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センバツ選考について

2022年選抜高校野球の出場校が発表されましたが、
なんと東海地区準優勝の聖隷クリストファー高等学校ではなく大垣日大高校
が選出されるという大波乱がありました。

この件について個人の感想を述べたいと思います。

まず、両校の状況を整理してみましょう。

・聖隷クリストファー高等学校
  【東海大会】
  決勝  3対6  日大三島(静岡1位)
  準決勝 9対8  至学館(愛知2位)
  2回戦 4対3  中京(岐阜1位)
  1回戦 11対4 津田学園(三重3位)
  【県大会】
  決勝  2対7  日大三島(県1位)
  準決勝 2対1  浜松西(県4位)
  4回戦 4対3  静岡市立
  3回戦 2対0  浜松工
  2回戦 12対1 桐陽

・大垣日大高校
  【東海大会】
  準決勝 5対10 日大三島(静岡1位)
  2回戦 3対2  享栄(愛知1位)
  1回戦 7対2  静岡(静岡3位)
  【県大会】
  決勝  0対2  中京(1位)
  準決勝 8対2  県岐阜商(4位)
  4回戦 1対0  帝京大可児
  3回戦 9対2  各務原
  2回戦 9対1  岐阜工
  1回戦 10対0 郡上

以上のように、東海大会では聖隷は準優勝、大垣日大はベスト4で、
直接対決はありません。
同じ高校と対戦している箇所を太字にしています。
日大三島(静岡1位)との対戦成績は甲乙つけがたい印象ですが、
聖隷は中京(岐阜1位)に勝利しています。

両校ともに県2位であり、試合結果から判断すると、どのように屁理屈を並べて大垣日大を推そうと思っても分が悪いことがわかると思います。

もちろん、試合内容なども選考の判断材料なのは承知していますが、
今回の選考には無理があると言わざるおえません。

東海地区選考責任者の鬼嶋一司委員長(元慶応大)は、『聖隷クリストファーは頭とハートを使う高校生らしい野球で、2回戦、準決勝で9回に見事な逆転劇を見せた。立派な戦いぶりでした。個人の力量に勝る大垣日大か、粘り強さの聖隷クリストファーかで選考委員の賛否が分かれましたが、投打に勝る大垣日大を推薦校とします』と語っています。(下リンク引用元)

選考基準において、個人の力量に勝るとはどのような事か理解不能です。
中京高校に対する対戦成績で劣る大垣日大が投打に勝るとはどのような理屈でしょうか?

確かに前評判の高かった享栄(愛知1位)に勝利していますが、
そこまで評価するほど享栄が素晴らしいチームなら、
今回の選考の理屈で言えば、投打で勝る享栄が選ばれるべきです。

享栄との試合も接戦であり、圧倒的に勝っていたとは言い難いと思います。

選抜をめぐっては過去にも微妙な選考はいくつもありましたが、
今回の選考および”説明”は最低レベルといえるでしょう。
決して大垣日大の選手に問題があるわけでも、選手のレベルが低いと考えているのでもありません。
選考委員の質が最低と思っているだけです。

過去にも上位チームと下位チームの逆転選出はありましたが、県大会での成績や同一チームとのスコア内容などで上まわっている事および地域性などが理由として説明され、支持するか否かは別として一定の理解は可能でした。

今回の選考は一切理解不能です。地域性という説明があればまだ理解はできますが、地域性はないという発言があったそうです。

実力で判断するということであれば、2015年の東海大相模は最高クラスの選手が集まっていました。前年夏甲子園出場メンバーも多く残り、投手は小笠原(中日1位)、吉田(オリックス5位)、4番は豊田(2021阪神6位)、3番杉崎(U18代表)とタレントが揃っていました。前評判通りに夏は全国優勝をしましたが、春の選抜には出場していません。なぜなら県大会で平塚学園に敗れて関東大会出場を逃しているからです。この年の東海大相模は秋から夏まで常に全国トップクラスという評判であったと思います。しかし、当たり前ですが選抜には出場していませんし、選考の議論にすらなっていないと思います。ほぼすべての人が、負けたのだから仕方がないと思っていたでしょう。県1位の平学も関東大会2回戦で常総学院(茨城1位)に敗れ、関東枠最後を二松学舎に奪われています。この選考もかなり難しいところはあったと思います。このような時に優勝チームと接戦とか、県で優勝等の要素が議論されるべきです。結果都大会決勝で1点差の二松学舎選出は、平学や東海大甲府にとっては悔しいでしょうが理解できる選考です。

しかし、今回の大垣日大選出は理解不能です。
聖隷クリストファーはエースで4番が東海大会を怪我で欠場し、捕手も怪我したなかでの東海準優勝とききます。怪我して結果が出なかった後で、本来の力ならもっとできたと言い訳するのとは訳が違い、主力に怪我人が出てなお準優勝と結果もだしています。このようなチームワーク、控えでも腐らずに努力し、チャンスを掴むチームづくりこそ高校野球における教育的な目標ではないでしょうか。

最初にニュースを見たときは、なにか不祥事でも起こしたのかと驚きました。もちろんそんな事実はないのですが。
21世紀枠もですが、選考委員には透明性と丁寧な説明を切に願います。
選考委員が高校名や選手、監督を選り好んで主観的に決めているので無理だと思いますけど。
選考委員の選考や高野連という組織と毎日新聞、朝日新聞といった会社との繋がりが高校野球の運営を腐らせていると思います。
高校生には罪はないですが、声を挙げないと絶対に変わらないです。
静岡の高校生の連名で高野連と選考委員に説明を求めるなり、
毎日新聞社に選考委員の選考について説明を求めるなりしないと、
選考委員の天下が続き、野球自体が衰退する原因にもなると思います。

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