見出し画像

学生インターン東南アジアでホテル経営#Ep.9 死にかけたホテルを救え!? 〜怒り新党〜


あれ以来、裸の王様と話していない。話したくないみたいだ。
彼の側近でいつも座ってスマホいじっている親戚は最近いつもくっついて回っている。王様の相談相手は彼だけのようだ。


裸の王様は良い人だ。
彼はもともとインディアンレストランのシェフで彼の3店舗あるレストランのメニュー全ては彼が作ったという。
正直にいうと、美味しい。
3週間弱、カレーとナンが主食だったが、それでも全然平気だった。


毎日3食こんな感じ。
最近汗をかくと、
スパイスの香りを放ってきてるかな?と感じるようになってきた(笑)


シェフとして話す彼は自信に満ちあふれて、生き生きしている。
だが、彼はシェフの域を出るべきではなかった。

なぜホテルを始めたのか?と聞くと、
レストランで成功して結構なポケットマネーができたから手を出した、らしい。


現状、彼への家臣からの信頼は皆無だ。普段は気象の穏やかな彼らでも、バングラディッシュだったら、、、fight!!!!!なんて激しいことを言うスタッフもいる。

でも、勝手に飛び出して出ていっても生きていけないから、仕方なく従っている。ビザ、航空券、帰国後の働き先etc…


だがスタッフからの情報だけでは判断しない。
オーナーの言い分も聞かなければ。
よくありがちだが、この2つのポジションはお互いに正しく、
お互いに間違っているということが多々ある。と思う(笑)


とりあえず彼が何を考えているのか、知らなければならない。情報が少なすぎる。

でもどこよ。どこ行ったのよ。ホテルにもレストランにもいないよ。
仕方がないから待つよ。



夜、ようやく彼が売り上げの計算に来た。

カイト
「オーナーさん、いつ話は決まるんですか?」

ホテルオーナー
「来週の月曜日だ」

カイト
「ok。
話は変わりますが、命令系統をはっきりさせましょう。
あなたと私の指示が違えばスタッフは混乱します。
オーナー→カイト→スタッフにしましょう。
もしスタッフに何か言いたいことやしてほしいことがあれば、
まずはじめに私に言ってください。」

ホテルオーナー
「わかった。全て任せるからやってくれ。」



来週かあ。それまで何しようかなあ。決まるまで何もしないでくれって言われてるしなあ。
とりあえず、モチベーションだだ下がりのスタッフの気分でも上げておくか。
普段の業務をさせたくても、
モチベーションがなきゃ仕事もへったくれもないからな。


翌日、
任せていた清掃業務とベッドメイキングをまた自分も一緒に始めることにした。
一応彼らの上司が働いているので、彼らは働かないわけにはいかないと思ったのか、
しぶしぶ一緒にやってくれた。ヘっへ〜😎
やっぱり一緒に汗を流して働くのは楽しい。


そのまた翌日、
彼らは自分から今まで教えた業務をやってくれていた。えらいぞ〜😆
徐々にスタッフからの信頼も取り戻してきた。笑顔も戻ってきた。

自分がすべきことは、ホテルのリノベーション、スタッフのマネジメント。
リノベーションまではいかなくても、
スタンダードの部屋までもっていけなくても、
ペンキを塗れなくても、
壁を拭いてほうきで掃いて綺麗にすることはできる。
そうスタッフに指示を出す。


が、


翌日、指示通りに動いてなかった。

それどころか部屋の掃除もせずに、
綺麗にするために部屋の外に出しておいたベッドや取り外した汚いままの網戸などをもとに戻していた。

カイト
「何しているんだ!まだ汚いまんまじゃないか!なんで昨日指示したことを
ちゃんとしないんだ!」

スタッフ
「・・・・・あなたの命令とオーナーの命令が全然違う!
ボス、あなたは綺麗にしろって言った。でもオーナーはしないでさっさと
もとに戻せと言っている。オーナーと話をして、確認してから来い!!!」

カイト
「何が正しくて、何が間違っているか考えて行動しろ!」

スタッフ
「(無視無視。)」


怒りで爆発しそうになりながら、レストランにいるオーナーの元へ。

カイト
「なんで『全て任せる』って言っておきながら、
あなたが勝手に自分に相談もなしに、スタッフに指示を出すんですか!
あなたの考えがわからないとスタッフをまとめることもできない!!!」

ホテルオーナー
「今は、もとに戻すだけでいい。」


彼が城主だ。従うほかない。文句を言いたかったが、言っても仕方がない。
落ち着いて考える。彼の望みを先にこなしてから、自分のことをすればいい・・


怒りを原動力に、トロトロ片付けているスタッフと一緒に片付ける。

半日で終わった。
おそらくスタッフだけでやっていたら、2日はかかっただろう。
やっぱり自分が現場で指示を出しながら、進めたほうが速い。

カイト
「明日からは、指示通りに動いてもらうからな」


若干、暴君気味かな、。
と思いながらも、自分が客観的に見て正しいことをしようとしている、もしくは合理的であると思ったら、鬼にでも…。鬼にはならないかな。
自分で言うのもあれだけど、結構冷酷非情にはなるかも、笑。


翌日、ホテルオーナーに話をつけに行く。

カイト
「あなたの言った通りに、部屋を元どおりにしました。
彼らは本当によく働きます。言えばちゃんとやってくれます。
では、部屋を綺麗にすることを続けてもいいですか?」

ホテルオーナー
「ダメだ。決まるまで待ってくれ。それに君は彼らのことをわかってない。
彼らは不誠実だ。彼らは言っても聞かないし、
勤務時間が終わればお客さんがいようと御構い無し。
結局全て私がやっている。
寝るところも、朝昼晩のまかないも準備してやっている。
なのに、やつらときたら、給料くれだの、契約金早く払えだの。全く不誠実だ。
君はまだ若いから経験がないだろうけど、
私は今までいろんな人を見てきたからわかる。」


カチンときた。

カイト
「“若いから、経験がないからわからない”?
そんなことをおっしゃるのであれば、私はここにいる意味がない。
今すぐ帰らせていただきますよ。
あなたは勤務時間外で彼らに頼んでも動いてくれないと言った。
私が頼んだら彼らは手伝ってくれますよ?
それに彼らの契約金を支払っていないのですよね?」

ホテルオーナー
「・・・契約した時は、ポケットマネーがたくさんあったが、
ホテルが赤字続きで払えていない、、。」

カイト
「…..」

ホテルオーナー
「だが君が来てからはだいぶ楽になった。感謝している。」


彼は悪い人ではない。
が、スタッフのことを全然わかっていない。
自分はスタッフと向き合い、彼らの話を聞き、一緒になって業務をしてきた。
だからオーナーよりも彼らのことをわかっているつもりだ。


感情的にならない。落ち着け、落ち着け。自分に言い聞かせる。

カイト
「彼らはただ知らないだけなんです。
何が正しくて、何がいけないのか。どういう風に働けばいいのか。
それを教えてあげるのもマネージャーとしての仕事だと思っています。
もちろん、反抗はしてきます。
なんでこんなことしなきゃいけないんだってね(笑)
でも、何度も何度も彼らが納得するまで言って聞かせます。
やって見せます。
少しずつですが、彼らは変わり始めています。」

ホテルオーナー
「・・・わかった。君に任せる。だけど、建物のオーナーと話がつくまで待っていてくれ」

カイト
「わかりました。ありがとうございます」

今日は疲れた。
いや特別何かしているわけじゃないんだけど。
人と話して、説得して。
全く若くて経験がないから、人を見る目がないだって?なめてもらっちゃ困るね。
若いってだけで、何かを決めつけられちゃあ、何もできやしないじゃないか。
まったく、失礼しちゃうね。

と思うような1日でした。
おしま..

to be continued👊💢

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?