フォークボールを落とすコツ

フォークボールは落差を出したい

 以前、分析したところオフスピードボール(フォークやスプリット、チェンジアップなど回転数を落とす球)は基本的に速球との落差が大きい方が空振りを取れる、ボール球を振らせられる、といった投手優位な結果が起こりやすいことがわかった。

 つまり、基本的に投手はフォークボールを投げるときに縦変化を小さくすることが求められる。

挟むだけではうまくいかない?

 フォークボールを投げるためにはまずボールを挟むのが普通だと思います。しかしそれだけではボールがうまく落ちないという人もいるようです。

https://twitter.com/LanginTots13/status/1539700987773849600
挟んで握る例

 このようにただ挟んだだけではうまく落ちてくれない場合は、リリース時に指の腹を巻き込んでいる可能性があります。ドライブラインのアナリスト、Chris Langinがその様子を動画で見せてくれています。

 ただ挟んだグリップでも、中指を投球時に関わらせないことで、部分的に回転数を落とすことができます。しかし、このグリップでは人差し指は大きく関与しており、(動画を見るとリリース時に人差し指がボールに残っているのがわかります)落差を阻害するバックスピンと高い回転効率をもたらします。そのため大きな落差を産み出すことはできません。

人差し指を巻き込んで握る

 Chris Langinはその対抗策としてボールを握る際に人差し指(もしくは人差し指と中指の両方)を巻き込んだ握りにすることを提案しています。

https://twitter.com/LanginTots13/status/1539701031646289920

 このように巻き込んで握ることにより、リリースの際に人差し指の腹をリリース時に巻き込むことを防ぐことができます。

 動画で見てみても、あらかじめ指を巻き込んだ握りはリリース時に人差し指がボールに残らないことがわかります。

 両者の比較動画を見てみましょう。

指先を巻き込まない握り
回転数 1251
回転軸 12:45
縦変化 42cm(重力のみの影響を受けたボールより42cmライズする)

指先を巻き込んだ握り
回転数 844
回転軸 2:15
縦変化 5cm(重力のみの影響を受けたボールより5cmしかライズしない)

 指先を巻き込んだ場合は回転数が大きく低下し、回転軸が横に傾き、落差が大きくなっていることがわかります。

まとめ

・フォークボールは落差があると空振りを取れる、ボール球を振らせやすいなど投手優位になる。
・ただ挟むだけでも回転数はある程度落ちるが、リリース時に人差し指が残り、バックスピンや回転効率が高まって落ちにくい。
・その対抗策として人差し指を巻き込む形で握っておけば、人差し指が残らず大きく回転数を落とせ、落差を出しやすい。

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