イエロー・サブマリン (27-50)
今週も始まりました。朝から防災無線は熱中症予防の放送が続いています。そろそろ梅雨明けでしょうか。
さて日曜日に読み終えた作品を紹介します。
その作品とは小路幸也氏の「東京バンドワゴン」の新作です。
続いているシリーズで第15作目というのはかなり長いのではないかと思います。今回も堀田家のほのぼのとした騒動(?)が楽しめる作品でした。
四世代が同居する堀田家には、今日も不思議な事件が舞い込む。伝説の作家のアトリエに潜む秘密、紺に届いた盗作を訴える手紙、古本を定期的に買っては店に置いていくミステリアスな少女、藤島とパートナーになった美登里につきまとう過去の亡霊―。バンドワゴンの面々は「LOVE」という強い絆を持って立ち向かう。人気シリーズ待望の第15弾!(「BOOK」データベースより)
堀田家は令和に突入してますますパワーアップしてきました。
堀田家血筋の家族に配偶者、そして家族のような付き合いをする人々が続々と登場するのですが、田舎町でさえこんな近所付き合いはもうないという、本当に温かい人々ばかりで、根っからの悪人が出てこない点が好きです。
いよいよ本書の終わりには当主勘一が米寿を迎え、曽孫の研人も新しい門出を迎えました。
人の縁というのは本当に不思議なものです。どこで出会いどこで別れて、そしてその糸が繋がっていくのか切れていくのか誰にもわかりません。そもそもわかってしまったら、それは縁とは言えないのかもしれません。(中略)
たくさんの人に出会える方が、良いとわたしは思います。出会わなければ良かったと後で思ったとしても、その思いもまた人生を彩ってくれますよ。p196
家は、暮らすところです。きっと、心の拠り所なのですね。支えとなるもの。たとえどんなことが起ころうとも、そこに帰りさえすれば、もう一度立ち直り歩き始めることができる場所。それが家なんだと思います。
(中略)
幸せを求めるというのは、そういう場所を求めることなのかもしれません。今はまだ見つからなくても、そして、消えてしまっているとしても、それを求めるからこそ、人は強く生きていけるかもしれませんね。p309
人の縁、家とは家族とは、まさにこの引用した文章が全てを語ってくれていると思います。
私ももう少し頑張って生きていきたい、幸せを求めていきたいと思わせてくれた作品でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
海の日で祝日だったはずの今日、東京五輪開催のため変更になりましたね。午後も体調に留意され、有意義な1日をお過ごしください。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。