📒誰かの背を押す文を書く。銃口を自分に向けながら。

自然と、自分を肯定してくれる文章を探している。私はいつでもそうだった。

人は大抵、自分を肯定してくれる人についていく。そりゃそうだ。否定されてぐちゃぐちゃになってまで、仲良くしたい者なんていない。それは私に限らず、多くの人がそう思うだろう。

最近ようやく本を読むようになった。遅すぎるくらいだ。書店で選ぶ際も、自分の背中を押してくれるようなものを自然と手に取っている。

背中を押すと一言でいっても、様々な種類がある。考え方、なりたい職業、夢を掴む方法など多岐にわたる。よほどのもの好きでない限り、自分と真逆のジャンルの書籍は手に取らないだろう(怖いものみたさと視野を広げるためにたまにはやるだろうけど)。

私も自然と『誰か』に向けて文章を書いている。具体的な人物がいる場合もあれば、自分と似たような思考の人。はたまた真逆の考えを持つ人。いずれにせよ、誰か宛のメッセージであることは変わらない。

そんなときに、ああ読んでよかったと思ってもらえる文章であったらいいなと思っている。もちろんそれに向けて気合いを入れているわけではない。私の性分を踏まえて、力を注ぎすぎると、本末転倒の結果になりかねないからだ。その中で、読み終わった後にすっきりしたらいいなと願っている。

気を付けていることは、常に自分に銃口を向けること。そんなこといっても、自分もだよと注意喚起を欠かさない。相手を打ち負かすような物言いをしても、必ず自分に返ってくる。強い言葉も、優しい言葉も。言葉というもの自体の力を知っているからこそ、自分への影響を頭に入れている。

人に助けられているからこそ、誰かを励ましたい。
言葉の力を知っているからこそ、誰かの背中を押していきたい。

人に恵まれて、私はここまでやってきた。何者にもなれない私だけれど、何不自由なく挑戦ができるのは温かくて強い言葉に押されてきたから。だから私も、誰かの力になりたいと思っている。

私は基本的に『内向的』な人間だ。自分でも信じることができなかったのだけれど、人間関係の煩わしさにしばしば疲弊することがある。人が嫌いなわけではない。話すこともなんなくこなせるし、人の集まりだって嫌いではない。しかし、どっと疲れるのだ。

もともと群れるのが好きな性格ではなかった。一人でいても別に何も怖くなかった。それは、本当の自分を知ってくれている誰かが側にいるからだ。だからこそ今もこうして、自由にものを書くことができるのだと思う。

自分の活動は、多くの人と触れ合う機会が多い。だからこそたくさんのチャンスに恵まれたというのもある。ただ、その時間がウェイトを占めるようになると、途端に自分のペースが保てなくなる。それが疲弊の原因だ。

理解してくれる存在があるからこそ、幸いにも大事にならずに今も好きなことを続けられている。皆さんはどうだろうか。

米ラッパーKanye Westのアルバムに『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』という作品がある。日本語訳にすると、美しくも捻くれた我が幻想とでもいえるだろうか。なかなかに彼も難しい思想を持っているが、輝きの中に孤独があることが理解できる。人は皆そうした部分があるのではないか。

話はそれた。

夜中に自信を喪失したとき、どうにでもなると手を差し伸べられる場所でありたい。私の活動を残しつつ、そうした人間『らしさ』を綴っていければと思う。

もちろんいつでも『自分はどうか』を念頭に置いて。

これからもたくさんのメッセージを届けられるようにと願って。