【書評】村上龍映画小説集 ※著 村上龍

久しぶりに小説を読んだ。

『村上龍映画小説集』

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なぜ普段は小説を読まないのか、よくよく考えると、

自分は『物的に処理ができ、論理的に考えられアンサーが出るものしか読みたくない』

というレッテルを社会人になってから自然と貼ってしまっているのかと考えている。

今回また小説を読んでみようと思うに至ったきっかけは

『コロナ』『在宅』『人とのかかわりの減少』にあると捉えている。

このタイミング小説を読むことが即時に答えになるとは思わないが、

長期的に人間の糧や幸福につながってくることを信じて読み進めていただきたい。


この本のテーマは
青春、ドラック、セックス、淫靡、自分勝手、占領からの開放後、である

戦争を直接は知らないが『戦後』を知ってる世代の村上龍が

青春時代に感じた「ここはアメリカなのか日本なの分からない状態」が根本にある作品。


そんな状況の中、頭を抑えられているが腕だけをグルグル回してるような、どこか青春の空回りを環境のせいにする自分勝手さがにじみ出ている。

『青春』はいっときの夢マボロシ、すべて回顧録にて語られているこの小説は、人間の成長していく過程で『あの頃は腐っていたけど良かった』と自らの納得を暗示している場面も多い。

当時、村上龍を読んでいた世代との感覚とは?

今になってはアメリカンパブを開業する人や、ハーレーに乗っているセグメントの団塊ジュニア世代が何を考えていたのか、やはり白人コンプレックスが多少なりともあると思う。

かつて20代の私は三島作品に傾倒していた時期があったが、

驚くほど生気に満ち溢れているのに、死にたいほどのどコンプレックス持ってる人間には、

この作品のようなアウトプットをするしか自己を表現する方法がないのだと改めて感じた。

犯罪でアウトプットするものもいれば、反体制で表現する人間もいる。

『私は溢れ出たパワーを私はここに投入したんだ』という回顧録的作品

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