好きな事を仕事にすると幸せになれるのか?有料:No.03
「自分らしく生きる」という呪い
世の中には「夢を見させてくれる本」ってが時代のベストセラーとして出回っている事が多い。
それらの影響を受け「好きな事を仕事にする!」そう意気込む学生の数というのは数年前に比べると凄く増えたと感じている。
かつての私自身もそうだった。
しかし、大半の人は好きな事を仕事にできない所か「自分らしい生き方」に囚われて「一般的な生き方」すら達成できないまま、うだつのあがらない生活に苦しんでいる。
というのが残酷で悲しい現状なのではないでしょうか。
今まさにそんな若者が増えた気がする。
SNSを見渡しても何者かになりたい若者で溢れかえっている。
「好き」と「幸せ」は違う
私は幸運にも好きな事を仕事にできた。
しかしその好きな事というのは、学生時代に感じていたものとは若干ニュアンスが違っている。
社会に出て様々な職種を経験する中で「好きな事を仕事のしたからといって、それが必ずしも個人の幸せと結び付くわけではない」という事を知ったからである。
私は大学を卒業後、フリーターとして様々な業種を経験した。ある時はライフガードとして観光地のビーチで働いた。ある時はお洒落なカフェで働いた。またある時は古着屋で働いた。
当時の私はお洒落が好きだったので、古着屋で働くというのは、まさに自分の好きな事を仕事にするというのを体現したといっても過言ではない。
スタッフの募集をかけていない古着屋に突撃しては、オーナーにここで働かせてくれないかと直談判した。一度は断られるも、ならお手伝いさんとして無償でもいいから働かせてくれと頼んだ。
その結果、どうにかバイトで雇って貰える事になったのだが、そうやって自分の好きな事を仕事にしてみたものの、正直いってあまり楽しくはなかった。表面的には楽しいけど心の底からそれが楽しいと感じる事はなかったのだ。
「好きな事を仕事にしてるはずなのに、自分はなぜそれ程幸せではないのか?」そう考える日々が続いたが、その時は結局その答えは出なかった。当時の私というのはその答えを出すにはあまりにも幼く、社会に対する知見も経験も全てが不足していたからだ。
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