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草の根宣言。

れいわ新選組の山本太郎さんが衆議院議員を辞職して夏の参議院選挙に出る。「折角国会に戻れたのに、どうして? 裏切りだ!」と感じる支持者も少なくないと思う。

でも、山本太郎は比例での当選。衆院選比例は政党名を書いて投票する。ゆえに、その議席はれいわ新選組の議席だ。太郎さんが辞職してもれいわ新選組の次点候補者が繰り上がり当選となり、党の議席は減らない。「れいわ」と書いた有権者への裏切りとはならない。

そもそも太郎さんが所属政党を離れ一人でれいわ新選組を立ち上げのは、自分ひとりそのまま国会議員でいても世の中は変えられないと思ったから。そして、そのなんの組織も持たないれいわ新選組がたった3年で参議院議員2人、衆議院議員3人の勢力になった。これは凄いことだけど、それでも少数政党ができることには限界がある。

そんな中で行われる夏の参院選。この選挙が終われば最大3年は国政選挙が行われない可能性がある。それはどういうことなのか…

私はリアルタイムで会見を見ていたが、太郎さんの持っている危機感がひしひしと伝わった。ノーカットバージョンは1時間以上あるので、せめてこのショートバージョンだけでも見て欲しい。2分20秒の動画だが最初の40秒は飛ばしても構わない。

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参院選に出るなら、当然比例だね。比例なら全国の人が山本太郎と書けるから、山本太郎のネームバリューで票を掘り起こし、自分+αの当選者を得る作戦だろうな。(★)

そう考えながら会見を見ていたら、なんと比例ではなく選挙区で出ると言うではないか。選挙区では山本太郎のネームバリューがあっても当選できるかどうかはわからない。どうしてそんなリスクをとるのか。

モヤモヤしていたら、記者から同様の質問があった。
太郎さんの回答の骨子はだいたいこんな感じ。

2019年夏の参院選では、旗揚げ直後で党名の浸透が難しく、知名度のある「山本太郎」の名前を書いてもらうことで議席を増やす戦略を取った。
(※2019参院選では山本太郎は比例で立候補。参院選の比例は政党名または候補者名で投票ができるので、「山本太郎」の候補者名を前面に押し出して戦ったということ。)

2021年の衆院選での比例の得票は全国あわせて200万票を超えた。つまり「れいわ」という政党名は浸透してきている。みなさんが浸透させてくれた。
(※2021衆院選も山本太郎は比例で立候補。衆院選比例では政党名しか投票できず「山本太郎」の名前は封印されてたにもかかわらず、2019参院選と遜色ない得票数だったことから、「れいわ」が浸透していると判断。)

夏の参院選に比例で立候補し「山本太郎」という名前を持ち出してプラスになるのかは難しい。今は「れいわ」が浸透してるのだから比例は「れいわ」で戦えばいい。山本太郎は確実に選挙区で1議席を取りにいくという選択をしたほうが、全体にプラスになる。

この最後の部分がちょっと飛躍していてわかりにくいので、私の理解したところを書いてみると。

参院選の比例ではざっくり100万票で1議席獲得計算。もし夏の参院選で2021衆院選と同じ約200万票を得票した場合、れいわの獲得議席は2議席。参院選の比例の当選者は名簿順ではなく候補者名票の多い順に決まるので、山本太郎が比例で出ると、おそらく山本太郎と特定枠1名(予定)で獲得議席が埋まる。

山本太郎のネームバリューで確実に+100万票以上を引っ張ってこられるのであれば、山本太郎が比例に出る意味はある。しかし、そこまでの力はなさそうだと判断している。

つまり、山本太郎が比例に出ると、もともと「れいわ」に投票されたであろう100万票を山本太郎が喰っておわる。それは山本太郎が比例に出なければ他の比例候補を当選させたはずの100万票。

山本太郎個人の利益を考えれば、比例で出れば当選確実。しかし党全体の議席数を増やすためには、厳しい戦いであっても山本太郎は選挙区で、山本太郎のネームバリューも生かしつつ戦い、+1議席をもぎ取る必要がある。

そうしてはじめて、党の議席数をより大きく増やすことができる。

これ、凄い覚悟じゃないですか?
山本太郎以外にこんなことできる人いる?
こんなことやる人いる?

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太郎さんは会見では次のようなことも言っていた。これも私の理解したところで書いている。

参院選で10議席獲得するのはハードルが高い。でもだからといって今回は3議席が目標だとか小さいことは言わない。もちろん3議席も大きいこと。でも、3議席だけのためなら自分が議員辞職せずにやる方法を考える。目標は大きい。最大限やるしかない。選ぶのは有権者。態度を決めていない人、心が変わる人、いろいんな人がいる。選挙で大きく議席を動かすためには、参院選までの数ヶ月、今、何が必要かということを皆さんにしっかり訴える必要がある。

小さな目標で満足してる場合ではない。次の参院選が日本の将来を左右する分岐点になる。だからこそ、リスクを取ってでも、比例ではなく選挙区で出るという太郎さんの決意。そこにはいつまでも山本太郎の名前に頼っていてはいられない、みんなで「れいわ」を広げていこうというメッセージもあるのではないかと感じた。

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山本太郎の力。
れいわ新選組の候補者の力。
ボランティアの力。
横に横にじわじわ広がる草の根の力で政治を変えたい。
私も一本の草の根として、できることをやっていく。


なんだか長くなってしまいました。
こんなですが、またお会いできたら嬉しいです。


(★)が今回の思い込みポイントでした。
思い込みといえば、山本太郎という人自体が思い込みを持ってみられがち。一度心を無にして演説を聞いてみたらいいと思う。

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