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短歌1


飲み口の中に隠れる天国があると信じて今日も覗く

網目柄消えない肌を憂いても知らんふりしてまたねじ込んで

奈落に落ちているけれども背中には枕スマホが手から消えゆく

冷蔵庫開いたり閉じたりやっと取り出すハム一枚ぺらだけ

二人して知ったかぶりの実のない夜悪いか何かを生んでやろう

口の中のマダラ模様触りたい3回に1回は試してる

小窓から見えるマンション小人が住まう国を覗く潜水艦

塩素ブルー 清潔な海 紙パック 今日はふたつジュース持ち込んで

明日には曇って見えない星空今は確かに2人のために

雨降りの日に履く靴を持っておく踏み出しちゃえばこわくないから

初めてのウイスキー繰り返してる思い出は物語になって

焦らなくてもいいのにと蓋を閉じる固くなったアイスは不可逆

君がもしパントマイマーならば熱をかわすために入門書から

花を食む食うに困るわけでなしに困らなければ食べないなんて

雲の上連れて行ってよにわかには信じがたいの雨のない場所

嫌になるお酒ね手酌で飲ませてよなんなら返して愛ある夜を