【楽天】楽天ファイヤーセェェェル【2025年への提言】
どの球団のファンでもない筆者が、なるべくフラットな目線で、来季への展望を好き勝手提言する恒例企画。今回は東北楽天ゴールデンイーグルス編。
なお本稿の執筆は原則レギュラーシーズン終了時(10/9)より前で、ドラフトを含めたオフシーズンが動き出す前の情報をもとにしていることをご了承いただきたい。
課題
▼一軍(短期的)課題
①先発が足りない
防御率6点台のポンセが12試合も先発するほど、とにかく人が足りない。新顔が2〜3人は欲しい。
②右打ちの外野手が足りない
支配下の右打ち外野手が来季22歳の吉野/前田の2人しかおらず、阿部寿樹や伊藤裕季也がレフトに回るシーンも目立った。新顔が2〜3人は欲しい。
▼二軍(長期的)課題
①期待の若手が少ない(右投手)
先発も中継ぎも20代後半の右ピッチャーがあまり機能しておらず、ファームの先発と敗戦処理に終始している。この世代を多少整理した上で、有望株を揃えたい。
②期待の若手が少ない(二遊間)
ファームでは黒川/入江がメインを張っているものの、守備力を疑問視する声もある。彼らの未来図をどう描くかが編成上のカギとなりそう。
③期待の若手が少ない(一塁三塁)
伊藤裕季也(来季29歳)から青野(来季20歳)まで、そもそも人がいない。誰かしら欲しい。
④期待の若手が少ない(捕手)
支配下最年少は来季26歳の安田石原。育成には1つ下の学年の水上江川がいるが、2人ともファームでOPS.600未満。若手有望株が欲しい。
今オフへの提言
▼ドラフト
去年は支配下9人指名したが、今年も同程度の人数を指名したい。入札は何と言っても宗山塁だ。彼が穫れれば二遊間はしばらく悩まなくていいし、入江のサード、黒川のファーストコンバートも現実味を帯びてくる(二軍②/③)。宗山の抽選に外れた場合でも、即戦力二遊間は必ず確保したい。
あとはなるべく良い順位で即戦力投手を獲り(一軍②/二軍①)、高卒ショートを獲り(二軍②)、下位〜育成で高卒捕手を獲りたい(二軍④)。色々書いたが、とにかくたくさん獲って、粛々と補強ポイントを埋めていこう。
▼FA
多分金がないので獲得は厳しいだろう。大物を1人穫るよりは、1億円くらいの外国人を5〜6人揃える体制を作った方が良いと思う。
流出する方については、島内と岡島はノンテンダーで良いのではないか。2人とも功労者ではあるが、今の外野陣で正直使いどころは難しいし、代打の需要が高いセ・リーグの方が出番はあると思う。
▼新外国人
宋家豪以外は基本リリースとして、まずは右打ち外野手を獲ろう(一軍②)。オススメはニック・ソラックだ。今季AAAで打率.304/出塁率.391を記録したコンタクトヒッターで、マイナー通算1719イニング/守備率.997のレフト守備も堅実さが光る。本塁打や盗塁の数は控えめだが、モンテスやヘルナンデスの成功を見るに、こういうアベレージ型の方が今のNPBには合っているように思う。
同じタイプではクーパー・ハンメルも候補か。ソラックと同じ巧打・高出塁率タイプで、彼の方が盗塁技術とユーティリティ性に優れている一方、守備は若干粗い。ただ2人ともここ数年MLBでの実績に乏しく、1億円前後で買えそうなのも魅力だ。
出来れば2人とも獲得して、その上であとは先発を3人ほど獲りたいところだ(一軍①)。ただ昨今の球団事情を知る方からすれば「オイオイそんなお金がどこにあるんだ?」と思うかも知れない。
そこで、金欠の楽天球団に私が一番オススメしたい策を次に記載する。
▼トレード
金欠で再建期のイーグルスに推奨したい一手、それは浅村栄斗の無償トレードだ。チームの主砲であることに疑いはないが、5億円とも言われる年俸は今の楽天には正直厳しい。26年シーズンまで契約が残っているものの、たとえば残り2年10億のうち3〜4億を楽天球団が負担するような形であれば、応じてくれる球団はあると思う。
最右翼は古巣・西武か。一塁/三塁/DHが全部空いている事、興行的にも盛り上がりそうな事を考えれば、考えてくれる可能性はある。同じく中軸の足りない広島・オリックスなども候補だろう。
重ねてだが、浅村という野球選手の価値を否定するつもりはない。ただOPS.740の三塁手に5億円支払う事と、彼を放出することで得た資金を補強に回す事のどちらが有益かと言われれば、私は後者に分があると思っている。
▼その他
古賀と王彦程は支配下に上げてもいいと思う。2人とも若い左腕で、ローテの谷間争いに加わってくれるはずだ。
また楽天球団に限った話ではないが、二軍戦でベテランをあまり使わない方がいいと思う。主力の調整ならまだしも、一軍に上がったとしても代打代走がメインの人間や、半ば構想外になった選手をスタメンで使いまくるのは、若者たちの機会損失でしかない。
こんな感じで、常にフェニックスリーグだと思って運用するべきだし、その運用が成り立つように、然るべき人数の若者を集めるべきだ。
まとめ
今江監督の契約を破棄する報道が聞こえている。現場からの不満が高まっているという説もあるが、その批判は今江氏本人ではなく「今江敏晃を監督にした人」に向けられるべきだと思う。老獪な采配を求めるなら、広岡達朗でも呼んでくればいい話だ。平石洋介もそうだが、若いリーダー候補を感情的にポイ捨てして、その先に明るい未来があるとは思えない。さながら三國志で国が滅ぶ時の逸話をなぞっているようだ。
来季の躍進に必要なのは監督を挿げ替える事ではなく、チームのウィークポイントを埋める外国人を過不足なく用意する事だと思う。そのためには身を切る覚悟で金策するべきだし、石井政権の主力たちにサヨナラを言う覚悟が必要だ。過渡期のチームほど、情に流されない判断を期待したい。
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