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天空の城ラピュタにみる敵の敵は味方

植物が持つ防衛方法の一つとして、草食昆虫に食べられたときにその天敵を揮発性物質で呼ぶというものが知られており、その物質は植食者誘導性植物揮発性物質(HIPV)と呼ばれている。
HIPVは、食害により植物ホルモンの一種であるジャスモン酸等によって生合成が誘導され、被害葉や被害個体のその他の葉から放出される。
例えば、リママメ(植物)がハダニ(植食者)の食害を受けた場合、チリカブリダニ(捕食性天敵)は健全な葉の匂いよりも食害された葉の匂いを好むという現象が知られている。

植物は自身で動けない分、環境内の種間関係をうまく利用して自身を防衛する手法を進化させたものが生き残っているということが分かる。
このようなよく考えないと実現できなそうな精巧な仕組みが、自然の中で実装されているという事実は、やはり自然選択が強力な仕組みであることを感じさせる。

また、HIPVは“敵の敵は味方”という関係を利用した防衛戦略と捉えることができる。

これは映画などでよくみられるパターンである。
見返してみたら『天空の城ラピュタ』もそのような話の展開だった。
シータの飛行石を狙うムスカの一行とドーア海賊団は話の序盤ではパズーやシータにとってどちらも敵だった。しかし、ムスカの一行が巨大組織でドーア海賊団にとっても敵対関係にあり、話の中盤以降シータがムスカの一行に捕らえられると、パズーがシータを助けるためにドーア海賊団に仲間入りするというように話が展開していく。
圧倒的な世界観はもちろん、トムおじさんがいい味を出しているなあと思ったり、ラピュタの文明と自然の関係の背後に思想を感じたりと、見るたびに新しい発見があるいい映画だなあと思った。

目玉焼きトーストおいしそう。

参考文献

3分でわかる技術の超キホン 植食者誘導性植物揮発性物質(HIPV)とは? | アイアール技術者教育研究所 | 製造業エンジニア・研究開発者のための研修/教育ソリューション (engineer-education.com)

植物が持つ防衛方法の一つとして、草食昆虫に食べられたときに天敵を呼ぶ。植物ホルモンの一種であるジャスモン酸等によって生合成が誘導される。食害により植物ホルモンが生合成され、被害葉や被害個体のその他の葉から放出される。

ELYZA DIGESTを用いて要約
サムネイル画像はとりんさまAI(@trinsama)により生成