幸の多かれ
<明るき声>
ひさびさに 美容院より 妻帰る
回復嬉しや 明るき声に
<老いの目>
老いの目にやさしき女医の 神の技
明るき視界 ふたたび我に
<令和のひかり>
子の年を 七度迎え わが妻に
令和のひかり 幸(さち)の多かれ
<令和の時代>
うつつ世は うつろいかわり すぎて行く
平成去りて 令和の時代に
<さりげなく>
さりげなく 会話がありて こともなく
日々過ぎてゆく 老いのくらし
<害虫>
花の木に 害虫ひとつ 宿りたり
早期に駆除し 明日に繁りを
<お別れ>
吾が庭に 芽生えて育ち 今日の日を
門出の別れ 惜しむひととき
<人のすがた>
年輪かさね なお美しき老櫻
ひとの姿もかくにあればと
<何もかも>
何もかも 整理したいが 何もかも
想い出ありて まだ捨て切れず
©Hyosaku Horiguchi
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