あの子に好きだと言ったなら
あの子の部屋に遊びに行った時、寝室のドアノブにネックレスがかけられていた。雑然とした部屋のなかでそのドアノブだけが特別扱いされていることは一目瞭然で、それは彼女に男がいることを容易に想像させた。
解散、解散。無理です。あんな安っぽいネックレスを大事に特別扱いするような仲、どうしようもない…
どうしようもない…
落胆するわたしにうさ耳のメイドさんが話しかけてきた。
「諦めちゃうんですか〜?」
「諦めるも何も、もともと舞台にすら上がってないんだ…」
「上がっちゃえばいいの