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移住先で住みたい古民家と出逢う方法
2022年7月、東京都から広島県尾道市に移住した僕は、約10か月かけてここに住もう!と思える古民家を購入できた。その家は、尾道市向島の海近エリアにあり、2階からうっすらオーシャンビューが臨め、土地は220平方メートル、伝統工法で作られた築60年超の古民家で、価格は70万円だった。
今回は、この家に出会うまでの経験を踏まえ、地方移住して古民家に住みたいと考える方の家探しの参考になりそうな情報を共有したい。
古民家を探す方法
僕が古民家を探していた条件は以下の通り
築50年以上の古民家(できれば伝統工法で建てられたもの)
開放感のある眺望(できればオーシャンビュー)
相場より低価格
自然の音(木々のざわめき、鳥・虫の鳴き声)が聞こえるくらい静かな場所
日当たりや風通しが良い
いろいろな場所へアクセスしやすい(尾道市の山手から向島までのエリア)
サウナ小屋を建てられる庭の広さ
最初からこれらの条件が明確にあったわけではなかったが、家を探す過程で徐々に明確になっていった。
東京から尾道への移住を検討する際、最初は東京からも古民家を探せるだろうと考えていたが、先輩移住者に話を聞いたところ、皆が口を揃えて、まずは尾道の適当な場所に住んでから、その後で古民家を探すほうがいいとアドバイスをくれた。
これは実際そうで、尾道のような場所では、古民家の人気が高く、市場に出回る数も限られているため、かなり運や縁に頼ることになる。また、候補物件が見つかっても、車道の騒音が気になったり、シロアリや雨漏りの被害があったり、想像よりじめじめしていたりと、実際に訪れてみないとわからないことが多々あった。
そして実際に移住後、僕が試みた家探しの方法は以下の4つ。
ネットで探す方法
友人や知人に紹介してもら方法
空き家を自分で探して所有者に直接連絡する方法
地元の不動産業者を利用する方法
僕の場合、最終的には友人の紹介で家を見つけることができたが、これらの方法はすべて試したので、それぞれの方法、メリット、デメリットについて説明したいと思う。
1. ネットで探す方法
利用していた不動産検索サイトとしては、SUUMO、アットホーム、goo不動産、HOME'S、スマイミー、不動産ジャパン。また、ローカルな情報が載っている尾道市空き家バンク、タカセ不動産、河岡不動産、しまなみエステートなど。
この中で個人的におすすめサイトは、アットホーム、スマイミー、不動産ジャパン。これらのサイトで割安&よさげな物件をよく見かけました。
メリット:多くの物件情報から家を探せる
デメリット:多くの人が利用しているため競争が激しい。個人間での売買ではなく、不動産業者を介するため仲介手数料がかかる
2. 友人や知人に紹介してもらう方法
移住後、地元のお店を訪れ、自分が家を探していることを伝えると、その方々が直接知っていなくても、「あの人が空き家の情報を詳しく知っているかも?」というふうに、人やオーナーを紹介してくれたりすることがある。そのうちに、友達も増えてきて、友達を通じて紹介されたり、情報を得たりすることがあった。
メリット:ネットに出ていない情報をキャッチできるため競争が少ない。個人間の売買に進展することも多く、その場合は不動産業者の仲介手数料がかからない
デメリット:確認できる物件数が少ない。直接オーナーと交渉する必要があるため、性格によっては向かない場合あり
3. 空き家を自分で探して所有者に直接連絡する方法
これは、物件がなかなか見つからずに焦りを感じ始めた僕が最後に試みた方法で、手順は以下の通り。
住みたいエリアを散歩し、空き家のように見える素敵な物件を見つける
近隣の人に「ここ、空き家ですか?」と尋ねる
もしそうだったら、Googleマップで住所を調べる
法務局に行って土地の登記情報を調べ、所有者の名前を確認する
不動産業者に依頼し、所有者に売却意向を探る手紙を送ってもらう
住所と所有者の名前が分かれば、NTTサービスを使って電話番号を把握することもできるが、僕は自分で電話をかけることまではせず、不動産業者に問い合わせを代行してもらった。
この方法で2つの物件に対して不動産業者を通じて手紙を送ったが、残念ながら返事はもらえなかった。ただし、この方法で成功した人も周りにいるので、物件探しに行き詰まった場合は試してみる価値があるかもしれない。
メリット:ネットに出ていない物件情報を見つけることができる
デメリット:手間がかかる。オーナーと連絡が取れても、売却意欲のない人や、売却に消極的な人もいるため、交渉が難しい場合あり
4. 地元の不動産業者を利用する方法
この方法は、地元の不動産業者を訪問し、物件情報を提供してもらう方法。
メリット:ネットには掲載されていない地元の情報を得られる可能性あり
デメリット:確認できる物件数が限られている。個人間の売買ではないため、不動産業者に仲介手数料を支払う必要あり
古民家内覧時の21のチェックポイント
上記のやり方で候補物件を見つけたあとは実際に足を運び内見を行う。ここでは、他の人から聞いた話や、インターネットで調べた内容をもとに、古民家内覧時に確認すべき21のチェックポイントをまとめてみた。ただし、すべての項目をクリアすることは難しいため、どこを妥協しどこを妥協しないのかを考える参考として見ていただければと思う。
家の土台部分が沈下していないか
柱や梁が傷んでいないか
屋根から雨漏りしていないか
機密性が高いか
高速インターネットが利用可能か
家が傾いていないか
壁と天井の隙間がないか
お風呂が使用可能か
トイレは水洗か、汲み取り式か。修理が必要か
白アリの被害はないか
水道水は利用可能か
排水は適切に処理されているか
アスベストが使用されていないか
リフォームを自由に行えるか
庭や畑にごみが散乱していないか
山崩れや水没の危険性はないか
家の周囲の雰囲気は良いか
近くに土壌や水を汚染する施設や、騒音を発する施設などがないか
近隣の住民と仲良くできそうか
満潮時や台風時の被害はないか
空き家としての期間は長くないか
家や土地の価格が相場より高くないかチェックする方法
家の価格が相場より高くないかをチェックするために、私は以下の2つの方法を試していた。
1. 全国地価マップ
全国地価マップとは、国土交通省が固定資産税を計算するために、家が面する道路に値段を設定したマップのことである。この道路の単価に、土地の面積と評点を掛け合わせ、0.7で割ることで、その土地の価格の理論値を算出することができる。
詳細については、以下の記事がわかりやすく説明しているので、興味がある方は参考にしてみるとよいかも。
参考記事
固定資産税評価額、実は簡単な計算方法・調べ方!実勢価格との違いも解説
2. 土地総合情報システム
国土交通省の土地総合情報システムは、不動産の取引価格情報を提供するページを持っている。ここで、探しているエリア内の類似条件物件の過去取引実績を確認することで、おおよその相場を確認できる。
家の周辺環境を把握する方法
1. ハザードマップ
どの市町村もハザードマップや防災マップを提供しているはず。物件が津波、洪水、土砂災害などのリスクにどれくらいさらされているかを事前に確認できる。
2. Googleマップ ストリートビュー
大きな道路に面している物件の場合、現地に行かずともGoogleマップのストリートビューを利用すれば、周辺の雰囲気を把握できる。
3. 近隣住民へのヒアリング、実際に歩く
現地の情報を知るには、やはり現地に行ってみるのが一番。近隣の住民と挨拶を交わしたり、地元の人々と小話をすることで、地域の話を聞くことができる。
最後に
ここまで読んでいただいた方には、移住先の家探しが本当にアナログなプロセスであることがおわかり頂けたかと思う。
ただ日本全国にはまだまだ市場に出ていない空き家が数百万戸存在し、その数は今後も増える見込みである。
このため、宝探しのような感覚でプロセスを楽しむことができるなら、きっといい家との出会いがあるはずだ。
ちなみに僕は今、今年購入した古民家のDIYに取り組んでいて、その様子も以下の記事で書いているので興味があれば見ていただけると幸いだ。
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