実母のこと
昨日は義母だったから今日は実母。
実母もなかなかぶっ飛んでいる。
つまり、だいぶおもしろい。
人恋しいのに人嫌い
母は、苦労人である。
若くして父(私からして祖父)を亡くし、夫を亡くしたり、再婚したりと波瀾万丈である。
そのせいなのか、義母とは正反対で、思ったことを口にするというより、相手が嫌だと思うくらいなら自分が我慢すればいい、と思ってじっと黙っているタイプである。
人の痛みに敏感でス〜と心に入り込む。かと思えば、相手が心を許してきたら、自分の心はピッシャーンと閉じて、距離を取る。
相当なツンデレばあさんである。
とりあえず、人が得意ではないようで、犬と子供だけには心を許しているように見える。
優しすぎるハートの持ち主。
武勇伝がすごい
とはいえ、人生へこたれていないのが母のすごいところで、いろんな爆笑ネタを持っている。
部屋の模様替えしたのを忘れて夜トイレに行こうとしてタンスに激突。全治2週間。
家族でキャンプに行けば、歯磨き粉と間違えて、なぜか靴磨きで歯を磨いたり。
オートロックで家から締め出され、着の身着のまま近所を徘徊してたり。
書ききれないほどいろんなことがあったけど、そういうことを包み隠さずいられるところが、母の魅力でもある。
辛いことも失敗も人一倍。
だからきっと人に優しくいられるのだろう。
老後の暮らし
体がもともと強くはないので、日々たくさんの薬を飲んだり、寝込んだりしているのに、頑固として「大丈夫。なんとかなる」という母。
親が歳をとっていくのを見るのは寂しいし、どこか信じがたい。
この先が短くなっていく中で、人生で悔いもあるんだろうか。もっとこんなことしたかったと思うのか、逆にもう十分頑張ったから、あっちの世界で会いたい人に会いたいなと思ってるのか。
母世代の人たちの人生に興味がある。
他人事と思っていても、私もおばさんという歳になり、自分もいつか母たちがいる場所に立つ日が来るということがわかるようになった。
尊敬する上司が、
「人は生まれた環境も立場も選べないし、病気する人もいればずっと元気な人もいて、全然平等じゃないけど、時間だけはみんなおなじ。」
と言っていた言葉を時々思い出す。
時間をかけること。
時間を貯めること。
歳をとるって、それをやってきた人たち。
その時間を先輩方にいつか覗き見させていただきたい。