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ドルコスト平均法と長期投資は相反か?

初心者向けの説明ではよく見かける3つの言葉がある。
・インデックス
・長期投資
・ドルコスト平均法
その中でも今回注目するのは、長期投資とドルコスト平均法である。

まずはそれぞれの用語から解説しよう。

長期投資とはその名の通り、長期間運用する投資手法のことである。
チャートなどを駆使して、1日で売買の両方を行うデイトレーダーや、
決算などを確認して数ヶ月から数年単位で売買を行う手法に対して、
最低でも数年、ながければ数十年という単位で投資を行い、
基本的には1度買ったら、現金が必要になるまで売らない事が多い。

銘柄選択さえ間違えなければ、日々の価格変動を気にする必要がなく、
長期間での複利利回りを獲得することを目指す手法である。

一方、ドルコスト平均法とは、購入の手法であり、
一定期間ごとに決まった金額を購入する手法である。

例えば、毎月10日にS&P500に連動する投資信託を1万円分購入するなどである。

積立投資などとも呼ばれ、一度に買う一括投資と異なり、
積立購入期間中に価格が上下した際に平均的な価格で購入することができる
というメリットがある。

いわゆる、高値掴みをしなくてすむという訳だ。

長期投資もドルコスト平均法もどちらも筋が通った手法である。
しかし、互いに相反であることも事実である。

ドルコスト平均法では、購入時期を分散するため、
分散した期間が長ければ長いほど、運用期間は短くなる。

例えば6年間に分散した場合、中間点の3年としても一括投資に比べ、
年利5%であれば1.05×1.05×1.05=1.157つまり約15%リターンが劣る。

長期投資とは運用期間が長ければ長いほどよいはずなのに、
ドルコスト平均法では自ら運用期間を短くしてしまうのである。

例え長期投資の期間を50年としても、3年間は誤差の範囲と言うには大きいのではないだろうか。

そもそも、なぜここまでドルコスト平均法がもてはやされているのか?
それは、定期的な給与所得と相性が良いからである。

会社勤めであれば、通常は定期的に給料が入ってくる。
その中から定期的に積み立てるのであれば、
貯金を崩したり、生活や収入源を大きく変えずに手軽に始めやすい。

そもそも、余剰資金がない人にとってはドルコスト平均法を取らざるを得ないという事情があるのだ。

すでに余剰資金がある人にとってはドルコスト平均法が最適とは限らない。
もちろん、購入時が相場の天井の可能性は否定できない。
期間を分散するにしても、分散する期間がどの程度が適正かは個人による。
1年で十分な人もいれば、5年以上に分散した方が良い場合もあるだろう。
これは、現状の生活や今後の収入によって大きく異る部分である。
一概に正解を言う事はできないが、ただ分散しとけば良いというものでは無いことはおわかり頂けたかと思う。

少額の積立投資に対して、
なかには毎月少額投資しても年利なんて数%で意味が無いと言う人がいる。
100万や1000万貯めてから投資しないと意味がないと。

全く持って見当違いである。

それは、我々が行っているのは、日々の資産バランスの適正化であるからです。

例えば、貯金と投資のバランスが30:70が適正と考えた場合、
毎月収入で貯金が増えてしまいます。
そのバランスを取るために、毎月積み立て投資をするのです。
100万円単位で貯まるまで、100:0の割合を維持する意味がありません。

しかも、毎月の積立設定は非常に簡単です。
また、図らずもドルコスト平均法になっています。
この場合のドルコスト平均法は、最大限の長期投資かつドルコスト平均法であり、互いに背反とは言えないと思います。
毎月お給料が入るから、最大限長期間運用しようとすれば、
仕方がなくドルコスト平均法を取らざるを得ないのです。

それでは最後に私自身の期間分散がどの程度かを記載しておきます。

見たい方だけ見てください。
別に私の分散期間を見たところで貴方の得にはならないとおもいますが。

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