親指の付け根

君のてのひらは柔らかいんだろう
特に親指の付け根辺り
触れていたいのに指を絡めてくる
そんな強い気分ではないんだよ

僕等は一方通行ばかりですね
夜目に弱り行くのがわかるから
廃教会まで歩きましょう
月に白々しく騙されても

自分で摘んでしまったいのちの芽は
誰かを悲しくさせるとしたら
それは君であるといい
そこまでの事件は起こさないけど

僕等は時間軸がずれています
気付いて振り向いたらもう
僕等は無価値を悔やみません
ただ特に親指の付け根辺りを

とどめは忘れずに刺していって
その逆もまた然りで忘れたくはない
それはあの白黒の昨日や無色の明日
現実と睡眠の間に触れた付け根辺りを

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