反魂

ブラインドの壊れた窓
雑居ビルの4階
人が2人乗ったら窮屈な昇降機
探偵気取りの貴方と2人

終末前の小悪魔が集まる屋上
件の窓から見える景色
薄く埃が積もる机とソファ
臙脂色の夕焼けが射す

目出し帽を被って奇妙に踊る
関節が外れたように
父の名を逆から呼んで踊る

空には昏い渦が聴こえない歓声を吸い上げ
卵は魂の代わり
迷った村人はいずれ吸い上げられる
トランペットが高らかに鳴る

指紋の様な渦巻き状に描かれたタブ譜
馬鹿が謎を落としてTVは潰れた
アルコールの勢いで踊りながらねじれ
見てる前で全ての飾りを振り落とした
サブスクでバウハウスが流れた

こんな窓から見える世界だって
終わりが始まってメディアみたいだ
小悪魔達が血まみれの巨大な腕を引く
空から血まみれの大きなものが降りてくる
好き放題したから仕方ないね
荒い息を吐いて貴方が言った

本当にしたい事は我慢したと
言えなかったし
また我慢した

ただ世界の終わりに貴方と居た
夢を見ていた
現実に降りて来たる魔王
こんな時間は蹂躙して潰して
裸の魔女が白目をむいて
ただ世界の終わりに貴方と居た

頭蓋の裏に焼き付いたから
死ぬまで忘れないよ
光に傷つけられた事