。

メリット

1.蓄積されたノウハウを享受できる

サポートしてくれる会社から業務をしながら研修を受けることができるので、様々なノウハウや経験を自分の中に蓄積することができます。
また、調剤経験が浅くても独立を意識して業務に励むことができるので、知識や経験の吸収率が違います。
在宅、施設営業のノウハウなどの他にも、在庫管理、接遇、採用のポイントなども教えてくれるところもあります。

2.様々な支援を受けることができる

個人で独立した際、一番苦労するのが卸との契約です。
以前はすぐ契約してもらえてかつ3か月サイト(3か月後に医薬品代を支払うという意味)でOKという感じでしたが、最近は1~2か月サイトで、さらには信用が低ければ取引NGとなるケースも見られるようになりました。(卸も今非常に厳しいことも背景にあります)
どれだけ頑張って独立しても、卸から薬が入らなければ営業が回りません。
卸と契約してもらえるかどうかは開業後の非常に大きなポイントになります。

独立支援制度を活用して開業した場合、会社から卸の斡旋をしてもらうことで取引を開始でき、営業を開始できるようになります。

他にも大家との交渉や医師への口利きなどもやってくれる企業もあります。

3.初期費用を抑えて独立することができる

M&Aで開業する場合、営業権、仲介手数料、在庫等で、最低でも1000万円以上かかります。
新規で開業するとなる場合はそれ以上費用がかかります。
独立支援制度をうまく活用できれば、建物代、営業権、分包機などの備品代などの初期費用をできるだけ抑えて開業することができます。

中には今まで会社の為に頑張ってくれたから、ということで独立時に店舗ごと譲渡してくれる企業もあるみたいです。

デメリット

1.会社にいなければいけない一定期間が長いときがある。

独立支援制度で独立するには大きく2つのパターンがあると思います。
①その会社の店舗の切り離し
②新規でDrと一緒に開業する

会社で修業を積むために数年はいないといけないと、先ほどお伝えしました。
修行の期間も大事ですが、会社の体制、一緒に開業するDrがいるかどうかも重要になるため、「〇年後に独立する」など自分のタイミングで動き出すことは難しいです。
また、同制度で入社している社員が他に何人いるのかも大事なポイントです。
制度利用したいと考える先輩社員が何人もいれば、自ずと独立のタイミングは後にずれこむことになることでしょう。

2.入社時に契約書を交わしてなかったため、入社時の話と違う。

独立支援制度を利用して入社する際、
「〇年後に独立させる」
「○○店はあと数年で手放すつもりだからそのタイミングで君に譲渡する」
といった口約束で入社を決意される方がいます。

ですが、入社して数年経った後、
「キミはまだ独立には早い」
「○○店はまだ続けることにしたから譲渡はしない」
といった難癖をつけて、独立させないケースも非常に多く見られます。(独立させるさせる詐欺)

「入社当初の話と違う!約束したじゃないか!」と思うかもしれませんが、日本は契約社会なので口約束で終わらせてしまうと自分が痛い目を見ます。(対策は後述)

3.独立後も経営方針に口を挟まれることがある。

せっかく一国一城の主になりたいと思って独立したのに、独立後も独立支援を受けた会社からあれこれ口を挟まれるケースもあります。
(ジェネリックは○○製薬のものを使えと言ってくる、卸の帳合に介入してくる、税理士を指定してくるなど)

また、FCのようにロイヤリティを求められるケースもありますが、
「言う事聞かなければ門前の医師にのところに行って院内処方に戻させるぞ」と脅してきたケースもありました。
院内処方に戻されたら処方箋枚数激減となるため、営業へのダメージは甚大です。

そこまでいくと大袈裟ですが、せっかく独立支援で独立したのに結局言いなりとなり、もはや独立ではないな、というケースもありました。

独立支援を謳っている薬局の見るべきポイント

このように、独立支援制度にはメリットもデメリットもあります。
実際に入社時に言ったことを守る会社もあれば、平気で反故にする会社もあります。

そこで、独立支援制度を有している会社の見極め方をお伝えしたいと思います。

①口約束はNG。きちんと覚書を交わす

口約束はトラブルの元です。言った言わないで後々必ず揉めます。
独立、店舗譲渡といった、お互いに大きな約束を口約束で済まさず、きちんと覚書を交わすようにしましょう。
もし、入社前に覚書作成を渋る、なあなあで濁すような会社であれば入社は見送った方がいいでしょう。

②独立支援制度の利用を考えている先輩社員が何人いるのか確認する

会社側の意見として、まっとうに制度を活用して独立を支援している会社であっても、年に10人独立させる、というのは非常に難しい話です。

つまり、先輩社員が多ければ多いほど自分の独立に時期が遅れます。(先輩社員を追い抜くほどの実力があれば別です)
遅れれば遅れるほど調剤報酬改定の影響を受けたり、自分の理想のタイミングからずれることが往々にしてあります。
そのため、入社面接の際に「独立支援制度を活用したいと考えている先輩社員は何人いますか?」と質問してみてください。
ここで相当数いる会社であれば(もしくはうその回答をしてきたら)、その会社には入社しない(もしくは試用期間中に退職)方がいいでしょう。

まとめ

独立支援制度という名称に惹かれ、独立するという目標を叶えるために入社を検討する方も多いと思います。
ですが、会社からしたら意欲的な社員を集めるための施策にすぎず、
ハナから独立させる気などない会社も見受けられます。

独立して自分の店舗を持つ!という夢を叶えたいのに、気づいたら会社の駒になっていた、ということにならないためにも、独立支援制度を有する会社はよく見極めてほしいなと思います。

この件に限らず、個別に相談したい方はぜひこちらからどうぞ!
ここでは書けないようなことなど色々とアドバイスできるかもしれません。

また、月2回行っているオンラインサロンでは、弊社代表の大道に直接質問もできます。
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最後までお読みいただきありがとうございました!

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