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農業モヤモヤ🤔 色の濃い野菜は発がん性がある?

肉にするなんてかわいそうという話から、牛乳は人が飲むものじゃない等、酪農へのバッシングに比べればかわいい物かも知れないけれど、農業も農薬の害からF1種で不妊になる等まぁまぁ話題は豊富。

その中で、今日とても気になる投稿を見つけたので、一緒に調べてもらえたらうれしいと思ってシェアします。

noteやinstaでもフォローをさせてもらっているタベモノガタリの竹下さんの投稿。

かかりつけ農家の農産物定期便を企画運営されている(お会いしたことはないけど)パワフルで素敵な方とお見受けします。


さて、本題。
色の濃い野菜は硝酸態窒素が多い。
というのは竹下さんだけではなく最近よく聞く話。


現在我が国で生産されている野菜、特に葉菜類の硝酸イオン濃度は
比較的高い傾向にあります ヒトにとって硝酸イオンは摂取する必要はなく、野菜中の硝酸イオン濃度を低く抑えることは、より安心であることは間違いありません。

野菜の硝酸イオン低減化マニュアル 独立行政法人
農業・生物系特定産業技術研究機構
野菜茶業研究所

https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/shousanmanual.pdf


確かになぁと思いつつ、とはいえ土壌検査して不足分だけ肥料入れる普通の栽培してたら良くない?くらいに考えていました。

が、このところ気温が低くなり野菜の色、特にカーボロネロフォルツアとカリーノケールロッソの色が濃くなってきました。ハラペーニョに至ってはアントシアニンが出て緑通り越して黒です。
反対にカリーノケールは肉厚になり色はちょっと薄め。

緑のほうれん草は育てていないので現状の色がわかりませんが、一般的にはこちらも濃く出てくる頃かと。

そもそも
品種によって色の濃淡が違う
という事。
いつもより色が濃いのは品種や生産地域の気温が違う可能性もある。
狭い日本とはいえ、全国一律の気温ではないし、品種もそれぞれ違う。
以下リンク「ホウレンソウの品種および栽培の違いが 加熱後の葉色の保持に与える影響」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/hrj/17/2/17_199/_pdf/-char/ja

それらの気候、品種による違いを知らずに
いつもより色の濃い野菜=硝酸態窒素多め=発がん性=食べない方がいい
にならないで欲しいと思う。

でもチキンな自分は

自分が作ってる野菜…発がん性がある???

カーボロネロとか濃い野菜は危険?


凄く不安になってきました。

いやいや、確かに硝酸態窒素含まれているとはいえ、実際どれくらい含まれていてどれだけ食べると害があるの?

調べました。


食品からの硝酸塩の摂取量

確かに1-6歳児で考えると100gの生ほうれん草で一日のADIを摂取してしまう。
が、「野菜を水洗い、加熱等をした際には、硝酸塩の含有量が減少すると考えられることから、実際の摂取量は、本調査により算定した推定摂取量よりも可能性がある」とも言われている。

では、そもそも畑でそんな発がん性があるものを作らなければ良いのでは?

有機/慣行栽培問わず堆肥や肥料の過剰施肥が原因とされているが、この肥料高騰の時代、過剰投資はなかなかできません。無施肥にすると収量が下がり、狭い畑の都市農家としては死活問題。
通常であれば作目それぞれが必要とするN:P:Kの必要量を土壌検査して何が不足しているかを把握後、全量元肥で育てるか、ちょいちょい追肥で育てるか、作目と栽培スタイルと経営スタイルで変わってくるかと思います。

そこに一つの答えをくれたのが先に引用した独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構の記事

NR活性を高めて硝酸イオンの還元速度を上げ、硝酸イオン濃度を下げるためには、被覆資材の透明度を保つ、遮光はしない、収穫は曇天の次の日はしない、できれば晴天が続いた日の午後に収穫する、施設内の温度を上げすぎない、などが考えられます。

独立行政法人
農業・生物系特定産業技術研究機構
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/shousanmanual.pdf

収穫時における土壌中の肥料成分をできるだけ少なくするために、追肥はな
るべく控え、どうしても必要な場合は早めに施用する、あるいは在圃期間を数日間、品質に影響のない程度長めにする、また、外葉ほど硝酸イオン濃度が高い場合が多いので、収穫時に外葉を若干多めに除去して調整する、などが硝酸イオン濃度を下げるのに有効であることが判りました。

独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/shousanmanual.pdf

そもそも、欧米では確かに硝酸態窒素の規制があるようですが日本にはない、その理由は「野菜を摂取することの利点はよく知られており、硝酸塩の生物学的利用能において野菜がどのような作用を持っているのかは明らかでなく、野菜から摂取する硝酸塩の量をADIと直接比較することや、野菜中の硝酸塩量を限定することは適切ではない」(食品からの硝酸塩の摂取量 農林水産省)
つまり他の栄養素を摂ることの方が重要だからそれほど気にしなくてOK.
(という理解で合ってる?)

農薬もそうだけど、確かに毒性はある。
それは天然の塩も、水も過剰に摂取すれば毒になるのと同じで、量の問題。


以上自力で調べられるところまでをまとめてみました。

竹下さん、考えるきっかけ、調べるきっかけをありがとうございました。
最近マルシェ等直接お客様と対面してお話する機会も増えてきました。
「色の濃い野菜って硝酸態窒素が多いんでしょ?」
まだ言われたことはありませんが、学ばれているお客様にいつか問われた時に自分なりに自信をもって販売し、答えることが出来そうです。
いつか竹下さんとpodcast で対談してみたい…

本記事の結論
日本の野菜の硝酸態窒素は確かに高いが、
消費者は調理法で数値を減らせることができる。
農家は収穫調整時に低減させる工夫ができる。
硝酸態窒素云々より、元々の野菜の栄養素の方が大事だよね。
バランスよく食べましょう。

さて、では硝酸態窒素を出荷前に調べようとした時、計測する機械があります。なんとお値段38,242円。
うーん、頑張って買えなくもない金額。

硝酸態窒素が気になるそこのあなた。ぜひ農家が計測器を購入するサポートしませんか?

以下はエッジの効いた(?)読んでも毒にも薬にもならない個人の感想を有料記事としてオマケでつけます。

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