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【少年野球】野球は本当に楽しいスポーツか?

 ジャニーズ問題に続き、宝塚でも「いじめ」があったのではという報道がなされている。大切な命がひとつ失われ、これまでは「芸能界とはそういうもの」というひと言で黙認されてきた悪しき伝統にあちらこちらでメスが入れられようとしている。スポーツ界にもすでにその流れは波及しているが、野球界・・・もちろん少年野球(学童野球)の世界でもそれはさらに広がってゆくだろう。
 
  この問題について私はこれまで様々な観点から持論を述べてきた。私の過去の記事を読んでいただければ全て書いてあるので是非お読みいただきたい。
 もちろん、そこに記した考えは今も変わっていないのだが、最近ふと、立ち返るべきは「野球とは本当に楽しいスポーツなのか」という根本的な問いなのかもしれないと思うようになった。

 野球というのは選手同士が「ポジション争い」をすることでチームとして強くなることが前提のスポーツだ。しかしその「ポジション争い」という概念がもう古い。プロはともかく学童野球においては特に、子どもたちを競わせ、その上澄みだけをすくって強いチームを作ろうとすることがすでに時代に合わなくなってきている。
 
なぜならポジション争いに負けた子は単純に「つまらない」のだ。毎週末ただベンチで応援しているだけでボールに触れる時間はごくわずか。野球というスポーツの当事者として戦っているとは言えない時間を長々と過ごすことになる。
 しかし試合に出ていても、一試合フル出場したのに守備位置にボールが一球も飛んでこなかったということも決して珍しくないのが野球だ。その子は試合中のほとんどの時間、たいした緊張感もなくただグラウンドに立っているだけだ。これも野球というスポーツの当事者として戦っているとは言いがたく、本当に「つまらない」。

 「そうはいっても野球には打席があるじゃないか」と言う人もいるだろうが、学童野球はピッチャーが全てだ。相手のコントロールが悪ければフォアボールの嵐。無理矢理バットを振れば監督に怒られるから、ただ打席で自分の頭上や背中を通過する球を避けている(笑)なんてこともザラだ。しかもその打席は一試合で3回程度しか回ってこない。非常に「つまらない」

 もちろんこうした問題は野球に限ったことではない。サッカーだってボールに全く絡めない選手もいるし、控えで声を出しているだけの選手もいる。チームスポーツにはそういう側面が必ずある。「チームスポーツは活躍している選手以外はつまらいないものだ」ということが当たり前だと思われてきた。
 だとしたら、チームスポーツそれ自体がもう時代に合わなくなってきているのだ。特に学童期のチームスポーツのあり方については見直しの時期が来ているのだろう。ルール改正も含めてこの点を柔軟に考えていかなければ、たくさんの楽しみがあるこの時代に「チームスポーツ」は、「野球」は、選ばれなくなるだろう。
  
 

 

 
 
  

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