【日本ハム】外国人野手と抑え伊藤と4回2失点【2022年への提言】

 『2022年への提言』と題してお送りするシリーズ企画。チーム強化への秘策を3つに絞ってご紹介する。今回は北海道日本ハムファイターズ編。

2021年の振り返り

 チーム得点・本塁打はリーグ最下位(12球団中11位)で、攻撃力不足が際立った1年。中田翔の追放、西川遥輝・大田泰示の自由契約と、球団はスクラップ&ビルドを押し進めている。
 一方、投手陣は尻上がりに調子を上げ、先発・リリーフとも一定の成績を残した。ただ層の薄さは変わらず、怪我人次第で一気にコケる脆さを秘めている。

提言①:外国人野手をあと2人獲ろう

 シーズン中にも書いた通り、私はもともとスクラップ推進派なので、3名のノンテンダーは諸手を挙げて賛成したい。最近は丸くなっている感があったが、常識に囚われないドラスティックな経営こそ日本ハムの真骨頂だ。チームを生まれ変わらせようという姿勢は素直に評価したい。

 ただ、一方的に売るだけではいけない。浮いた枠と資金を使って、次なる手を打たなければならない。それが外国人野手の補強だ。現在ファイターズには新規契約のヌニエス、契約延長の王柏融がいるが、少なくともあと2人は欲しい。新庄ビッグボスも「3点取られたら4点取る野球」を標榜しているので、まずは雑に打てる外国人を集めたい。

提言②:伊藤大海の抑え転向を

 堀瑞輝、ロドリゲス、杉浦稔大の勝ちパターンは数少ないストロングポイントのひとつであった。しかし杉浦については54.1イニングで被本塁打9本と、安定感を問う声も多かった。奪三振率の高さは魅力的ではあるのだが、調子の波が激しい投手に抑えは難しい。個人的には20年シーズンのように間隔を空けて先発させるか、ショートスターターのような使い方が望ましいのではないかと思う。

 では誰を抑えにするか?
 私は伊藤大海一択だと思う。今季は先発として146イニング投げて防御率2.90の好成績を残したが、代表チームではずっとリリーフを務めている。被本塁打率も0.49(杉浦は1.48)と安定感があり、抑え投手への適性は疑いの余地はない。
 何より伊藤は、今のファイターズでは上沢直之に次ぐ"エースの匂い"がする投手だ。杉浦も、また井口和朋も玉井大翔も、確かに良い投手ではあるが、チームの柱たるエースになれるかと言われると疑問符が付く。「お前でダメなら仕方ない」と思える投手でなければ、抑えの重責は果たせないのではなかろうか。

 ついでに、と言ったら申し訳ないが、河野竜生の使い方も考えたい。終盤は先発に回ったものの、防御率で見ればリリーフの適性の方が高いので(先発4.42、中継ぎ0.29)なるべく短いイニングで使ってあげたい。彼も杉浦と同じような形で、第二先発かショートスターターをお願いしてはどうか。

抑え    :伊藤大海
セットアップ:堀 瑞輝 ロドリゲス
ワンポイント:宮西尚生 鈴木健矢
第二先発  :杉浦稔大 河野竜生
ビハインド :西村天裕 玉井大翔 井口和朋

 ここまで磐石のリリーフ陣を組めれば、何人か怪我しても充分戦っていけるだろう。先発を手薄にしては本末転倒なのでは?という意見もあるかと思うが、個人的にはチームのウリを明確にするのは大切なことだと思う。先発もそこそこ、中継ぎもそこそこのチームではなく、「ウチはリリーフに自信がある。リリーフで勝つチームだ」と組織の軸を明確にすることは、全員が同じ方向を向いて戦う上でとても大事なのではなかろうか。

提言③:先発の補強を

 伊藤をリリーフに回すと、計算できる先発は3名(上沢直之・加藤貴之・バーヘイゲンor新外国人)だけで、ここに立野和明や池田隆英、生田目翼が続く形となる。ただこれでは先述の通り人手が足りないので、2人ぐらいはトレード補強したいところだ。

 出血覚悟であれば、中日・福谷浩司を狙いたい。開幕投手を任された今季は5勝10敗、防御率4.53と不本意な成績に終わり、終盤は怪我でローテを外れた。若手投手の台頭を鑑みれば、けして出せない選手ではないと思われる。
 交換相手だが渡邉諒はどうだろう。当て馬のように社会人内野手を2名獲り、さらに秋季キャンプでは三塁を練習させるなど、フロントは二塁手としての能力に疑問符を付けているように見える。ただ打力には光るものがあるので、長打力不足の中日なら応じてくれるのではなかろうか。

 もう少し安く済ますなら楽天・石橋良太はどうか。先発陣の堅調もあってなかなか出番に恵まれなかったが、良くも悪くも波がなく、4回1~2失点をチョコチョコこなしてくれる実力はある。今のハムならこのクオリティでも大助かりだろう。
 交換相手には中島卓也を推したい。117打席でOPS.461ではレギュラーは厳しいが、現状控えとしての使い勝手も杉谷拳士・谷内亮太の後塵を拝している。一方、楽天は控え内野手の層が薄いので、平均以上にショートを守れる中島は重宝がられる事だろう。

 他にも阪神・二保旭、ソフトバンク・大竹耕太郎などが候補に上がるか。吉田輝星や望月大希にも期待したいところではあるが、やはりもう少し中堅を厚くした方が戦いやすいだろう。

まとめ

 稲葉新庄体制になったからといって、球団のカラーは変わらない。不文律を堂々と破り、聞き慣れない横文字を楯に主力を解雇する厚顔無恥さこそ、日本ハム球団の本質だ。こんなネットの片隅の湿気た予想など、一瞬で吹き飛ばすほどの一手を、これからも期待したい。

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