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ゲーム依存のパートナーと別れた話

彼と別れた。
きっと本人は認めていないけど、私からすれば、彼は立派なゲーム依存症だった。

これを読んだ人はきっと「え、何でそんなのと付き合ってたの」と思うだろう。

それはね、

しょうがないよね、それでも好きだったんだから。


まあ結局大嫌いに転じたので、そこのところに文句つけたくなる気持ちはぐっとこらえてほしい。


付き合って別れるまでダイジェスト

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3X歳会社員。趣味はゲーム、オンライン対戦ゲーム、あとスマホゲーム。

私には夢があり、仕事を掛け持ちでしていたので、会うのはまばらだった。

彼は会う度に、首にはイヤホン、片手にスマホ...といった出で立ちで登場し、待ち合わせ場所にいるときの彼は大抵スマホを横に持って、猫背で壁にもたれていた。

レストランの待ち時間もスマホをポチポチ、何なら食べながらポチポチ(これは注意してやめさせた)。人通りの少ない道なら、歩きながらポチポチ。トイレにも欠かさずスマホを持っていく。
何をしているのかと聞けば、当時CMなんかもばんばん出ていた人気ソーシャルゲームだという。

彼の家に行けば、夕飯が終わると、彼は私そっちのけで自室のローボードに置いたゲーム機に向かい始める。
話しかけても生返事で、次に振り返るのは、「風呂入ってくれば?」か「そろそろ寝るか」という時だけ。

最初こそ隣で「あのお〜、私がいるんですけど〜」とアピールしつつ見守っていたが、彼はゲームをするという習慣が身体に染み付いてしまっているのか、横にいるこちらに次第に限界が来る。

私なんで今ここにいるんだろう。
今日仕事入れればよかったな。

そう漏らすと、彼は一瞬振り返って、でも手はコントローラから離さずにこう答えた。


「え?俺は隣にお前がいるだけで幸せだけど?アーッ!クソ、やられた!」


いや、誰もお前の幸せの話なんかしてねえよ。

私は彼と会わない言い訳を探し始め、仕事が軌道に乗り始めた頃に別れを告げた。

彼は最初こそ、涙鼻水をだらだら流して別れたくない〜とごねていたけど、ゲームのことを突っ込むと「俺にとってゲームの価値は上位で、たかがゲームと思っているお前とは違う」みたいなことを言っていたような記憶がある。


そんなに楽しいの?

一度聞いてみたことがある。「なんでそんなにかじりつくの?そんなに楽しいのなら、私もやろうかな?」と。

しかし本人からは、そこまで楽しいわけではない、暇つぶしでしかない、むしろたまに苦しいだけの時があるよwと意味不明な回答が返ってきた。

え、楽しくないのにやってるの?

そんな、めっちゃ楽しい、ヒャッハー!とか思ってやってるわけじゃない。毎日のルーチンで仕方なくやってるって感じ、クソしょーもないクエストでもやらなきゃアイテムが貰えないから、それこそしょうがなく続ける

暇つぶしって、暇ができた時の穴埋めのことだよね?
むしろ、すべての時間をゲームに吸われてるように見えるけど?

お前から見える、その「すべての時間」が俺にとって「暇な時間」なだけ。暇を何にどう使うかは俺の勝手じゃね?てか、何?じゃあ俺がゲームやめてお前にべったり張り付いてればいいわけ?

そういう意味じゃないけど...苦しいだけなのにアイテムが貰えるからやめられないの?そのアイテムってそんなに大事なの?

大事だね。1日でもこなさないとカウント切れちゃうから。俺だってそこまで毎日やりたいわけじゃない、でもシステム的にそうなってるから仕方ないだろ。てか、やっぱ俺がゲームやめてお前にべったり張り付いてればいいわけ?


うんざりして、色々とネットを調べているとこんなワードが出てきた。

「ゲーム障害」


ゲーム障害ってなに?

WHOによると、下記の症状が12ヶ月以上続いた場合、「ゲーム障害」と診断されるそう。

・ゲームを行いたいという衝動が抑えられない
・日常生活の何よりもゲームを優先する
・仕事や学業、健康等に支障をきたしても、ゲームが止められない
・ゲームを継続することで、個人、家族、社会、学習、仕事などに重大な問題が生じる


じゃあ彼はゲーム障害なのか?

これは結論から言うと、「わからない」。

なぜなら、本人は

「ゲームを行いたいという衝動?大丈夫大丈夫!抑えられてる!」
「日常生活の何より優先?いやいや、飯とか普通に食うしw」
「支障なんかないっすわ、仕事も皆勤だし趣味の範囲っしょ」

と言っていたからだ。

だが、私から見れば彼は暇さえあればゲームし、そのゲームのシステムのせい(自称)でやめられず、時には明け方まで遊んでフラフラになりながら会社に行き、あまつさえ私という彼女に「ゲームしすぎ」が理由で振られている。
人間関係が破綻することは「重大な問題」には値しないんだろうか。

少なくとも私には、彼が人として魅力的にも、かっこ良くも、愛らしくも見えなかった。

別れてから思うこと

たとえばもし、彼女側も同じようにゲーマーならば、お互いがゲームにかじりつくことでバランスが取れたんだろうか?と考えたこともある。

実際に彼は「俺のフレンドのXXXって人、嫁とパーティ組んでボス倒してるんだってさ。嫁公認でオフ会行ったりとか。いいな〜、ダンジョン行く時間合わせやすいじゃん」と言っていたし。

だが、いつか結婚し、子供が生まれ、子育てをするなら、女はいずれゲーム機から手を放し、小さな子どもを腕に抱く時がやってくる。
もし「ああ、ゲームしたいなあ」と思っても、あの彼と同じペースでするなら、ママーとすがりついてくる我が子を無視したり、おむつがパンパンになってもほったらかすことになるはずで。

ところが男性なら、女が家事や育児をしてくれる限り、無限にゲーマー生活を維持できてしまう

実際にこういう男性、すごく多い気がする。
赤ちゃん載せた買い物カートを押す奥さんの後ろをスマホ横持ちでついていく男、お前だよお前。

彼のおかげで「ゲームが趣味」という人には警戒するようになってしまったけど、それが功を奏して、今はとても素敵な最高のパートナーに恵まれたのでよかったなあとおもいます。(小学生並みの感想)

あとがき

「さっき買い物に行ったらね、スーパーの前にチワワが2匹繋がれてたのよ。私にぴょんぴょんしてきて、でも勝手に触るわけにいかないし、でも知らない人にいたずらされたり、さらわれないか...って心配になっちゃった」

「そういう飼い主いるよね。俺はココ(愛犬の名前)を繋いでスーパーとかコンビニとか、無理だな。それに、犬苦手な人は出入り口に犬がいるの、怖いよね。俺だって、ピットブル(闘犬)が繋がれてたら身構えるもん」

私たちは今、夕飯どきにこんな会話をしながら食事をとっている。

きっと元カレなら、「ふーん。まあ大丈夫っしょ。」で会話終了し、自分だけ早々に食べ終わって、箸を置くと同時にスマホを手にしていただろう。

なんでもない些細な出来事を共有したり、意見を聞いたり、話したりできることが、そして「自分の好きな人とは、それができるのが普通」ということが、どれだけ幸せか噛み締めている。

もちろん忙しくてそれが出来ない時もあるけれど、小さな報告や相談事、それが無ければただ手を繋ぐだけで、どちらが要求したものでもなく自然にそれが出来ているのは、本当に幸せなことだと思う。

今改めて思うのは、「あの時の私はあの人に、ゲームをやめてほしかったんじゃない。お互いの目や、顔や、仕草を見て、もっと向き合いたかったんだ」ということだ。

ただ元カレにとって、コミュニケーションはゲームほど重要ではない、というのが問題だった。

私は元カレにとって、ソーシャルゲームのデイリーボーナスより価値のない女だった。それは紛れもない事実である。

そう考えると何だか悲しいが、あのまま形式上の愛を向けられるより今のほうが幸せと思えるようになって、ようやく私の自己肯定感が戻った。

世の中のゲーマー諸君には、パートナーの声をきちんと聞いてほしい。

そして、自分のパートナーもゲーマーなんだよね...と悩む人も、どうか恐れずに相手と話し合って、我慢しないで、お互い納得のいく道を探してほしい。

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